UCIワールドツアーのフレッシュ・ワロンヌ2020でスイスのヒルシが初優勝
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で、4月から延期になっていたアルデンヌ・クラシックのフレッシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)が、9月30日にベルギー南部ワロン地方で開催され、スイスのマルク・ヒルシ(チームサンウェブ)が初参加で初優勝を果たした。
2位にはフランスのブノワ・コスヌフロワ(AG2R・ラモンディアル)、3位にはカナダのマイケル・ウッズ(EFプロサイクリング)が入った。今年はトップ3の全員が、フレッシュ・ワロンヌの表彰台に上がるのは初めてという結果になった。
アラフィリップとバルベルデが不参加
第84回大会は、史上初めてエルベがスタートになり、166選手が出走した。3日前に世界チャンピオンになったディフェンディングチャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)と、今大会で5回優勝しているスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)が参加しなかった。
ツール・ド・フランスを落車で棄権した地元ベルギーのフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)は、同時開催されているビンクバンク・ツール(UCIワールドツアー)に参加していて、やはり今年は欠場した。今大会で優勝経験のある3人がスタートしなかったため、今年は誰が勝っても初優勝という状況だった。
スタートして4kmでマウリ・ヴァンセヴェナント(ドゥクーニンク・クイックステップ)、アーロン・ヴァンパウケ(スポルトブラーンデレン・バロワーズ)、マティス・パースヘンス(ワロニーブリュッセル・ビンゴール)、マルロン・ガイヤール(トタル・ディレクトエネルジー)の4人がアタックし、この日の逃げグループになった。
4人の逃げはUAEチーム・エミレーツとイネオス・グレナディアズがコントロールしていた集団に50km地点で最大9分10秒の差を付けたが、それ以上には広がらなかった。後半に入り、逃げは1人ずつ脱落し、残り21kmで先頭はヴァンセヴェナント1人になった。
残り10kmのシュマン・デ・ギューズの丘で、集団からはリゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング)がアタックし、30秒前を逃げ続けるヴァンセヴェナントを追った。先頭のヴァンセヴェナントは残り4kmで落車してしまい、ウランに追いつかれてしまった。集団はUAEチーム・エミレーツとボーラ・ハンスグローエが引いて、精鋭だけが生き残っていた。
ゴールがあるウイの町に入り、先頭の2人は残り1.5kmで集団に吸収され、壁と呼ばれる最後の激坂に突入。誰も飛び出さないまま、リッチー・ポート(トレック・セガフレード)を先頭に400mのコーナーを通過した。そこから残り200mで最初にスパートしたのはウッズだったが、ゴール手前でヒルシに抜き去られてしまった。
現在22歳のヒルシは、2018年インスブルック世界選のアンダー23ロード世界チャンピオンで、9月にツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)の第12ステージでプロ初勝利となる区間初優勝を果たしたばかりだった。彼は今年のツールで何度も逃げ、スーパー敢闘賞も獲得した。ヒルシは3日前のイモラ世界選でも3位に入っていた。
■フレッシュ・ワロンヌを初参加で初優勝したヒルシのコメント
「我々にとってパーフェクトだった。今日は集団の先頭で素晴らしい仕事をしてくれたチームの走りをとても誇りに思う。最終ラップは本当にスピードが上がった。ミュール・ド・ウイでは、脚の問題だった。ミュール・ド・ウイはものすごくハードで傾斜がキツかった。だから行くのが早すぎないように我慢しなければならなかった。この勝利は、痛みを克服するために頭を強くする事が重要だったと思う」
第84回フレッシュ・ワロンヌ 結果
[9月30日/エルベ〜ウイ(ベルギー)/UCIワールドツアー/202km]
1. MARC HIRSCHI (TEAM SUNWEB / SUI) 04H 49′ 17”
2. BENOIT COSNEFROY (AG2R LA MONDIALE / FRA)
3. MICHAEL WOODS (EF PRO CYCLING / CAN)
4. WARREN BARGUIL (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA)
5. DANIEL MARTIN (ISRAEL START-UP NATION / IRL)
6. MICHAL KWIATKOWSKI (INEOS GRENADIERS / POL)
7. PATRICK KONRAD (BORA – HANSGROHE / AUT) + 05”
8. RICHIE PORTE (TREK – SEGAFREDO / AUS) + 05”
9. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 05”
10. SIMON GESCHKE (CCC TEAM / GER) + 10”