ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第12ステージはコートニルスンが2勝目

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月26日にハエンからコルドバまでの175kmで第12ステージを競い、デンマークのマウヌス・コートニルスン(EFエデュケーション・NIPPO)が集団ゴールスプリントを制し、第6ステージに続いて今大会区間2勝目を上げた。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

コートニルスンが集団ゴールスプリントを制し、今大会2勝目を上げた

コートニルスンは前日の第11ステージでも逃げたが、ゴール目前の激坂で捕まり、区間優勝を逃していた。これで彼のブエルタ区間通算優勝数は5勝となった。

区間2位はイタリアのアンドレーア・バジョーリ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、3位はオーストラリアのマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ)だった。総合リーダージャージのラ・ロハは、ノルウエーのオッドクリスティアン・エイキン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が守った。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

エイキンがラ・ロハを守った(©Bettiniphoto)


猛暑のアンダルシア・ステージ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第12ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

猛暑のアンダルシア地方で行われた第12ステージは、168選手が出走。ゴールのコルドバでは、沿道の気温が40℃を超えていた。スタートからアタックと吸収が続き、最初の1時間の平均時速は50km/hを超えた。

76km地点で、ミケル・イトゥリア(エウスカルテル・エウスカディ)、セバスティアン・バーウィック(イスラエル・スタートアップネーション)、サンデル・アルメ(チームクベカ・ネクストハッシュ)の3人が、遂に逃げ出す事に成功した。

そこにユレン・アメスケタ(カハルラル・セグロスRGA)、イェツェ・ボル(ブルゴス・BH)、チャド・ヘイガ(チームDSM)、マキシム・ヴァンヒルス(ロット・スーダル)、スタン・デウルフ(AG2R・シトロエンチーム)が合流し、逃げは8人になった。

しかし、メイン集団はUAEチーム・エミレーツがコントロールし、逃げのタイム差を1分程度に維持していた。この日最初の峠だったカテゴリー3のアルト・デ・サン・ヘロニモの登坂が始まると、ヘイガが遅れて先頭の逃げは7人になった。集団ではこの上りでリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)が遅れてしまった。彼は結局、このステージを22分10秒遅れの区間164位で終えた。

ゴールまで残り54.4kmで、集団では前方で落車が発生し、プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)やアダム・イェーツ(イネオス・グレナディアズ)が巻き込まれてしまったが、幸い大事には至らず、すぐ集団に合流できた。逃げグループではイツリアがアタックし、単独で山頂を通過した。

下りでイツリアは吸収され、先頭は再び7人に戻り、コルドバのコントロールラインを通過した。この時、ゴール地点の温度計は41℃になっていた。この日2つ目のアルト・デル・14%峠(カテゴリー2)が始まると、先頭はヴァンヒルスだけになったが、頂上まで2.4kmで吸収されてしまった。

カウンターでジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)とジャイ・ヴァイン(アルペシン・フェニックス)がアタックし、ロマン・バルデ(チームDSM)とセルヒオルイス・エナオ(チームクベカ・ネクストハッシュ)が合流し、新たな逃げグループを形成した。

ゴールまで残り18.8kmの山頂はバルデが先頭で通過し、5ポイントを獲得した。これでバルデは、山岳賞総合リーダーのダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス)とのポイント差を4ポイントに縮めた。

コルドバのゴールに向かって集団はチームバイクエクスチェンジが列車を組んで引き続け、残り1kmのフラム・ルージュで逃げていた選手を全て吸収した。最後まで抵抗していたヴァインを吸収した瞬間に、イェンス・クークレール(EFエデュケーション・NIPPO)がコートニルスンを連れてアタック。最後はクークレールの後方からスプリントを開始したコートニルスンが、バジョーリのスパートを寄せ付けずに優勝した。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

コートニルスンが集団ゴールスプリントを制し、今大会2勝目を上げた

■今大会2勝目を上げたコートニルスンのコメント
「我々はチームで話し合い、大きな集団ゴールスプリントにはしないと決めた。しかし、集団は人数が減り、チームメートたちはボクを信頼してくれて、この種類のステージでサポートしたがった。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。人々が逃げの為の戦いをしていた最初の数時間、ボクは後方で座っている事ができた。

脚に昨日の(疲れ)をちょっと感じていたが、2つの上りを何とか越える事ができた。最後にクークレールがボクを前に運んでくれて、スプリントのために完璧に配置した。マシューズやトレンティン、その他の速い選手が居たが、我々はそれを試みたかった。この勝利を得られてとても嬉しいよ」
 
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

 
■第12ステージ結果[8月26日/ハエン~コルドバ/175km]

1. NIELSEN Magnus Cort (EF EDUCATION – NIPPO / DEN) 3:44:21
2. BAGIOLI Andrea (DECEUNINCK – QUICK-STEP / ITA)
3. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS)
4. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
5. KRON Andreas (LOTTO SOUDAL / DEN)
6. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT)
7. SOTO GUIRAO Antonio Jesus (EUSKALTEL – EUSKADI / ESP)
8. ROUX Anthony (GROUPAMA – FDJ / FRA)
9. BRAMBILLA Gianluca (TREK – SEGAFREDO / ITA)
10. TUSVELD Martijn (TEAM DSM / NED)
78. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +9:12
164. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +22:10

■第12ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) 45:33:18
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +58
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +1:56
4. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:31
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +3:28
6. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +3:55
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +4:46
8. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +4:57
9. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +5:03
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +5:38
128. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:56:29

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : AMEZQUETA MORENO Julen (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / ESP)

 
第13ステージはスプリント・ステージ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021

●第13ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

8月27日はベルメスからビリャヌエバ・デ・ラ・セレナまでの203.7kmで、今大会最長区間となる第13ステージが行われる。山岳ポイントが1つもない平坦区間で、集団ゴールスプリントになる事が予想されている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!