シクロクロス世界選2022のチームリレー・テストイベントはイタリアが優勝
米国アーカンソー州のフェイエットヴィルで、今週末に開催されるウォルマート・UCIシクロクロス世界選手権の前哨戦として、1月28日にチームリレーのテストイベントが開催された。
初開催となったシクロクロスのチームリレーは、男子2選手、女子2選手の混合チームで競われ、イタリアが初代チャンピオンに輝いた。2位は米国のAチーム、3位はベルギーだった。
新型コロナの影響で縮小開催
当初、チームリレーのテストイベントは、1チーム6人で競われる予定だった。しかし、パンデミック(世界的な大流行)が続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、渡米できなかったり隔離中の選手が続出したため、国際自転車競技連合(UCI)はルールを変更し、1チームを4人に減らし、1カ国で2チームの参加を認めた。
それでもエントリーしたのはたった5カ国で、開催国の米国とカナダがそれぞれ2チーム、それにベルギー、イタリア、チェコだけだった。
チームは男女混合なだけでなく、カテゴリーも決められていて「女子ジュニアもしくは女子アンダー23の選手」、「女子アンダー23もしくは女子エリートの選手」、「男子ジュニアもしくは男子アンダー23の選手」、「男子アンダー23もしくは男子エリートの選手」で構成されなければならなかったが、出走順はそれぞれの国で決める事ができた。
スタートから飛び出したのはイタリアのサムエーレ・レオーネ(男子アンダー23)だったが、すぐに今季のワールドカップで総合9位に入ったベルギーのダーン・スート(男子エリート)が先頭に立ち、後続に8秒差を付けて第2走者のキオーナ・クラベー(女子アンダー23)にリレーした。
しかし、優勝候補と思われていたベルギーは、第2走者に男子エリートのミハエル・ボロシュを出したチェコに抜かれてしまった。ボロシュは機材トラブルで一旦後退したが、すぐにまた先頭に立ち、第3走者のクリスティーナ・ズィマノーヴァ(女子アンダー23)に引き継いだ。
ここで力強い走りを見せたのは、元シクロクロス選手を父親に持つイタリアのルチーア・ブラマーティ(女子アンダー23)だった。彼女は2番手でズィマノーヴァを追走し、最終走者のダヴィデ・トネアッティ(男子アンダー23)に全てを託した。
チェコの最終走者は女子エリートのカテリナ・ナッシュで、タイム差は数秒しかなかった為、すぐトネアッティと米国Aチームのスコット・ファンストン(男子アンダー23)に追い越されてしまった。そして最終周回の終盤に、トネアッティは地元のファンストンを蹴落とし、イタリアに勝利をもたらした。
イタリア代表チームも今回のシクロクロス世界選で、新型コロナの影響を大きく受けた国だった。先週オランダで開催されたワールドカップ最終戦で陽性者が出た為、米国への派遣団を縮小せざるを得なくなったのだ。イタリアチームは参加チームの中で唯一メンバーに男子エリートの選手が居なかったのだが、それでも優勝する事ができた。
ウォルマート・UCIシクロクロス世界選手権は、1月29日に開幕し、初日は女子ジュニア、男子アンダー23、女子エリートのレースが行われる。
■シクロクロス・チームリレー・テストイベント
[1月28日/フェイエットヴィル(米国アーカンソー州)/100m+3.1×4周]
1. ITALY 31:00
LEONE Samuele (MU)
PERSICO Silvia (WE)
BRAMATI Lucia (WU)
TONEATTI Davide (MU)
2. USA – A +0:07
BRUNNER Eric (ME)
CLOUSE Katie (WU)
HONSINGER Clara (WE)
FUNSTON Scott (MU)
3. BELGIUM +0:16
SOETE Daan (ME)
CRABBÉ Kiona (WU)
FRANCK Alicia (WE)
VANDEPUTTE Niels (MU)
4. CANADA – A +0:46
5. USA – B +0:48
6. CZECH REPUBLIC +1:10
7. CANADA – B +1:56