ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第6ステージはコートニルスンが逃げ切り優勝
スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月19日にレケナからアルト・デ・ラ・モンターニャ・クリェラ頂上までの158.3kmで、カテゴリー3頂上ゴールの第6ステージを競い、マウヌス・コートニルスン(EFエデュケーション・NIPPO)が僅差で逃げ切り、ブエルタ区間通算4勝目を上げた。
区間2位はスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)、3位はイタリアのアンドレーア・バジョーリ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。総合リーダージャージのラ・ロハを着たフランスのケニー・エリッソンド(トレック・セガフレード)は、最後の登坂で4分半遅れてゴール。ログリッチが総合首位に返り咲いた。
スタートから高速
第6ステージは182選手が出走。前日の大落車事故の怪我でスタートできなかった選手はいなかった。スタートから高速で、アタックが試みられては吸収された。43km地点でホアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ)とライアン・ギボンズ(UAEチーム・エミレーツ)がアタックし、イェツェ・ボル(ブルゴス・BH)、ベルトヤン・リンデマン(チームクベカ・ネクストハッシュ)、コートニルスンが合流した。
5人の中で最も総合成績が上位のボルでも9分17秒遅れの71位で、トレック・セガフレードがコントロールする集団は、この逃げを許した。5人の逃げはゴールまで残り95km地点で最大7分のタイム差を付けた。ここで集団はチームバイクエクスチェンジが引いてペースを上げ、タイム差はそれ以上にならなかった。最初の2時間の平均時速は44.5km/hだった。
ゴールまで残り60kmで、5人と集団のタイム差は4分にまで縮まった。中間スプリントはボルが先頭で通過した。ペースの上がった集団では、前日の落車事故で負傷した選手たちが遅れ始めていた。
集団はイネオス・グレナディアズ、モビスターチーム、ユンボ・ヴィスマが引き続け、残り35kmの狭い農道で分断。ラ・ロハのエリッソンドは一時後続グループに取り残されてしまったが、残り26kmで集団に合流できた。この時、メイン集団はすでに70人ほどに減っていた。
5人は2分程度のタイム差を守って逃げ続けたが、ゴールまで残り20kmを切ると、集団はじわじわと差を縮めていった。集団の後方ではヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO)が遅れたが、チームメートたちの働きで集団に合流できた。
クリェラ城へと向かう1.9kmのアルト・デ・ラ・モンターニャ・クリェラの登坂がスタートした時、5人の逃げと集団のタイム差は30秒を切っていた。しかし、コートニルスンとリンデマンは僅かなタイム差で逃げ続けた。残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、リンデマンは遅れてしまったが、コートニルスンは先頭で坂を上がり続けた。
メイン集団はマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ)やアレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プルミエテック)が先行した後、残り300mでログリッチがアタック。彼はゴール手前150mのカーブでコートニルスンに追いついた。しかし、コートニルスンはそのまま逃げ切り、先頭でフィニッシュラインを通過した。
■辛くも逃げ切って区間優勝したコートニルスンのコメント
「これはとても違うやり方だったから、ボクにとって特別な勝利だ。最近のステージ優勝は集団スプリントだったからね。様々な地形でも勝てるし、今日みたいに逃げから丘を上がるのでも勝てると示せて嬉しいよ。勝つチャンスがあるのか、どれほど差が大きいのかを正確に知る事は難しかった。総合争いの選手たちがポジションを争って、集団は(最後の)上りの前にとても速く進んだ。
我々にはまだ僅かな差があるのは分かっていて、ボクにとっては出来る限り速くゴールするかどうかの問題だった。逃げの仲間が誰も後ろに付いて来ない事を望んだよ。後ろを振り返った。最後はとても近づいていた。残り150mくらいでログリッチが来るのが見えた。ボクは持っている全ての力でスプリントした。幸運にも、彼を自分の後ろに留めておけたんだ」
■第6ステージ結果[8月19日/レケナ~アルト・デ・ラ・モンターニャ・クリェラ/158.3km]
1. NIELSEN Magnus Cort (EF EDUCATION – NIPPO / DEN) 3:30:53
2. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +0
3. BAGIOLI Andrea (DECEUNINCK – QUICK-STEP / ITA) +2
4. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +4
5. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +4
6. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS) +6
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +8
8. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +8
9. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +9
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +16
13. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +25
16. ARU Fabio (TEAM QHUBEKA NEXTHASH / ITA) +27
19. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +27
20. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +27
67. ELISSONDE Kenny (TREK – SEGAFREDO / FRA) +4:30
75. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +4:59
■第6ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) 21:04:49
2. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +25
3. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +36
4. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +41
5. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +41
6. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH / RUS) +53
7. CICCONE Giulio (TREK – SEGAFREDO / ITA) +58
8. CALMEJANE Lilian (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +1:04
9. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:12
10. ARU Fabio (TEAM QHUBEKA NEXTHASH / ITA) +1:17
11. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:22
18. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +2:18
143. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +28:56
[各賞]
■ポイント賞 : PHILIPSEN Jasper (ALPECIN-FENIX / BEL)
■山岳賞 : TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞 : BOU COMPANY Joan (EUSKALTEL – EUSKADI / ESP)
第7ステージはカテゴリー1頂上ゴール
8月20日はガンディアからバルコン・デ・アリカンテ頂上までの152kmで、カテゴリー1頂上ゴールの第7ステージが行われる。今年最初の本格的な山岳ステージは、スタートしてすぐにカテゴリー1のプエルト・ラ・リャクナ峠を越えた後、カテゴリー3とカテゴリー2の峠を4カ所越え、標高995mのバルコン・デ・アリカンテに挑む。
ゴールのバルコン・デ・アリカンテは全長8.4kmの登坂で、平均勾配は6.2%。乾燥による山火事発生を防ぐ目的で、この坂は観客の立ち入りが禁止されている。