ベルギーの2021シーズン開幕戦でイタリアのバッレリーニが初優勝
ベルギーのロードレースシーズンの開幕戦であり、フランダース・クラシックスの1戦である第76回オムロープ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)が、2021年2月27日に北部東フランダース州で開催され、地元ベルギーのドゥクーニンク・クイックステップに所属するイタリアのダヴィデ・バッレリーニが集団ゴールスプリントを制して初優勝した。
2位は英国のジェイク・ステュワート(グルパマ・FDJ)、3位は地元ベルギーのセップ・ヴァンマルケ(イスラエル・スタートアップネーション)だった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、今年のオムロープ・ヘットニュースブラッドはスタートとゴール、主要な坂と石畳を無観客にして開催された。例年この時期のベルギーは典型的なフランダースの悪天候に見舞われるが、今年は気温6℃で北風もさほど強くはなく、時折太陽が顔を出す穏やかな一日だった。
レースはゴールまで残り44kmのモーレンベルフの石畳の坂で集団から抜け出した小集団が、序盤から逃げ続けていた5選手を捕まえて動き出した。このグループにドゥクーニンク・クイックステップは、世界チャンピオンの証であるアルカンシエルを着たフランスのジュリアン・アラフィリップ、ズデニェック・シュティバル、バッレリーニの3人が加わっていた。
アラフィリップは先頭グループを自ら引き、集団とのタイム差を30秒に広げた。その後、彼はゴールまで残り32kmのべーレンドリースの坂でアタックし、単独で先頭を走り続けた。しかし、アラフィリップはミュールがあるヒーラールスベルヘンのふもとで逃げグループに吸収され、このグループもミュール突入前に集団に吸収された。
有名な石畳の激坂であるミュールはイタリアのジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアズ)が先頭で上り始め、そのまま集団から先行したが、彼は最後の石畳の坂だったボスベルフで吸収された。
大集団は誰も抜け出すことなく、ゴールのニノープに到着。集団の先頭で仕事を続けていたアラフィリップは残り3kmで後方へと下がった。残り2kmを切った所で、ノルウェーのアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)はパンクに見舞われてしまい、勝機を逃してしまった。
最後はドゥクーニンク・クイックステップのカスパー・アスグレーンとフロリア・セネシャルが列車を組んでバッレリーニをゴールまで運んだ。そこから残り200mでスパートしたバッレリーニは、ライバルたちに大差を付けてフィニッシュラインを通過し、勝利の雄叫びを上げた。
バッレリーニはオムロープ・ヘットニュースブラッドで優勝した5人目のイタリアになった。1995年にイタリア人で初めて優勝した選手は、奇しくも彼と同じファミリーネームの故フランコ・バッレリーニだった(当時のレース名はオムロープ・ヘットフォルク)。
■オムロープ・ヘットニュースブラッドで初優勝したバッレリーニのコメント
「夢が叶った。このチームが本当に好きだ。ここでは調子が良いと感じていた。チームはボクを信じてくれた。アラフィリップが来て、今日はボクの日だと言ってくれたんだ。世界チャンピオンがそう言ってくれたら、ものすごい自信になるものさ。とても嬉しい。言葉にならないくらいだ」
■第76回オムロープ・ヘットニュースブラッド結果
[2月27日/UCIワールドツアー/ベルギー]
1. BALLERINI Davide (DECEUNINCK – QUICK-STEP / ITA) 04:43:03
2. STEWART Jake (GROUPAMA – FDJ / GBR)
3. VANMARCKE Sep (ISRAEL START-UP NATION / BEL)
4. HAUSSLER Heinrich (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS)
5. GILBERT Philippe (LOTTO SOUDAL / BEL)
6. ARANBURU DEBA Alex (ASTANA – PREMIER TECH / ESP)
7. SENECHAL Florian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA)
8. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
9. GENIETS Kévin (GROUPAMA – FDJ / LUX)
10. POLITT Nils (BORA – HANSGROHE / GER)