ジロ・デ・イタリア2020 第16ステージはトラットニックが区間初優勝

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イタリアで開催中の第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、2度目の休養日明けの10月20日にウディーネからサン・ダニエーレ・デル・フリウリまでの229kmで第16ステージ を競い、スロベニアのヤン・トラットニック(バーレーン・マクラーレン)が逃げ切り、グランツール初優勝となる区間初優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア2020

トラットニックが祖国スロベニアに近いステージでジロ区間初優勝を果たした

区間2位にはオーストラリアのベン・オコナー(NTTプロサイクリング)、3位にはイタリアのエンリーコ・バッタリーン(バーレーン・マクラーレン)が入った。

メイン集団はマリア・ローザを着たポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアップヒルゴールでアタックし、ライバルたちに2秒差を付けてゴール。総合成績でのリードをわずかに広げた。

ジロ・デ・イタリア2020

アップヒルゴールでアタックし、ライバルたちを出し抜いたマリア・ローザのアルメイダ


ガビリアが新型コロナ陽性

今年のジロもいよいよ最終週に突入。第16ステージは137選手が出走した。2度目の休養日に行われた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査で陽性になったコロンビアのフェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)がスタートできなかった。彼は3月にも新型コロナウイルスに感染していた。

この日は6カ所の峠を越えるレイアウトで、最初のカテゴリー2の登坂が始まった時に、ルーベン・ゲレイロ(EFプロサイクリング)がアタックし、山岳賞のポイント争いが始まった。メイン集団からは28選手が逃げ出し、そこにトラットニックも加わっていた。31kmの山頂はゲレイロがトップで通過し、山岳賞総合首位でマリア・アッズーラを着たジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ヴィーニザブ・KTM)が続いた。

77.2km地点のカテゴリー3の峠はヴィスコンティが勝ち、ゲレイロが2位で通過した。ヴィスコンティは次のカテゴリー3の峠も1位で通過し、山岳賞総合首位を守った。ゴールのローカルラップに入り、ゲレイロは自転車を交換。彼は3回上るカテゴリー3のラゴーニャ山でアタックし、最初の山頂は後続に28秒差を付けて先頭で通過した。

下りで追走集団からマヌエーレ・ボアーロ(アスタナプロチーム)とトラットニックがアタックし、ゲレイロを追い抜いて先行。しかし、ラゴーニャ山の2度目の登坂でボアーロは遅れてしまった。トラットニックは独走を続けたが、3度目のラゴーニャ山でオコナーが合流し、2人でゴールを目指した。

トラットニックとオコナーは、残り1kmのフラム・ルージュで後続に1分近いタイム差を維持していた。最後はアップヒルゴールの残り600mでトラットニックがアタックし、オコナーは付いて行けなかった。区間優勝を逃したオコナーは、ゴールでハンドルを叩いて悔しがっていた。

■ジロ区間初優勝したトラットニックのコメント
「今朝、これは区間優勝にトライする最後のチャンスになるだろうと考えた。そうしなければ、この後の日々は過酷すぎるからだ。ここは(故郷)スロベニアに最も近いステージでもあった。だから大勢の観客が応援してくれた。ボクは友達や家族が観ている場所でアタックした。それはたくさんのエネルギーをボクに与えてくれたんだ。

とても感動的だった。グランツールで初めての勝利だからね。チャンスを得て、それをモノにできたのは特別な瞬間だ。残りの時間は、喜んでチームの他の選手たちを助けるよ」

ジロ・デ・イタリア2020

アルメイダはこれでマリア・ローザを14日間守った

■第16ステージ結果[10月20日/ウディーネ~サン・ダニエーレ・デル・フリウリ/229km]
1. TRATNIK Jan (BAHRAIN – MCLAREN / SLO) 6:04:36
2. O’CONNOR Ben (NTT PRO CYCLING / AUS) +7
3. BATTAGLIN Enrico (BAHRAIN – MCLAREN / ITA) +1:14
4. MALECKI Kamil (CCC TEAM / POL) +1:14
5. SWIFT Ben (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:14
6. VENDRAME Andrea (AG2R LA MONDIALE / ITA) +1:21
7. BOUCHARD Geoffrey (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1:21
8. FABBRO Matteo (BORA – HANSGROHE / ITA) +1:25
9. BOARO Manuele (ASTANA PRO TEAM / ITA) +1:33
10. TONELLI Alessandro (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA) +1:37
28. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +12:54
34. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +12:56
70. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +17:21

■第16ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) 65:45:08
2. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +17
3. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +2:58
4. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +2:59
5. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +3:12
6. MAJKA Rafal (BORA – HANSGROHE / POL) +3:20
7. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +3:31
8. POZZOVIVO Domenico (NTT PRO CYCLING / ITA) +3:52
9. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +4:11
10. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +4:24
12. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +5:09
88. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +2:33:28

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):VISCONTI Giovanni (VINI ZABU’ BRADO KTM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR)
(※第17ステージは HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) が着用)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア公式サイト