Q・Nリーグ成田下総2021春でシーズン最初のバトルマリンジャージ獲得選手が決定
GW初日の4月29日、千葉県成田市・下総運動公園で女子Qリーグと中学生Nリーグの2021-2022シーズン開幕戦となる「成田下総2021・春」が開催された。レース会場となる下総運動公園には、常設の1周回が約1.5kmのサイクリングコースがあり、今大会は午前がスクール、午後はレースの2部構成となる。
レース当日は朝から雨となったが、朝8時にスマートコーチング主催のサイクルスクールからスタート。今回はリーグ大会の趣旨に沿って中学生や小学生、そして女子を中心としたクラスで参加を募集し、参加者のレベルに応じたクラス分けをして、経験豊かな講師の指導のもとインドアトレーニングでは習得できない複数人で行うローテーションをしながらの走行練習などをコース占有して実施した。
とくに小学生低学年の参加者は、雨の止んでいる合間を利用して芝地を行進しながら「集団走行の間隔」や「先頭交代のタイミング」を受講。あと少しでスクールが終わるタイミングで急な突風と雨で中断し、そのまま終了となってしまったが、この後のリーグ開幕戦に出場する参加者にとってはレース前の良い予習になったようだ。今後も、このような「レース本番前の予習復習になるスクーリング」を定期的に行なっていく予定。
そして、いよいよ午後からはリーグ開幕戦が開始。開会式を含めて全てのレースプログラムについては、感染症予防対策を講じて実施した。そのため、開会アナウンスでリーグの案内や大会注意事項を伝達してからのレーススタートとした。
今大会は「高校生以上女子」が対象のQリーグレース、そして「中学生男女」が対象のNリーグについては、事前にリーグ登録した選手のみ参加でき、その参加料は無料とした。更に将来、Nリーグで活躍するであろう小学生レース、そしてNリーグから今後活躍が期待できる高校生男子レースを設定。
正午から第1レースとなる小学生1年から3年クラス、その後に小学生4年から6年クラスの1回戦がスタート。雨は相変わらず降り続けていたが、小学生1年から3年クラスが2周=3km、4年から6年クラスは4周=6kmと他の小学生レースではなかなか走れないボリュームで、幕開けレースにふさわしい走りを見せた。
小学生1年から3年クラスでは村田 心泰(Murata)、4年から6年クラスは三上 将醐(コラッジョ川西 U-19)の圧勝となった。
続く高校生男子レースは20周回=30㎞を、出走5人ではあったが錚々たる顔ぶれが揃い、激しい雨の中で目の離せないレース展開。スタート直後から積極的に動く栄北高校の茂呂 佳名人。その後を入れ替わりながら追う選手達。
その追走集団から秋田圭佑(土浦第一高校)と川田翔太(ボンシャンスACA)が抜け出して茂呂を捉え、先頭が入れ替わりながらも再び茂呂が単独トップとなり逃げに転じた。そして最終周回を前に秋田が先頭に立ち、単独で2番手以降に1分近いタイム差をつけてゴール、優勝を決めた。
秋田は「中学生の時に同じレースで走っていた仲間たちと、再び高校生になってからも同じレースで戦えたのが楽しかった!」とコメント。特に高校生になると高体連や、実業団チームなどに所属が分かれてしまうこともあり、このように高校生になっても同じカテゴリーで所属の垣根を越えて一緒に戦える場は必要と実感した。
次のレースはNリーグの中学生男子「N」カテゴリーのレース、15周=22.5km。こちらは16人の選手たちが出走、スタート直後から大きなメイン集団を形成して1周回を約2分35秒ほどで推移しながらレースを展開。レース中に周りの選手をチェックする様子など集団走行の姿は男子エリートレースのように非常に整然としており、レースそのものの展開とともに目の離せない走りとなった。
レースは昨年、Nリーグポイントランキング4位の都丸 藍音(COWGUMMA)、そしてブラウ・ブリッツェン U15の水上 央渉、本井 大裕、柏崎 蒼虎の4人が最終周回で先行。ゴールスプリントとなり、水上が優勝して今シーズン最初のポイントリーダーとなり「バトルマリンジャージ」を獲得。
水上は「リーグの開幕戦を狙っていたので、今回のレースがチームメイトが多くて心強かった。リーダージャージを最後まで着られるように引き続き頑張ります!」と元気にコメントした。
この後のNリーグ、中学生女子「NW」カテゴリーのレースは5周=7.5kmで実施。エントリー選手が全員出走し、7人でレースはスタート。序盤は大きな集団で推移していたが、中盤からは岡本 彩那(ブラウブリッツェンU15)、冨岡 蒼(HAKUJIKAI Traiathlon Club)、篠塚 萠依(Cycel DNA)の3人が抜け出して先行する。
そのままで最終周回に入り、ゴール前の上り箇所から岡本が抜け出して先着、見事優勝し今シーズンから中学生女子「NW」のポイントリーダーにも授与されることとなった「バトルマリンジャージ」を獲得することができた。
表彰式では、チームメイトでもある水上と並んでバトルマリンジャージを披露。この中学生Nリーグを牽引するニュースター2人の活躍とともに、ポイントリーダー奪還を目指すNリーグ登録選手たちの活躍にも注目したい。
なお、「高校生女子以上」が登録するQリーグについては出走無しのためレース不成立となった。そのため残念ながら、2日後におこなわれるリーグ第2戦「春のしもうさクリテリウム」のQリーグ対象レース結果まで、Qリーグ・ポイントリーダーの証となる「アメジストジャージ」選手の登場を待つこととなった。
最後は小学生1年から3年クラス、その後に小学生4年から6年クラスの2回戦。このレースでも小学生1年から3年クラスは村田 心泰(Murata)、4年から6年クラスは三上将醐(コラッジョ川西 U-19)の圧勝となった。
何よりも、どのレースも早くからの雨予報にも関わらずレース出走率が高く、どれだけ期待を持っていただいたレースであったかを感じた。
レース中は地元の成田ケーブルテレビも取材に入り、今後も国際都市である成田市の常設コースの今会場を活用しながら、ジュニアを中心とした自転車レースの確立と普及活動を通じて、将来は世界に通用する選手を輩出できるよう企画を改善していく。
また、同リーグとしては昨シーズンから続いて「Q・Nリーグ対象レース」として、女子とジュニアレースの確立と普及をサポートする主催団体と連携をおこないながら、日本のジュニア・女子選手たちが占有するレースを気軽に出走できるシステムを模索していく。
Qリーグ・Nリーグ公式ホームページ
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/
リーグのポイントランキング、リーグ対象レースのご案内
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
今大会要項
https://gicz.jp/open/210429qn
※参考:大会要項など
大会名:女子Qリーグ・中学生Nリーグ2021-2022シリーズ開幕第1戦:成田下総2021・春
主催:Qリーグ・Nリーグ実行委員会
後援:NPO法人サイクリスト国際交流協会、成田市、成田市教育委員会、成田ケーブルテレビ株式会社
協力:SMART Coachimg、Flecha、合同会社LinkTOHOKU
リーグ協賛(順不同):株式会社クランノート、株式会社 隼、株式会社アミックグループ、武田レッグウェアー株式会社、アイリス株式会社
レース協賛:株式会社 隼、株式会社アミックグループ、アイリス株式会社
開催日:2021年4月29日(木・祝)
開催地:下総フレンドリーパーク・サイクリングコース(1周=1.5km)
12:00 小学生1年~3年・1回戦、その後に小学生4年~6年・1回戦
12:30 高校生男子
<高校生男子レース:表彰式
13:40 NリーグN中学生男子
14:20 NリーグNW中学生女子
<NリーグN男子とNW女子:表彰式
15:00 Qリーグ高校生以上女子
15:40 小学生1年~3年・2回戦、その後に小学生4年~6年・2回戦
16:15 Qリーグと小学生各レース:表彰式および閉会式
文:須藤むつみ(Qリーグ・Nリーグ実行委員会)
写真:Takashi Saito