ジロ・デ・イタリア2021第2ステージでメルリールが区間初優勝

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イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月9日にストゥピニージ(ニケリーノ)からノバーラまでの179kmで第2ステージを競い、ベルギーのティム・メルリール(アルペシン・フェニックス/28歳)が、集団ゴールスプリントを制してグランツール初優勝となる区間初優勝を上げた。

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故ウェイラントの命日に区間初優勝したベルギーのメルリールは、ゴールでウェイラントの頭文字『W』を作った(photo : LaPresse)

 

この日は奇しくも10年前の2011年ジロ・デ・イタリアで事故死したベルギーのウォートル・ウェイラントの命日だった。フィニッシュラインを先頭で通過した同郷のメルリールは、両手でウェイラントの頭文字である『W』を作って掲げていた。

マリア・ローザを着たイタリアのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)は集団でゴールし、総合首位を守った。

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マリア・ローザは地元イタリアのガンナが守った(photo : LaPresse)


ウェイラント追悼

第2ステージは23チーム183選手が出走。ラトビアのクリッツ・ネイランズ(イスラエル・スタートアップネーション)は、前日の個人タイムトライアル終了後、ホテルに戻る途中に落車し、右鎖骨を骨折してしまい、たった1日でジロを去らなければならなくなった。

ストゥピニージのスタート地点には、この日が命日だったウェイラントを追悼するために、彼が当時付けていたゼッケン番号『108』がペイントされていた。

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第2ステージは故ウェイラントの命日で、スタート地点にはゼッケン108がペイントされていた(photo : LaPresse)

スタートの合図と同時にアタックしたのは、地元イタリアのフィリッポ・タリアーニ(アンドローニジョカットリ・シデルメク)で、ウンベルト・マレンゴ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)とヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)が続いて3人の逃げグループを形成した。

レース中盤の95.2kmに、今年最初でこのステージ唯一の山岳ポイント(カテゴリー4)があり、アルバネーゼが先頭で通過して山岳賞のマリア・アッズーラを獲得した。彼はこの後、パンクで集団に戻ったが、ジロ初参加のエオロ・コメタ サイクリングチームに初めての表彰台をもたらした。

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山岳賞のマリア・アッズーラはアルバネーゼが獲得した(photo : LaPresse)

先頭を2人で逃げ続けていたタリアーニとマレンゴも、ゴールまで残り26kmを切った所で集団に捕まり、最後は予想通りゴールスプリントになった。しかし、集団をコントロールできるチームはなく、混沌としたスプリントを制したのは、初参加でUCIプロチームに所属するメルリールだった。

シクロクロスとロードレースを兼任し、2019年のロード・ベルギーチャンピオンでもあるメルリールは、欧州チャンピオンのジャコモ・ニッツォーロ(チームクベカ・アソス)やベテランのエリア・ヴィヴィアーニ(コフィディス)の追走を寄せ付けず、アルペシン・フェニックスで強いのはオランダのマテュー・ファンデルプールだけではない事を世界に示した。

メルリールはポイント賞でも総合首位になり、マリア・チクラミーノを獲得している。

■グランツールで区間初優勝したメルリールのコメント
「グランツールでのボクにとって最初のスプリントで、この勝利を得られてとても嬉しいよ。最後のランドアバウトでの良い位置取りが重要なのはわかっていた。そこを出た後は、ただ速く行くことだけを考えていた。ボクはより遠くから、250mくらいからスパートした。それでも仕上げるには十分だった。高地での準備が良かった。ジロに挑む前から自信はあったよ」

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区間優勝したメルリールはポイント賞のマリア・チクラミーノも獲得した(photo : LaPresse)

■第2ステージ結果[5月9日/ストゥピニージ(ニケリーノ)~ノバーラ/179km]
1. MERLIER Tim (ALPECIN-FENIX / BEL) 4:21:09
2. NIZZOLO Giacomo (TEAM QHUBEKA ASSOS / ITA)
3. VIVIANI Elia (COFIDIS / ITA)
4. GROENEWEGEN Dylan (JUMBO-VISMA / NED)
5. SAGAN Peter (BORA – HANSGROHE / SVK)
6. MOSCHETTI Matteo (TREK – SEGAFREDO / ITA)
7. FIORELLI Filippo (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA)
8. NAESEN Lawrence (AG2R CITROEN TEAM / BEL)
9. CIMOLAI Davide (ISRAEL START-UP NATION / ITA)
10. EWAN Caleb (LOTTO SOUDAL / AUS)
20. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
125. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN)

■第2ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA) 4:29:53
2. AFFINI Edoardo (JUMBO-VISMA / ITA) +13
3. FOSS Tobias S. (JUMBO-VISMA / NOR) +16
4. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +20
5. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK-STEP / POR) +20
6. CAVAGNA Rémi (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) +21
7. VAN EMDEN Jos (JUMBO-VISMA / NED) +21
8. WALSCHEID Maximilian Richard (TEAM QHUBEKA ASSOS / GER) +22
9. BRÄNDLE Matthias (ISRAEL START-UP NATION / AUT) +25
10. MOSCON Gianni (INEOS GRENADIERS / ITA) +26
96. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +56

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MERLIER Tim (ALPECIN-FENIX / BEL)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):GANNA Filippo (INEOS GRENADIERS / ITA)
※第3ステージは AFFINI Edoardo (JUMBO-VISMA / ITA) が着用
■チーム成績 : JUMBO-VISMA (NED)


第3ステージは後半に3カ所の丘越え

ジロ・デ・イタリア

5月10日はピエモンテ州のビエッラからカナーレまでの190kmで、後半にカテゴリー3の丘を3ヶ所越える第3ステージが行われる。

 

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ジロ・デ・イタリア公式サイト

ジロ・デ・イタリア2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継/ライブ配信

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