女子Qリーグ・中学生Nリーグ2021-2022シリーズを駆け抜けた選手達の軌跡/最終戦は2/13開催
目次
国内サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、 ジュニアリーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」から、2021-2022シリーズ戦のレポートが届いた。
最終戦「大磯クリテリウム第5戦」は2022年2月13日(日)に開催される。
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初代ポイントリーダーおよび特別賞受賞選手たち。写真左よりQリーグ女子・廣瀬博子、Nリーグ・佐々木啄人、JW中学生女子特別賞・筒井楓
来る2月26日、今期で2シーズン目となる高校生以上の女子「クイーンリーグ(Qリーグ)」、そして中学生男女の「ニューエイジリーグ(Nリーグ)」の2021-2022シリーズ最終戦となるレースが千葉県成田市の下総運動公園で開催の予定だった。しかし、1月中旬からの新型コロナ第6波による感染者数の増加、特に小中学校での蔓延により、成田市内のスポーツ施設使用が停止となり、この最終戦「成田下総2022」が開催中止となった。
そのため、今シーズンは2月13日開催のシリーズ第12戦「大磯クリテリウム第5戦」終了時までの獲得ポイントで、シリーズリーダーを争うこととなり、年間ポイントリーダー賞の授与式を行うこととなった。
同リーグは一昨年の2020年4月から運用が始まった。この自転車レースの女子およびジュニアに特化したリーグ戦はスタート直後から新型コロナ禍の波を正面から受ける荒波の中で漕ぎだした。しかし、リーグの理念と趣旨に共感したリーグ協賛各社、そしてリーグに登録する女子・ジュニア選手たちの活躍の場を提供したリーグ提携団体のおかげでシーズンを駆け抜けることができた。
残念ながら数試合は政府からの緊急事態宣言などで開催を断念したものの、先の状況が見えないなかでも登録選手たちは練習を重ね続け、その成果をリーグ対象大会の女子レース、そしてジュニアレースで素晴らしい走りを見せてリーグポイントを積み上げていった。
改めて、2020-2021シーズンのリーグポイントリーダーを振り返ってみたい。
Qリーグ女子(W1):廣瀬博子(Pedalist)168ポイント獲得
NリーグJ1中学生:佐々木啄人(ボンシャンスACA)192ポイント獲得
JW中学生女子特別賞:筒井 楓(Team山登)152ポイント獲得
この成果をもとに今シーズンの2021-2022については、前シーズンの中学生女子の活躍が目覚ましかったため、中学生女子のカテゴリーにもポイントリーダー賞を設定し、高校生以上の女子は1つにまとめ「Q」に統一。
一方で高校生男子を廃止し、反響の大きかった中学生男子に注力するカテゴリー分けに再編成し、2021年3月より第2期のリーグ募集を開始した。
そして各リーグ対象レースの結果を表彰式までにランキング算出し、ポイントリーダーの証となる女子Qリーグは「アメジストジャージ」、中学生Nリーグの男女は「バトルマリンジャージ」の獲得を目指す。これが同リーグ最大の目玉である。
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Photo:(c)gg_kasai
このポイントリーダージャージは世界のトップレースで性能を発揮したベルギーBIORACER(ビオレーサー)製。リーグのジャージ愛称には宝石の名前を入れ、自転車界の未来を輝く宝石のように明るく照らす存在になってほしい、という願いを込めている。
このリーダージャージの大切なところは機能だけでなく「リーダーである証」を身に着けていることで、レースではもちろんだが普段の行動でも身を引き締められるようで、憧れの存在として良き目標になっているようである。これは非常に大事なポイントだと考えている。
更にポイントリーダーには、各シリーズ戦ごとにポイントリーダー賞としてリーグごとに協賛各社より提供される豪華副賞を毎試合授与する。
まずは今年で設立10年目を迎える隼(Hayato)。会社代表自らが開発した栄養補給・補助食品「ATHLETUNE(アスリチューン)」は多くのアスリートに愛用されており、そのATHLETUNEのQ・Nリーグ特製詰め合わせセットを授与。
次はアミックグループ。化粧品の成分分析業務を経てサロン専用化粧品開発から、スポーツを楽しむアスリートの肌を守るためのスポーツ化粧品「AthleteX(アスリートX)」を生み出した社より、AthleteXブランド製品を授与する。
次は1997年に世界初の足の形に合わせた左右非対称ソックスを開発した武田レッグウェアー。自転車の他にもランニングやサッカーなど様々な競技者の足元を支える「R×L」ブランドから、新製品を中心に目録で授与し、後日リーダー獲得選手のサイズに合わせた製品を贈っている。
最後に今シーズンより協賛に加わった、工業計測制御システムの設計開発を主な業務でおこなうアイリス株式会社。その社の技術を背景に開発し、強力な被膜が劇的な潤滑効果を発揮、金属摺動部の摩擦摩耗を大幅に改善する「EXLUB(エクスルブ)」とEXLUBステッカーなどを組み合わせたリーグ特製セットを授与する。
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Photo:(c)gg_kasai
全てのリーダー獲得賞品は、リーダーを獲得した選手たちの自転車レースを引き続き支える心強い重要アイテムばかり。そのような協賛各社からの協力や、リーグ提携する各団体運営のリーグ対象レース内容の充実もあり、リーグ登録開始直後から前シーズンよりも多くの登録申請があり、特に中学生男子の登録数が倍増。中学生女子も多く登録があり、ジュニアについては中学生男女に絞ったのが功を奏したようだった。
そこでポイントリーダー奪回を繰り広げた今シーズン2021-2022の各シリーズ戦を、駆け足ではあるが振り返ってみたいと思う。
2021-2022各シリーズ戦レポート
今シーズンの初戦は4月開催の「リーグ開幕シリーズ第1戦:成田下総 2021・春」。朝から雨の降る非常に酷なコンディションではあったが、小学生から中学生、高校生を中心とした大会のなか、シリーズ開幕にふさわしい熱い戦いを繰り広げた。
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Photo:Takashi Saito
5月の第2戦「春のしもうさクリテリウム」は、初夏を思わせるような素晴らしい快晴のなか、大人顔負けのゴールスプリントを展開するなど、QリーグとNリーグの各選手達が会場を沸かせる走りを魅せた。
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Photo:Takashi Saito
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Photo:Takashi Saito
7月の第4戦「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」は梅雨明け宣言直後の快晴のなかレースが行われ、Nリーグポイントリーダーの男子N・水上選手、そして女子NW・岡本選手の2人が揃い踏み。そのリーダーの証である「バトルマリンジャージ」姿も板についてきたようで、レースでもキーとなる動きを見せた。
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Photo:QNリーグ事務局
その「そでがうら」レース翌日の第5戦「JCRC 第2戦in群馬 CSC」では、連戦の疲れを見せずに元気な走りを展開する中学生選手たちに混ざり、Qリーグポイントリーダーの廣瀬選手が出場。Qリーグのリーダージャージ「アメジストジャージ」姿の廣瀬選手は、2シーズン連続のリーダー連覇に意欲を見せた走りだった。
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Photo:QNリーグ事務局
8月は「守谷サマースクール&サマーレース」を開催予定していたが、新型コロナの影響でシリーズ戦は開催中止とし、タイム記録会に内容変更して実施。その模様は後日、サイクルスポーツ公式サイトに掲載された。
https://www.cyclesports.jp/news/others/53353/
9月の第6戦「秋のしもふさクリテリウム」では途中、にわか雨の影響もあったが、事故もなくリーグ登録の各選手達は素晴らしい走りを魅せ、QとNリーグ各リーダー3選手が揃ったレースは非常に盛り上がった。
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Photo:Takashi Saito
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Photo:Takashi Saito
10月の第8戦は東北地方の福島県に舞台を移し「あぶくま洞ヒルクライム」において、ヒルクライム大会を初めてリーグに組み入れをした。これは同リーグでジュニアにおける「ギヤ比規制」をおこなっていないが、そのギヤ比を普段の練習から遵守している選手が、レース本番でも遺憾なく実力を発揮できるように考慮したものである。NリーグNリーダー水上選手をはじめとした、その思惑を理解しているジュニア選手たちを中心に、抜けるような青空の頂上を目指して走った。
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Photo:QNリーグ事務局
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Photo:QNリーグ事務局
10月は更にもう1戦開催。第9戦の「大磯クリテリウム2021-2022シーズン第1戦」は、朝からの素晴らしい秋晴れのもと、大磯クリテリウム名物の風とコーナーが連続するコースレイアウトと闘いながらスピーディーなレース展開を見せ、NリーグNWリーダー岡本選手が対象レース優勝とリーダー防衛をダブルで獲得。
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Photo:(c)gg_kasai
11月は第10戦の「大磯クリテリウム2021-2022シーズン第2戦」では、曇り空ではあるもののリーグ対象レースのゴールまでは何とか雨に遭わずにすみ、NリーグNリーダー水上選手が接戦を制して対象レース優勝とリーダー防衛をダブル獲得。Nリーグリーダー男女2人揃っての表彰式を実現できた。
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年が明けて1月は第11戦の「大磯クリテリウム2021-2022シーズン第4戦」は朝から冷たい風の吹く中、リーグ対象となっている中学生男子クラス、そして女子ビギナーと女子スポーツのエントリーが非常に増え、レース展開も含めて非常に盛り上がった。今期の大磯クリテリウムには初出場となる、Qリーグリーダー廣瀬選手がリーダーの証であるアメジストジャージを纏いスタートラインに並ぶと観客の皆様の注目の的になり、その走りでも魅せてくれた。
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Photo:(c)gg_kasai
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Photo:(c)gg_kasai
2021-2022シーズン ポイントリーダー
なお現時点でのポイントリーダーおよびTOP3の選手は以下となっている(順位とポイントは2022年1月24日現在)。
Qリーグのポイントリーダーは、さいたまサイクルプロジェクト所属の廣瀬博子(112ポイント)。昨シーズンのQリーグ初代ポイントリーダーで、シリーズ終了を待たず連覇を確定した。
総合2位:大関 奏音(会津工業高校)・28ポイント
総合3位:山口 優子(W.V.R.T.)・20ポイント
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廣瀬博子(さいたまサイクルプロジェクト) Photo:QNリーグ事務局
Nリーグの中学生男子「N」のポイントリーダーは、ブラウ・ブリッツェン所属の水上央渉(170ポイント)。シクロクロスでも活躍する注目の選手。
総合2位:本井 大裕(ブラウ・ブリッツェン)・122ポイント
総合3位:穴澤 桜晴・105ポイント
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水上央渉(ブラウ・ブリッツェン)Photo:(c)gg_kasai
Nリーグの中学生女子「NW」のポイントリーダーは、ブラウ・ブリッツェン所属の岡本彩那(208ポイント)。冷静で非常にクレバーな走りの選手。
総合2位:篠塚 萠依(Cycle DNA)・102ポイント
総合3位:大矢 彩雲(ブラウ・ブリッツェン)・84ポイント
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岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)Photo:(c)gg_kasai
2021-2022シーズン最終戦「大磯クリテリウム第5戦」2/13開催
そんな2021-2022シーズン最後となる2月13日開催の「大磯クリテリウム第5戦」ではポイントリーダーの年間表彰もおこなうため、1年間を通してリーダーの座を獲得した選手には年間特別賞品も協賛各社より追加で用意されている。そんな年間リーダーの決定発表と授与式も楽しみだ。
そして世代交代が進む自転車レース界ではあるが、交代する人材が多ければ未来がもっと明るくなる。そんな素晴らしい人材が生まれる瞬間に立ち会えるよう、ぜひ注目してほしい。
*2月13日開催・QNリーグ20212022シリーズ第12戦「大磯クリテリウム第5戦」
https://walkride-cycling.info/oiso-c2021-22/
<Qリーグ・Nリーグ2021-2022シーズン・協賛および提携団体>
協賛:株式会社クランノート、株式会社 隼、株式会社アミックグループ、武田レッグウェアー株式会社、アイリス株式会社
提携:サイクルロードレース協会 東日本事務局(チャレンジリーグ)、合同会社LinkTOHOKU(ツール・ド・ふくしま)、株式会社ウォークライド(大磯クリテリウムほか)、一般社団法人 日本サイクルレーシングクラブ協会(JCRC)
2022-2023シーズン参加選手は3月募集開始
来シーズン2022-2023の参加選手は3月より募集開始!詳細は近日発表する。
継続(2021-2022に登録実績のある選手):登録費2500円、新規:登録費3000円
※費用は1名分、スポーツ安全協会保険への加入費含む
※リーグ登録の対象期間:2022年4月1日〜2023年3月31日(保険の対象期間も同じ)
Qリーグ・Nリーグについての公式情報はこちらから。
速報の発信先TwitterやFacebookのリンクも掲載している。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/