ツール・ド・フランス2021第14ステージはモレマが逃げ切り優勝
第108回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月10日にカルカソンヌからキヨンまでの183.7kmで第14ステージを競い、オランダのバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が独走で逃げ切り、2017年以来2度目の区間優勝を果たした。
区間2位はオーストリアのパトリック・コンラート(ボーラ・ハンスグローエ)、3位はコロンビアのセルヒオ・イギタ(EPエデュケーション・NIPPO)だった。メイン集団は6分53秒遅れでゴールし、マイヨ・ジョーヌはスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が守った。
14選手が逃げた
第14ステージは149選手が出走。前日の落車に巻き込まれて負傷したワレン・バルギル(チームアルケア・サムシック)とセーアンクラーウ・アナスン(チームDSM)がスタートしなかった。アタックと吸収が繰り返された後、この日2つ目の峠だったコル・ド・モンセグール(カテゴリー2)の登坂が始まる前に、マッティーア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ)とウァウテル・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックし、マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネーション)が合流した。
山岳賞を狙うプールスとウッズは89km地点の頂上通過を競い、プールスが先頭で通過した。しかし、次のコル・ド・ラ・クロワ・デ・モール峠(カテゴリー2)はウッズが先頭で通過し、マイヨ・アポワを着ていたナイロ・キンタナ(チームアルケア・サムシック)の山岳賞ポイントに並んだ。
ゴールまで残り72kmで逃げていた3人は7人のグループに追いつかれ、先頭は10人になった。この7人の中に、モレマも加わっていた。先頭の逃げ集団には残り59kmでさらに4人が合流し、14人になった。この中で総合成績が最も上位だったのは、地元フランスのギヨーム・マルタン(コフィディス)で、マイヨ・ジョーヌのポガチャルに9分29秒遅れの総合9位だった。
4つ目の山岳ポイントだったコート・ド・ガリナグー(カテゴリー3)はプールスが先頭で通過したが、2位で通過したウッズは1ポイント獲得し、山岳賞総合で首位に立った。ゴールまで残り50kmで、14人の逃げと集団のタイム差は4分近くになっていた。ウッズは先頭で下りを走っている時にスリップして転倒し、一時は逃げグループから遅れたが、8km先で合流する事ができた。
モレマがアタック!
ゴールまで残り42kmの下り坂で、先頭の逃げからモレマがアタック。誰も追走することができず、彼の得意の独走が始まった。この日最後の峠だったコル・ド・サン・ルイス(カテゴリー2)の坂で、追走グループからカッタネオ、イギタ、コンラート、ウッズがアタックしたが、モレマは残り16.9kmの頂上で4人に1分差を付けていた。
モレマはそのまま逃げ切り、両手を上げてフィニッシュラインを通過した。フランスのマルタンは1分28秒遅れの区間11位でゴールし、総合成績をいっきに2位まで上げる事ができた。しかし、ポガチャルとのタイム差はまだ4分4秒もある。
■得意の独走で逃げ勝ったモレマのコメント
「とても素晴らしい。とてもハードな一日だった。逃げが決まるまで90kmもかかった。チームとして我々は、いかなる逃げも逃さなかった。前は強い選手が揃った素晴らしいグループだったが、あまりうまく一緒に働かなかった。調子は良いと感じていた。だから遠くから行こうと思った。41km独走はハードだったが、一人で走って長く続ける自信はあった。とても良いチャンスだと分かっていたから、エンジン全開で行って、あまり失いはしなかった。頂上で50秒以上あったから、このステージで勝つと確信したよ」
■第14ステージ結果[7月10日/カルカソンヌ~キヨン/183.7 km]
1. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) 4:16:16
2. KONRAD Patrick (BORA – HANSGROHE / AUT) +01:04
3. HIGUITA GARCIA Sergio Andres (EF EDUCATION – NIPPO / COL) +01:04
4. CATTANEO Mattia (DECEUNINCK – QUICK-STEP / ITA) +01:06
5. WOODS Michael (ISRAEL START-UP NATION / CAN) +01:10
6. FRAILE MATARRANZ Omar (ASTANA – PREMIER TECH / ESP) +01:25
7. GESBERT Elie (TEAM ARKEA – SAMSIC / FRA) +01:25
8. PACHER Quentin (B&B HOTELS P/B KTM / FRA) +01:25
9. MEINTJES Louis (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / RSA) +01:26
10. CHAVES RUBIO Jhoan Esteban (TEAM BIKEEXCHANGE / COL) +01:28
11. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +01:28
■第14ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 56:50:21
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +04:04
3. URAN Rigoberto (EF EDUCATION – NIPPO / COL) +05:18
4. VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) +05:32
5. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +05:33
6. O’CONNOR Ben (AG2R CITROEN TEAM / AUS) +05:58
7. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +06:16
8. LUTSENKO Alexey (ASTANA – PREMIER TECH / KAZ) +06:30
9. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +07:11
10. CATTANEO Mattia (DECEUNINCK – QUICK-STEP / ITA) +09:48
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):CAVENDISH Mark (DECEUNINCK – QUICK-STEP / GBR)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):WOODS Michael (ISRAEL START-UP NATION / CAN)
■新人賞(マイヨ・ブラン):POGAČAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
(※第15ステージは VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) が着用)
■チーム成績:BAHRAIN VICTORIOUS (BRN)
■敢闘賞:MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED)
第15ステージはピレネー山岳初日
7月11日はピレネー・オリアンタル県のセレからアンドラ公国のアンドラ・ラ・ヴィエイユまでの191.3 kmで、山岳区間の第15ステージが行われる。コースは中盤から峠越えが始まり、カテゴリー1を4カ所、カテゴリー2を1カ所の、合計4カ所の峠が設定されている。