イタリア北部トレントで開催されていた2021年ＵＥＣロード・ヨーロッパ選手権は、9月12日の最終日に男子エリートのロードレースを競い、地元イタリアのソンニ・コルブレッリ（バーレーン・ヴィクトリアス）が、ベルギーのレムコ・エヴェネプール（ドゥクーニンク・クイックステップ）をゴールスプリントで下し、初優勝を果たした。
 

イタリアのコルブレッリがヨーロッパ選手権を初制覇した(©Bettiniphoto)

３位には1分30秒遅れでフランスのブノワ・コスヌフロワ（ＡＧ２Ｒ・シトロエンチーム）が入った。

コルブレッリは現イタリアチャンピオンだが、来年のヨーロッパ選手権まではヨーロッパチャンピオンジャージを着用する事になる。ヨーロッパ選手権は2016年からエリートカテゴリーも開催され、イタリアは2018年にマッテーオ・トレンティン（ＵＡＥチーム・エミレーツ）、2019年にエリア・ヴィヴィアーニ（コフィディス）、そして昨年はジャコモ・ニッツォーロ（チームクベカ・ネクストハッシュ）が優勝していて、これで４年連続でタイトルを獲得した。

レースはゴールまで残り62kmのポーヴォの上りでコスヌフロワがアタックし、９人の先頭グループが形成された。メンバーはイタリアのトレンティンとコルブレッリ、ベルギーのエヴェネプールとベン・ヘルマンス（イスラエル・スタートアップネーション）、スロベニアのタデイ・ポガチャル（ＵＡＥチーム・エミレーツ）、スイスのマルク・ヒルシ（ＵＡＥチーム・エミレーツ）、ノルウエーのマルクス・フールゴール（ウノエックス プロサイクリングチーム）、フランスのコスヌフロワ、ロシアのパヴェル・シヴァコフ（イネオス・グレナディアズ）だった。

エヴェネプールのためにヘルマンスが先頭を引き続けるこの精鋭グループは、残り36kmで追走グループに１分以上のタイム差を付けていた。残り２周回のポーヴォの上りで、レースは動いた。ゴールまで残り22.4kmで最初にシヴァコフがアタック。コルブレッリとポガチャルが追った後、カウンターでエヴェネプールがアタックし、付いて行けたのはコスヌフロワとコルブレッリだけだった。
 

残り2周の坂でアタックしたエヴェネプール(©Bettiniphoto)

ポーヴォの上りでバラバラになった後続は下りで１つになり、６人で先頭の３人を追いかけたが、タイム差は開く一方だった。最終周回に突入した時、エヴェネプールが先頭を引き続ける先頭グループは、追走グループに30秒差を付けていた。

最後のポーヴォの上りが始まった残り11.8kmで、先頭グループはコスヌフロワが付いて行けなくなり、エヴェネプールとコルブレッリの２人になった。ゴールスプリントになれば不利だと分かっていたエヴェネプールはポーヴォの上りで加速し続けたが、コルブレッリを脱落させる事はできず、頂上を通過した。

最後はスプリンターのコルブレッリが、地元の大声援を受けながらゴール勝負でエヴェネプールを難なく下し、両手を上げてフィニッシュラインを通過した。
 

男子エリートの表彰台。左から２位のエヴェネプール、初優勝したコルブレッリ、３位のコスヌフロワ(©Bettiniphoto)

■ＵＥＣヨーロッパ選手権・男子エリートロードレース結果
［9月12日／トレント（イタリア）／179.2km］
1. COLBRELLI Sonny(ITA) 4:19:45
2. EVENEPOEL Remco (BEL)
3. COSNEFROY Benoit (FRA) +1:30
4. TRENTIN Matteo(ITA) +1:44
5. POGAAR Tadej (SLO) +1:44
6. HIRSCHI Marc (SUI) +1:44
7. HOELGAARD Markus (NOR) +1:44
8. HERMANS Ben (BEL) +1:46
9. SIVAKOV Pavel (RUS) +1:49
10. CAMPENAERTS Victor (BEL) +5:41

女子エリートはオランダのファンダイクが優勝

女子エリートはファンダイクが逃げ切って初優勝した(©Bettiniphoto)

9月11日に開催された女子エリートのロードレースは、オランダのエレン・ファンダイク（トレック・セガフレード）が独走で逃げ切って初優勝した。２位はドイツのリアーネ・リッペルト（チームＤＳＭ）、３位はリトアニアのラサ・レレイビテ（アロミタリア・バッソバイクス・ヴァイアーノ）だった。
 

女子エリートの表彰台。左から2位のリッペルト、初優勝したファンダイク、３位のレレイビテ(©Bettiniphoto)

◆ＵＥＣ公式サイト