ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第4ステージはヤコブセンが優勝
スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月17日にエル・ブルゴ・デ・オスマからモリナ・デ・アラゴンまでの163.9kmで第4ステージを競い、オランダのファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、集団ゴールスプリントを制し、2019年以来3度目の区間優勝を果たした。
ヤコブセンは昨年8月のツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第1ステージのゴールスプリントで落車して重傷を負ったが、1年かけてトップレベルにまで復帰できた事をアピールした。彼は第2ステージで区間2位になっていて、この区間優勝でポイント賞でも総合首位になり、緑のリーダージャージを獲得した。
区間2位はフランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)、3位はマウヌス・コートニルスン(EFエデュケーション・NIPPO)だった。
第3ステージで逃げ勝ち、この日初めて総合リーダージャージのラ・ロハを着て走ったエストニアのレイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)は、ゴールまで残り2.2kmで落車し、2分遅れてゴールしたが、3kmルールが適用され、総合首位の座を失わずに済んだ。
地元スペイン勢が逃げた
第4ステージは182選手が出走。公式スタートの合図と共に、カルロス・カナルとアンヘル・マドラソ(ブルゴス・BH)、ホアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ)がアタックした。3人の逃げは6kmで2分差を付けた。集団はアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーが先導した。
ゴールまで残り100kmで、逃げのタイム差が4分37秒になり、アルペシン・フェニックスやグルパマ・FDJが集団の先頭を引き始め、タイム差はそれ以上にならなかった。更にドゥクーニンク・クイックステップも加わり、残り71kmで逃げのタイム差は1分半を切っていた。
中間スプリントはボウが先頭で通過し、マドラソ、カナルが続いた。集団はヤコブセンがポイント賞ジャージを着たヤスペル・フィリプセン(アルペシン・フェニックス)に競り勝ち、4位通過でポイントを稼いだ。
3人の逃げはゴールまで残り13.8kmで集団に吸収され、マドラソがこの日の敢闘賞を獲得した。コースは残り1kmのフラム・ルージュから上り坂になっていたが、スプリンターたちには何の問題もなく、最後のコーナーで先頭に立ったデマールの後方からスパートしたヤコブセンが、見事な復活スプリントを見せた。
■区間優勝して復活をアピールしたヤコブセンのコメント
「夢の実現だ。(ツール・ド・ポローニュでの)落車の後、戻るのは長い道のりだった。でも、ここに居られて嬉しい。多くの人たちが長い時間と、多くの努力を費やしてくれた。これは彼らの勝利でもある。それはポーランドの医師、外科医、医療スタッフ、チームの人たちだ。これはボクの家族の勝利でもある。彼らはボクがここに居る理由だからね」
■第4ステージ結果[8月17日/エル・ブルゴ・デ・オスマ~モリナ・デ・アラゴン/163.9km]
1. JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED) 3:43:07
2. DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
3. NIELSEN Magnus Cort (EF EDUCATION – NIPPO / DEN)
4. DAINESE Alberto (TEAM DSM / ITA)
5. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS)
6. ALLEGAERT Piet (COFIDIS / BEL)
7. MEEUS Jordi (BORA – HANSGROHE / BEL)
8. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
9. PHILIPSEN Jasper (ALPECIN-FENIX / BEL)
10. MINALI Riccardo (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA)
156. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN)
167. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST)
■第4ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) 13:08:51
2. ELISSONDE Kenny (TREK – SEGAFREDO / FRA) +25
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +30
4. CALMEJANE Lilian (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +35
5. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +45
6. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +51
7. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +57
8. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +57
9. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +57
10. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:09
173. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +22:13
[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST)
(※第5ステージは ELISSONDE Kenny (TREK – SEGAFREDO / FRA) が着用)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞 : MADRAZO RUIZ Angel (BURGOS-BH / ESP)
第5ステージはスプリント・ステージ
8月18日はタランコンからアルバセテまでの184.4kmで、平坦区間の第5ステージが行われる。2日続けて山岳ポイントのないスプリント・ステージだが、この地域特有の強い風の影響が心配されている。