悪天候の2019UCIロード世界選で新城幸也、中根英登がリタイア
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英国のヨークシャーで開催中の2019年UCIロード世界選手権は、9月29日(日) に男子エリート ロードレースが行われ、デンマークのマス・ピーダスンが優勝した。
スタート1時間ほど前になって雨と道路の水はけへの懸念からコースがショートカットされ、ラインレース部分の山岳が2つもなくなった。この山岳部分は道幅や勾配だけでなく強い横風がレースを厳しくすると想定されていただけに、日本ナショナルチームにはラッキーな決定と思われた。だが、ラインレース区間を終えて周回にたどり着く選手が多ければ、レースは楽になるというわけではなかった。新城幸也、中根英登は周回コースに入ってからのリタイアという結果に終わった。
新城幸也「こんな世界選は初めて。悔しい」
「ライン区間ではBBくらいまでの深さの水たまりを何カ所か走りました。他のスポーツかと思うくらいです。だから(コース変更は)僕の方に風が吹いたな、と思いました。周回に入って(フィリップ・)ジルベールの落車で足止めを食らい、脚を使って前に追いつきました。1周、コルブレッリと一緒にいたんですけど、まだ100kmあるし、逃げがちょうど捕まるところなのでまだ(ペースが)上がることはないと思っていました。補給所で補給をとったとき、その先で集団がバカーンと分かれて、後ろから追ったけれど追いつき切れず宙ぶらりんになり、2周追いかけたけれど前との差は1分40秒となった。前が30人なら頑張るけれど、90人いた。なので…..、不完全燃焼です」。
9周の周回のうちの2周目、中切れを埋めようとして数人の選手とともに全力を出した新城だったが、追いつかなかった。ほぼ最後尾にいたのが仇となった。
「何のためにブエルタを走り、準備をしてきたのか。体は軽かったし、リッチモンドの世界選(2015年、17位)のときくらい脚の感じはよかった。周回は遅れちゃダメ、集団にいなきゃいけない。わかっていたけれど…..。こんな世界選は初めてです。悔しい」。
中根英登「重要な場面でアシストができなかったのが申し訳ないです」
「(変更となった)2個目と3個目の山では吹きっさらしの区間があり、ないと思うけれど分断の動きがあったときにかなり厳しい展開が予想されていて、それがなくなったので、日本ナショナルチームとしては有利になったと思いました。走ってみて、1つ目の上りでは特に問題がなく、『ラインの区間は自分の好きなタイミングで前に上がっていていい。それをめがけて上がっていけるから』と幸也さんに言われていましたが、なるべく近くにいるようには心がけていました。周回コースに入る手前で幸也さんが補給を取れなかったみたいでジェルを渡したりとか、ニーウォーマーを取るのをサポートして受け取って、調子を聞き合いながら、という余裕が二人にはありました。
周回に入って落車があって、それがちょうど自分たちの前だったので、踏み直して集団に戻りました。そこまでは調子がいいと思っていたのですが、これ、思ったよりダメージが来ているな、と。体が冷えていて、ライン区間では水たまりもすごくあって、下からも冷えていた。これはちょっとヤバイなという感じになりました。どのタイミングで上がりますか、と話はしていたのですが、周回の2つめの上り、観客の多い上りで完璧に冷えちゃって体が震え、ちぎれてしまいました。
幸也さんが中切れにあった周、そこに僕がいたら、前につなげる動きとか、連れて行く動き、詰め切れないかもしれないけれど、その手助けくらいはできたはずです。それができなかったのが一番悔しいです。申し訳なかったし、悔しいです」。
男子エリート ロードレース結果(9月29日 リーズ〜ハロゲート 261.8km)
1. マス・ピーダスン(デンマーク/トレック・セガフレード)6:27:28
2. マッテーオ・トレンティン(イタリア/ミッチェルトン・スコット)+0
3. シュテファン・キュンク(スイス/グルパマ・FDJ)+2
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DNF 新城幸也(バーレーン・メリダ)
DNF 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)