頂上ゴールのブエルタ・ア・エスパーニャ2019第13ステージでポガチャルが区間2勝目
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スペインで開催中の第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、2019年9月6日にバスク地方のビルバオからカンタブリア州のロス・マチュコス(モヌメント・バカ・パシエガ)頂上にゴールする166.4kmの第13ステージを競い、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が第9ステージに続く区間2勝目を上げた。
区間2位には総合リーダージャージのラ・ロハを着たスロベニアのプリモシュ・ログリッチェ(チームユンボ・ビスマ)が同タイムで入った。区間3位は27秒遅れでフランスのピエール・ラトゥール(AG2R・ラモンディアル)だった。
総合2位のアレハンドロ・バルベルデとチームメートのナイロ・キンタナ(モビスタチーム)はラトゥールと一緒にゴールしたが、白い新人賞ジャージを着たミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)は1分1秒遅れでゴール。総合3位の座を20歳のポガチャルに奪われてしまった。
逃げ集団は最後のロス・マチュコスで全員捕まった
第13ステージは164選手が出走。2015年の総合優勝者であるイタリアのファビオ・アール(UAEチーム・エミレーツ)がスタートしなかった。逃げがなかなか決まらないまま最初のカテゴリー3の丘に入り、頂上まで1km地点でウァウテル・プールス(チームイネオス)がアタックし、39.4km地点の山頂を先頭で通過した。
下りでプールスに28人が追いつき、先頭は29人の逃げ集団になった。そこには山岳賞ジャージを着たアンヘル・マドラソ(ブルゴス・BH)とラトゥールも加わっていた。総合成績が最も上位だったのはセルヒオ・イギタ(EFエデュケーションファースト)で、10分21秒遅れの総合14位だった。逃げ集団は50km地点でチームユンボ・ビスマがコントロールするメイン集団に2分35秒差を付けていた。
中盤に越えた最初のカテゴリー2の峠で逃げ集団はバラバラになった。86km地点の山頂はプールスが先頭で越え、106km地点の2つ目のカテゴリー2の峠はヘスス・エラダ(コフィディス)が先頭で通過した。逃げ集団とメイン集団のタイム差は8分25秒になり、イギタはロペスの新人賞ジャージを脅かしたため、アスタナプロチームが集団の先頭を引き始めた。
カテゴリー2の峠を下り切り、ゴールまで残り47kmになった所で先頭の逃げからエクトル・サエス(エウスカディバスクカントリー・ムリアス)が単独でアタック。残り33kmで16人の追走グループに2分15秒差を付けて独走を続けた。サエスは終盤に連なった2つのカテゴリー3の丘を先頭で通過。追走グループからはブルーノ・アルミライユ(グルパマ・FDJ)がアタックし、単独でサエスを追った。
7.4km続くカテゴリー超級のロス・マチュコスの登坂に突入した時、サエスとアルミライユのタイム差はたった22秒しかなかった。追走グループは1分22秒遅れで、メイン集団はすでに3分15秒後方に迫っていた。残り6.5kmでアルミライユはサエスを捕らえ、そのまま先頭に立った。しかし、残り5kmで26%の勾配に差し掛かるとアルミライユは減速し、ラトゥールに抜かされてしまった。
9人に絞られたラ・ロハのグループでは残り6kmでキンタナがアタックしたが、2km先で捕まってしまった。ゴールまで残り2.5kmでポガチャルが加速。ラ・ロハのログリッチェとバルベルデが付き従ったが、バルベルデはすぐに遅れてしまった。
ポガチャルとログリッチェのスロベニア・デュオはゴールまで残り1.5kmでラトゥールを捕らえ、先頭に立った。2人はそのまま一緒にゴールし、ポガチャルが区間2勝目を獲得し、ログリッチェは総合を争うライバルたちにタイム差を付けることに成功した。ポガチャルは総合5位から3位に順位を上げ、白い新人賞ジャーシも獲得した。
この日、逃げに入ったマドラソは山岳賞ポイントを1ポイントも稼げなかったが、山岳賞総合1位の座は守ることができた。しかし、同じく逃げに加わっていたジョフレ・ブシャールはたった2ポイント差で迫り、ポガチャルもたった7ポイント差だ。
■区間2勝目を上げたポガチャルのコメント
「初めてのグランツールで2つ目の区間優勝なんて信じられない。ものすごく幸せで、言い表せないくらいだ。スタート時点では最後の上りでこんなに調子が良くなるとは思わなかった。ただこの一日の生き延びたかった。タイムをたくさん失いたくなかっただけだったが、最後にはボクにとって素晴らしい一日だった。
無線で誰もボクとログリッチェに付いて来ていないと聞いた時、これは良いチャンスだと気がついた。ログリッチェに対抗するのはむずかしい。彼は本当に強い。だから今日成し遂げたことにはとても満足している。自分がこのブエルタで勝てるとは思わない。ログリッチェは本当にがっちりラ・ロハを掴んでいるからね。
初めてのグランツールだから、自分が(この後)どう反応をするのかわからない。この2週間は完璧だった。これが続くことを願っている。マドリードで白いジャージを着てログリッチェの隣に立ちたい。総合トップ5か、あるいはトップ3。それは可能だと思う。ベストを尽くすだろう。悪い日がないことを祈るよ」
■第13ステージ結果[9月6日/ビルバオ~ロス・マチュコス(モヌメント・バカ・パシエガ)/166.4km]
1. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 04H 28′ 26”
2. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
3. PIERRE LATOUR (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 27”
4. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 27”
5. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 27”
6. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 27”
7. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 01′ 01”
8. GIANLUCA BRAMBILLA (TREK – SEGAFREDO / ITA) + 01′ 08’’
9. MARC SOLER (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 08’’
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01′ 08’’
99. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) +20’ 04’’
■第13ステージまでの総合成績(ラ・ロハ)
1. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO) 49H 20’ 28’’
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 02’ 25’’
3. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 03’ 01’’
4. MIGUEL ANGEL LOPEZ MORENO (ASTANA PRO TEAM / COL) + 03’ 18’’
5. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03’ 33’’
6. RAFAL MAJKA (BORA – HANSGROHE / POL) + 06’ 15’’
7. NICOLAS EDET (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA) + 07’ 18’’
8. CARL FREDRIK HAGEN (LOTTO SOUDAL / NOR) + 07’ 33’’
9. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 07’ 39’’
10. DYLAN TEUNS (BAHRAIN – MERIDA / BEL) + 09’ 58’’
135. YUKIYA ARASHIRO (BAHRAIN – MERIDA / JPN) + 02H 25’ 03’’
[各賞]
■ポイント賞 : PRIMOŽ ROGLIC (TEAM JUMBO – VISMA / SLO)
※第14ステージはNAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) が着用
■山岳賞 : ANGEL MADRAZO RUIZ (BURGOS BH / ESP)
■新人賞 : TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績 : MOVISTAR TEAM
■敢闘賞 : HECTOR SAEZ BENITO (EUSKADI BASQUE COUNTRY – MURIAS / ESP)