クラシカ・サンセバスティアン2021でパウレスが初優勝
スペイン北部バスク地方で、7月31日にUCIワールドツアーのクラシカ・サンセバスティアン(ドノスティア・サンセバスティアン・クラシコア)が開催され、米国のニールソン・パウレス(EFエデュケーション・NIPPO)が3選手でのゴールスプリントを制し、初優勝した。
2位はスロベニアチャンピオンのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位はデンマークのミゲル・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。
2年ぶりの開催
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)で昨年は中止になり、クラシカ・サンセバスティアンは2年ぶりで開催された。
雨のレースは終盤、最後から2つ目の峠だったエルライツ峠(カテゴリー1)の登坂が始まった時、集団からミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックし、サイモン・カー(EFエデュケーション・NIPPO)が続いた。2人は最後まで逃げ続けていたハビエル・ロモ(アスタナ・プルミエテック)を捕らえた。しかし、ここで先頭に躍り出たのは地元のランダではなく、カーだった。
ゴールまで残り42.5kmの頂上を先頭で通過したカーは、ランダを吸収したメイン集団に30秒ほどのタイム差を付けていた。残り27kmで、メイン集団からモホリッチがアタックし、パウレス、ホノレ、ロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)と一緒に追走グループを形成した。
4人の追走グループはゴールまで残り22.7kmでカーを捕らえ、先頭は5人になった。トレック・セガフレードが引く追走集団とのタイム差は、この時40秒ほどだったが、最後の上り坂だったムルギル・トントラ(カテゴリー2)のふもとでは、1分以上に開いていた。
2km続くムルギル・トントラが始まると、先頭グループはカーが遅れて4人になった。頂上まで残り1.2kmでパウレスがアタックし、ライバルたちにわずかな差を付けたが、頂上まで数100mでモホリッチとホノレが彼を捕らえた。ムルギル・トントラを越えてすぐにロータも追いつき、先頭は再び4人になった。
この4人でゴール勝負を競うかと思われたが、残り5kmの下りカーブで、先頭を走っていたモホリッチがバランスを崩してペダルを外すアクシデントが発生。ホノレは壁にぶつかって止まり、ロータは転倒してしまった。
唯一難を逃れたパウレスが単独でゴールを目指したが、残り2.2kmでモホリッチが追いつき、ホノレも残り1.2kmで合流した。最後はこの3人でのゴールスプリントになり、残り5km地点の事故で最も幸運だったパウレスが、UCIワールドツアー初優勝を獲得した。
■サンセバスティアンで初優勝したパウレスのコメント
「地元出身の監督(フアンマヌエル・ガラテ)がチームカーで一緒にいて、サンセバスティアンで勝ててとても幸せだ。バスク地方でレースをする時は、いつもファンが素晴らしいから、こんな熱狂的な観衆の前で勝ててスーパーハッピーだ」
■第40回クラシカ・サンセバスティアン結果
[7月31日/UCIワールドツアー/スペイン/223.5km]
1. POWLESS Neilson (EF EDUCATION – NIPPO / USA) 5:34:31
2. MOHORIC Matej (BAHRAIN VICTORIOUS / SLO)
3. HONORÉ Mikkel (DECEUNINCK – QUICK-STEP / DEN)
4. ROTA Lorenzo (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +30
5. COVI Alessandro (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +1:04
6. ALAPHILIPPE Julian (DECEUNINCK – QUICK-STEP / FRA) +1:04
7. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) +1:04
8. VINGEGAARD Jonas (JUMBO-VISMA / DEN) +1:04
9. MOSCON Gianni (INEOS GRENADIERS / ITA) +1:04
10. MOLLEMA Bauke (TREK – SEGAFREDO / NED) +1:04
🇺🇸 Probably the first man of Roseville with a Txapela 🤙#Klasikoa 🔵🟢 pic.twitter.com/WX35gtWhIF
— Donostiako Klasikoa (@dklasikoa) July 31, 2021