ジロ・デ・イタリア2020で英国のゲーガンハートが最終日逆転総合初優勝

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イタリアで開催されていた第103回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、10月25日にチェルヌスコ・スル・ナビリオからミラノのドゥオーモ広場までの15.7kmで、最終ステージの個人タイムトライアルを競い、英国のテイオ・ゲーガンハート(イネオス・グレナディアズ)が、マリア・ローザを着たオーストラリアのジャイ・ヒンドリー(チームサンウェブ)よりも39秒速いタイムを出し、逆転で総合初優勝を果たした。

ジロ・デ・イタリア2020

最終日逆転総合優勝を成し遂げた英国のゲーガンハートがミラノのドゥオーモ大聖堂の前でマリア・ローザを着た

前日に0.86秒差で総合首位になったヒンドリーは総合2位に留まり、彼のチームリーダーであるオランダのウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)が総合3位になった。

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア2020の表彰台。左から総合2位のヒンドリー、総合優勝のゲーガンハート、総合3位のケルデルマン

最終日の個人タイムトライアルは、TT世界チャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)が今大会区間4勝目を上げ、ゲーガンハートの総合優勝に花を添えた。英国のイネオス・グレナディアズは、今年のジロのステージの3分の1に当たる7ステージで区間優勝した。25歳のゲーガンハートは、新人賞のマリア・ビアンカも受賞している。

ジロ・デ・イタリア2020

最終日の個人タイムトライアルはTT世界チャンピオンのガンナが制した

ポイント賞のマリア・チクラミーノはフランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が受賞した。デマールがグランツールでポイント賞を取ったのは、これが初めてだった。山岳賞のマリア・アッズーラはポルトガのルーベン・ゲレイロ(EFプロサイクリング)が受賞した。

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ポイント賞のマリア・チクラミーノはフランスのデマールが受賞した

 

ジロ・デ・イタリア2020

山岳賞のマリア・アッズーラはポルトガルのゲレイロが受賞した(©Bettiniphoto)

弱冠22歳でグランツール初参加だったにもかかわらず、第3ステージで総合首位に立ち、15日間マリア・ローザを守り続けたポルトガルのジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、最終日の個人タイムトライアルでもガンナに41秒遅れの区間4位と健闘し、総合4位でジロを初完走した。

ジロ・デ・イタリア2020

最終日の個人タイムトライアルでヒンドリーよりも39秒速いタイムを出したゲーガンハート(©Bettiniphoto)

■サプライズなジロ総合初優勝を成し遂げたゲーガンハートのコメント
「フィニッシュラインを越える瞬間まで、他のステージや日曜日のライドのようにトライしていた。ただパフォーマンスをして、ゴールで家族や友達に会うだけだった。世界中の誰にとっても奇妙な年だった。去年から家には帰っていないから、兄弟に会うのが楽しみだ。チームのバブルを離れるのは変な気分だろう。ジロ・デ・イタリアの勝者としてこのポジションに居る事は素晴らしい。表彰台を獲得したヒンドリーとケルデルマンを祝福する。素晴らしい戦いだった。ミラノに到着するまでは、ジロで勝つとは思わなかった。クレイジーだよ」

ジロ・デ・イタリア2020

お互いの健闘を称え合うゲーガンハート(左)とヒンドリー

■第21ステージ結果[10月25日/チェルヌスコ・スル・ナビリオ~ミラノ/15.7km]
1. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA) 17:16.55
2. CAMPENAERTS Victor (NTT PRO CYCLING / BEL) +32
3. DENNIS Rohan (INEOS GRENADIERS / AUS) +32
4. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +41
5. SCOTSON Miles (GROUPAMA – FDJ / AUS) +41
6. ČERNÝ Josef (CCC TEAM / CZE) +44
7. HAGA Chad (TEAM SUNWEB / USA) +44
8. MCNULTY Brandon (UAE TEAM EMIRATES / USA) +46
9. GRADEK Kamil (CCC TEAM / POL) +47
10. TRATNIK Jan (BAHRAIN – MCLAREN / SLO) +47
11. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +55
13. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +58
24. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +1:16
30. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +1:27
31. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +1:28
33. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +1:31
36. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +1:35
38. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +1:37
86. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +2:27

[第103回ジロ・デ・イタリア 個人総合最終成績(マリア・ローザ)]
1. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) 85:40:21
2. HINDLEY Jai (TEAM SUNWEB / AUS) +39
3. KELDERMAN Wilco (TEAM SUNWEB / NED) +1:29
4. ALMEIDA Joao (DECEUNINCK – QUICK – STEP / POR) +2:57
5. BILBAO Pello (BAHRAIN – MCLAREN / ESP) +3:09
6. FUGLSANG Jakob (ASTANA PRO TEAM / DEN) +7:02
7. NIBALI Vincenzo (TREK – SEGAFREDO / ITA) +8:15
8. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +8:42
9. MASNADA Fausto (DECEUNINCK – QUICK – STEP / ITA) +9:57
10. PERNSTEINER Hermann (BAHRAIN – MCLAREN / AUT) +11:05
89. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN – MCLAREN / JPN) +4:10:07

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):GUERREIRO Ruben (EF PRO CYCLING / POR)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GEOGHEGAN HART Tao
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)

ジロ・デ・イタリア2020

ジロ・デ・イタリア2020を制した英国のイネオス・グレナディアズ

ジロ・デ・イタリア公式サイト