ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第11ステージはログリッチが2勝目

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月25日にアンテケラからバルデペニャス・デ・ハエンまでの133.6kmで第11ステージを競い、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)がアップヒルゴールを制して今大会2勝目を上げた。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

激坂のアップヒルゴールを制して今大会2勝目を上げたログリッチ

区間2位は3秒遅れで地元スペインのエンリク・マス(モビスターチーム)、3位は5秒遅れでコロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(モビスターチーム)が入った。総合リーダージャージのラ・ロハを着ていたノルウエーのオッドクリスティアン・エイキン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)は、11秒遅れの区間10位でレースを終え、総合首位の座を守った。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ログリッチよりも11秒遅れてゴールしたエイキン。総合首位は守る事ができた


ニルセンがゴール目前で捕まった

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第11ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

第11ステージは169選手が出走。発熱したベルギーのヤスペル・フィリプセン(アルペシン・フェニックス)と、前日最後の下りで落車して負傷したアレックス・アランブル(アスタナ・プルミエテック)がスタートしなかった。

オフィシャルスタートと同時にアタックがスタートし、この日も最初の1時間の平均時速が47km/hになった。アタックと吸収が繰り返された後、28km地点で5人がアタックを成功させた。メンバーはエドワード・プランカールト(アルペシン・フェニックス)、ヨナタン・ラストラ(カハルラル・セグロスRGA)、マウヌス・コートニルスン(EFエデュケーション・NIPPO)、ホアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ)、ハルム・ヴァンハウケ(ロット・スーダル)だった。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

集団を引くアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー

5人の逃げは33km地点で2分差を付けたが、メイン集団はユンボ・ヴィスマがコントロールし、それ以上には開かなかった。集団はラ・ロハを擁するアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーとチームバイクエクスチェンジも先頭で仕事を開始した。その後方では、サイモン・カー(EFエデュケーション・NIPPO)がレースを棄権した。中間スプリントはプランカールトが先頭で通過した。

ゴールまで残り16.6kmで、カテゴリー2のプエルト・デ・ロクビン峠の登坂がスタートした時、逃げのタイム差はすでに1分を切っていた。8.8km続く坂で、コートニルスンがすぐに先頭に出て、独走を開始。逃げていた他の選手は、次々と集団に吸収されたが、コートニルスンは30秒ほどのタイム差を付けたまま逃げ続けた。

メイン集団は第5ステージの落車で負傷しているミケル・ニエベ(チームバイクエクスチェンジ)が引き続け、40人ほどに減っていた。山頂まで残り2kmで、集団からダビ・デラクルス(UAEチーム・エミレーツ)がアタックし、わずかに先行して先頭のコートニルスンを追いかけた。

ゴールまで残り8kmの山頂を先頭で通過した時、コートニルスンはデラクルスに20秒差、集団に27秒差を付けていた。集団からは山岳賞ジャージを着たダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出し、山頂の手前でデラクルスを追い抜き、2位通過でわずかなポイントを稼いだ。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ゴールの激坂まで先頭だったコートニルスン。第6ステージのようには逃げ切れなかった(©Bettiniphoto)

コートニルスンは30秒近いタイム差を付けたまま峠を下り終えたが、この日は残り1kmから街中の激坂を上るアップヒルゴールだった。コートニルスンは14秒差で坂を上り始めたが、残り500mで後方にはマスとログリッチが先頭の集団が迫っていた。ログリッチを牽制するマスはなかなかスパートしなかったが、残り300mで加速し、コートニルスンを追い抜いた。しかし、残り125mの最後のコーナーを曲がった後、ログリッチがスパートし、難なく区間2勝目を上げた。

■プロローグに続いて今大会区間2勝目を上げたログリッチのコメント
「また僅差だった。あの日(第6ステージ)はコートニルスンが1位でボクが2位だったが、今回は逆だった。ハードなステージだった。短く、またとても暑かった。すごく苦しめられたが、幸運にも最後は勝つのに十分だった。マスもとても強かったけど、幸運にもボクが少し勝っていた。勝つのはいつも素晴らしい。いつが最後のになるか分からないからね」
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

ラ・ロハはエイキンが守った

■第11ステージ結果[8月25日/アンテケラ~バルデペニャス・デ・ハエン/133.6km]
1. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA/ SLO) 3:11:00
2. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM/ ESP) +3
3. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM/ COL) +5
4. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS/ AUS) +7
5. YATES Adam (INEOS GRENADIERS/ GBR) +7
6. BARDET Romain (TEAM DSM/ FRA) +7
7. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE/ AUT) +7
8. VLASOV Aleksandr (ASTANA – PREMIER TECH/ RUS) +7
9. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS/ COL) +11
10. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX/ NOR) +11

11. MARTIN Guillaume (COFIDIS/ FRA) +11
25. NIELSEN Magnus Cort (EF EDUCATION – NIPPO/ DEN) +49
106. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS/ JPN) +11:31

■第11ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX/ NOR) 41:48:57
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS/ FRA) +58
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA/ SLO) +1:56
4. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM/ ESP) +2:31
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM/ COL) +3:28
6. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS/ AUS) +3:55
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS/ COL) +4:46
8. YATES Adam (INEOS GRENADIERS/ GBR) +4:57
9. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA/ USA) +5:03
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE/ AUT) +5:38
138. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS/ JPN) +1:47:17

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : LASTRA MARTINEZ Jonathan (CAJA RURAL-SEGUROS RGA/ ESP)


第12ステージはコルドバにゴールする中級山岳区間

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第12ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

8月26日はスペイン南部アンダルシア地方のハエンからコルドバまでの175kmで、中級山岳区間の第12ステージが行われる。コルドバのゴールは周回コースになっていて、105.4km地点でコントロールラインを通過した後、最初の周回はカテゴリー3のアルト・デ・サン・ヘロニモを越える。2回目の周回はコースが異なり、カテゴリー2のアルト・デル・14%を越える。

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!