ブエルタ・ア・エスパーニャ2021第16ステージはヤコブセンが3勝目

  • photo Luis Angel Gomez / Photo Gomez Sport / UNIPUBLIC / ©Bettiniphoto

スペインで開催中の第76回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2度目の休養日明けの8月31日に、ラレドからサンタ・クルス・デ・ベサナまでの180kmで第16ステージを競い、ポイント賞のグリーンジャージを着たオランダのファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ)が集団ゴールスプリントを制し、今大会3勝目をマークした。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ

ポイント賞ジャージを着たヤコブセンが今大会3勝目を上げた

区間2位はベルギーのヨルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ)、3位はイタリアのマッテーオ・トレンティン(UAEチーム・エミレーツ)だった。総合首位はノルウエーのオッドクリスティアン・エイキン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が守った。


序盤の落車でチッコーネが棄権

ブエルタ・ア・エスパーニャ

●第16ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

今年のブエルタもいよいよ最終週に突入。2度目の休養日にレースを去った選手はなく、第16ステージは161人が出走した。スタートして4kmで落車事故が発生し、総合2位のギヨーム・マルタン(コフィディス)と総合4位のエンリク・マス(モビスターチーム)が巻き込まれたが、彼らはすぐレースに復帰できた。

しかし、イタリアのジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)は右膝に怪我を負ってしまった。彼はメディカルカーで治療を受けてレースを続行したが、残り100kmで棄権した。チッコーネは第15ステージ終了時点で、6分16秒遅れの総合12位だった。この落車事故ではベルギーのセップ・ヴァンマルケ(イスラエル・スタートアップネーション)と、フランスのリュディ・モラール(グルパマ・FDJ)もリタイアした。

レースはスタン・デウルフ(AG2R・シトロエンチーム)、ミケル・ビスカラ(エウスカルテル・エウスカディ)、ディミトリ・クライス(チームクベカ・ネクストハッシュ)、クイン・シモンズ(トレック・セガフレード)が集団からアタックし、イェツェ・ボル(ブルゴス・BH)が合流して逃げグループを形成した。5人は9km地点で1分14秒差を付けた。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ

第16ステージは5選手が逃げた(©Bettiniphoto)

しかし、20km地点でタイム差が2分を超えると、集団はドゥクーニンク・クイックステップがコントロールし、それ以上広がる事はなかった。106.2km地点のカテゴリー3の丘は、ボルが先頭で通過した。ここで集団からハルム・ヴァンハウケ(ロット・スーダル)がアタックし、ゴールまで残り65kmで先頭に合流。逃げは6人になった。

残り60kmでUAEチーム・エミレーツが先頭を引き始め、集団は分断した。グリーンジャージのヤコブセンは後続集団に取り残されてしまったが、残り48kmで前の集団に追いつく事ができた。逃げグループのタイム差は、残り17kmで30秒になった。

ゴールまで残り11kmのカテゴリーのない上り坂で、先頭の逃げからボルがアタックし、ドウルフとクライスが付いて行った。さらに残り10kmを切ってドウルフがアタックし、独走で逃げ続けたが、ゴールまで残り4.5kmで集団に捕まってしまった。

ラスト数kmは曲がりくねったトリッキーな道で、さすがのドゥクーニンク・クイックステップも主導権を握る事ができなかったが、最後のコーナーで飛び出したメーウスをうまく発射台に利用したヤコブセンが難なく区間3勝目を上げた。この日は彼の25歳の誕生日だった。

■今大会区間3勝目を上げたヤコブセンのコメント
「誕生日はいつだって良い日だけど、ボクはこの勝利で月を超えるくらい幸せだ。これがウルフパックさ。ボクは上りで遅れてしまった。チームメートたちは待ってくれて、ボクを連れ戻し、そしてレースで勝てた。全て彼らのお陰だ。ボクがやらなければならなかった唯一の事は、短く速いスプリントだった。他の事はチームメートたちが全部やったよ。決して勝つ自信はないが、トライしなければ勝てないから、いつもトライするんだ」
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ

25歳の誕生日に区間優勝したヤコブセン


■第16ステージ結果[8月31日/ラレド~サンタ・クルス・デ・ベサナ/180km]

1. JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED) 4:08:57
2. MEEUS Jordi (BORA – HANSGROHE / BEL) +0
3. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +0
4. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE / AUS) +0
5. DAINESE Alberto (TEAM DSM / ITA) +0
6. ABERASTURI IZAGA Jon (CAJA RURAL-SEGUROS RGA / ESP) +0
7. OLIVEIRA Rui (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0
8. MINALI Riccardo (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0
9. SOTO GUIRAO Antonio Jesus (EUSKALTEL – EUSKADI / ESP) +0
10. VENTURINI Clement (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +0
29. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +0

■第16ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. EIKING Odd Christian (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / NOR) 64:06:47
2. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +54
3. ROGLIČ Primož (JUMBO-VISMA / SLO) +1:36
4. MAS NICOLAU Enric (MOVISTAR TEAM / ESP) +2:11
5. LOPEZ MORENO Miguel Angel (MOVISTAR TEAM / COL) +3:04
6. HAIG Jack (BAHRAIN VICTORIOUS / AUS) +3:35
7. BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL) +4:21
8. YATES Adam (INEOS GRENADIERS / GBR) +4:34
9. KUSS Sepp (JUMBO-VISMA / USA) +4:59
10. GROSSSCHARTNER Felix (BORA – HANSGROHE / AUT) +5:31
125. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +2:43:31

[各賞]
■ポイント賞 : JAKOBSEN Fabio (DECEUNINCK – QUICK-STEP / NED)
■山岳賞 : BARDET Romain (TEAM DSM / FRA)
■新人賞 : BERNAL GOMEZ Egan Arley (INEOS GRENADIERS / COL)
■チーム成績 : INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : BOL Jetse (BURGOS-BH / NED)


第17ステージはラゴス・デ・コバドンガ頂上ゴール

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●第17ステージのコースプロフィール(MAP : UNIPUBLIC)

9月1日はウンケラをスタートし、カテゴリー超級のラゴス・デ・コバドンガ頂上にゴールする、185.8kmの第17ステージが行われる。標高1085mのラゴス・デ・コバドンガは全長12.5km、平均勾配は6.9%。しかし、その前に全長7.6kmでカテゴリー1のコリャダ・リョメナ峠を2回超えなければならない、非常に厳しいレイアウトになっている。

総合首位のエイキンは「明日ラゴス・デ・コバドンガは総合成績にとって非常に決定的な物になるだろう。スタートから本当にハードなレースになるだろう。そこでレースをするのはとても楽しいだろうね」と、語っている。
 

ブエルタ・ア・エスパーニャ

ラ・ロハはエイキンが守り、翌日のコバドンガ区間を走る事になった

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021開幕情報(スタートリスト)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2021はJ SPORTSで全21ステージ生中継&ライブ配信!