ジロ・デ・イタリア2021第8ステージはラフェが逃げ切り優勝
イタリアで開催中の第104回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月15日にフォッジャをスタートし、標高455mでカテゴリー4のグァルディア・サンフラモンディ頂上にゴールする170kmの第8ステージを競い、フランスのヴィクトール・ラフェ(コフィディス/25歳)が独走で逃げ切り、プロ初優勝となるグランツール区間初優勝を果たした。
区間2位はイタリアのフランチェスコ・ガヴァッツィ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)、3位はドイツのニキアス・アルント(チームDSM)だった。総合首位のマリア・ローザはハンガリーのアティラ・ヴァルタ(グルパマ・FDJ/22歳)が守った。
マリア・チクラミーノのユアンが途中リタイア
第8ステージは177選手が出走。スタートからアタックと吸収が続いたが、逃げ出せる選手はなかなか居なかった。最初の1時間の平均時速は44.5km/hだった。57km地点でやっと8人の選手が抜け出すことに成功し、ヴィクトール・カンペナールツ(チームクベカ・アソス)が追いついて9人になった。ここにラフェも加わっていた。
集団では前日のステージで今大会区間2勝目を上げ、マリア・チクラミーノを着ていたオーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)が膝の痛みのため、レースをリタイアした。これでポイント賞総合首位はベルギーのティム・メルリール(アルペシン・フェニックス)になった。
84km地点の最初の中間スプリント地点は、フェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)が先頭で通過。集団とのタイム差は7分近くに開いていた。カテゴリー2のボッカ・デッラ・セルバ峠を越えた後、下りでガビリアがアタックしたが、右コーナーで転倒し、逃げグループから遅れてしまった。
遅れていたガビリアはゴールまで残り28kmで追いつき、先頭の逃げグループは再び9人になった。ゴールが設定されたグァルディア・サンフラモンディ(カテゴリー4)のふもとで、集団とのタイム差はまだ6分以上あり、逃げグループでは区間優勝をかけてアタック合戦が始まった。
ゴールまで残り8kmで、先頭の逃げグループからカンペナールツとジョヴァンニ・カルボーニ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)が抜け出す事に成功した。カンペナールツは残り3.3kmで力尽き、カルボーニが単独でゴールを目指したが、1km先でラフェに追い抜かれてしまった。
ラフェはそのまま単独で逃げ切り、フランスのコフィディスに11年ぶりのジロ区間優勝をもたらした。この日は集団で総合争いはなく、マリア・ローザのグループは4分48秒遅れでゴール。総合上位に大きな変動はなかった。
■ジロ区間でプロ初優勝を果たしたラフェのコメント
「このステージの最初の部分で、逃げに加わるためにたくさんのエネルギーをすでに費やしていた。いくつかの試みがあったが、集団を十分に引き離せなかった。その後、やっと逃げが決まった。タイム差が広がり始めて、エネルギーをいくらか回復できた。ステージの最後に、いくつかのアタックがあった。ボクは残り数kmでアタックし、もう誰も自分に付いて来ないのを見た。信じられない、ジロで区間優勝したんだ」
■第8ステージ結果[5月15日/フォッジャ~グァルディア・サンフラモンディ/170km]
1. LAFAY Victor (COFIDIS / FRA) 4:06:47
2. GAVAZZI Francesco (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +36
3. ARNDT Nikias (TEAM DSM / GER) +37
4. OLIVEIRA Nelson (MOVISTAR TEAM / POR) +41
5. CARBONI Giovanni (BARDIANI CSF FAIZANE’ / ITA) +44
6. GOOSSENS Kobe (LOTTO SOUDAL / BEL) +58
7. CAMPENAERTS Victor (TEAM QHUBEKA ASSOS / BEL) +1:00
8. GOUGEARD Alexis (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +1:54
9. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL) +3:04
10. ALMEIDA João (DECEUNINCK – QUICK-STEP / POR) +4:48
85. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +8:44
■第8ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN) 31:10:53
2. EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) +11
3. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +16
4. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +24
5. CARTHY Hugh John (EF EDUCATION – NIPPO / GBR) +38
6. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +39
7. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +41
8. MARTIN Daniel (ISRAEL START-UP NATION / IRL) +47
9. YATES Simon Philip (TEAM BIKEEXCHANGE / GBR) +49
10. VERVAEKE Louis (ALPECIN-FENIX / BEL) +50
113. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +55:43
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MERLIER Tim (ALPECIN-FENIX / BEL)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):MÄDER Gino (BAHRAIN VICTORIOUS / SUI)
■新人賞(マリア・ビアンカ):VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN)
※第9ステージは EVENEPOEL Remco (DECEUNINCK – QUICK-STEP / BEL) が着用
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
第9ステージは未舗装路の頂上ゴール
アペニン山脈を一旦横断したジロ一行は、再び北上を開始。5月16日はアブルッツォ州のカステル・ディ・サングロから、標高1655mでカテゴリー1のカンポ・フェリーチェ(ロッカ・ディ・カンビオ)頂上までの158kmで、アペニン山脈山岳区間の第9ステージが行われる。
コースは途中、カテゴリー2の峠を2カ所、カテゴリー3の峠を1カ所越えるが、山岳ポイントがかけられていない峠も2カ所ある。スキーリゾート地のカンポ・フェリーチェは、全長6.6kmの登坂で平均勾配は5.8%、ゴール手前に最大12%の難所があり、最後の1600mは未舗装路になっている。
■マリア・ローザのヴァルタのコメント
「明日は前で走る事が、もっとうまくできるように祈っている。マリア・ローザをキープするモチベーションを持っている。未舗装路のセクションがあるステージのプロフィールは、ボクにとって良いものになるかもしれない」