ストラーデ・ビアンケ2022はポガチャルが50km独走して初優勝
イタリア中部トスカーナ地方の丘陵地帯で、3月5日に第16回ストラーデ・ビアンケ(UCIワールドツアー)が開催され、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が、50kmを独走で逃げ切って初優勝した。
2位には来月42歳になるスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)が37秒遅れで入り、3位は46秒遅れでデンマークのカスパ・アスグレーン(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)だった。
世界チャンピオンが巻き込まれる大落車事故が発生
レースは中盤のセクター5の未舗装路で発生した大落車事故で、一時混沌となった。85km地点でアルカンシエルを着たジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ アルファヴィニル チーム)が、前を走っていたアルペシン・フェニックスの選手の転倒に巻き込まれたのをきっかけに、後方の選手たちが大勢落車してしまった。
この事故で2018年の優勝者であるベルギーのティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ)や、オーストラリアのマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ・ジャイコ)、スロベニアのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)がレースをリタイアした。
ポガチャルもこの落車に巻き込まれたが、すぐレースに戻った。2019年の優勝者で、優勝候補の1人だったアラフィリップは集団から遅れてしまったが、チームメートのミゲル・ホノレ(クイックステップ アルファヴィニル チーム)に助けられ、残り75kmで集団に戻る事ができた。
セクター8の未舗装路で、序盤に逃げていた選手たちは集団に吸収され、ゴールまで残り52kmでレースは振り出しに戻った。セクター8にあったモンテ・サンテ・マリアの丘陵地帯で、集団の先頭はアラフィリップやティム・ウェレンス(ロット・スーダル)が引いていたが、そこから残り50kmで飛び出したポガチャルには、誰も反応できなかった。
アラフィリップはポガチャルを追おうとしたが、落車の影響があったのか成功はしなかった。続いてカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアズ)が単独で追走を開始したが、彼はゴールまで残り25kmで集団に吸収された。ポガチャルは残り40kmで、集団に1分差を付けて逃げ続けた。
ゴールまで残り24kmが始まったセクター9の未舗装路の丘で、小さくなったメイン集団からアスグレーンがアタックし、バルベルデ、ウェレンス、クイン・シモンズ(トレック・セガフレード)、ジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアズ)が合流して追走グループを形成した。アラフィリップはアスグレーンに全てを託したかのように、ここで仕事を終えた。
続くセクター10の未舗装路の丘で、アスグレーンがもう一度アタックし、単独でポガチャルを追い始めたが、タイム差は1分前後のままだった。残り11kmでバルベルデがアスグレーンに合流したが、タイム差は縮まらなかった。
ポガチャルは1分近いタイム差を維持したまま、ゴールのカンポ広場があるシエナの街に到着し、ファンの1人とハイタッチをする余裕さえ見せた。彼はそのまま独走で旧市街を坂を駆け上がり、初優勝を果たした。
■ストラーデ・ビアンケで初優勝したポガチャルのコメント
「これは素晴らしい勝利だ。本当に凄い。早い段階で攻撃を始めたが、ゴールまで残り5kmの標識まで、それができるかどうかは分からなかった。モンテ・サンテ・マリアでベストを尽くそうとトライし、誰も付いて来なかったから先頭で1人になっていたのに気がついた。今朝から全力で取り組んでいたが、最後の上りまで行けるかどうかは分からなかった。誰か来るかどうか、絶えず振り返って見ていた。最後はエネルギーがほとんど残っていなかったけれど、最後まで生き残るには十分だった」
第16回ストラーデ・ビアンケ 結果
[3月5日/UCIワールドツアー/イタリア/184km]
1. POGACAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 4:47:49
2. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +0:37
3. ASGREEN Kasper (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / DEN) +0:46
4. VALTER Attila (GROUPAMA – FDJ / HUN) +1:07
5. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:09
6. NARVAEZ PRADO Jhonatan Manuel (INEOS GRENADIERS / ECU) +1:09
7. SIMMONS Quinn (TREK – SEGAFREDO / USA) +1:21
8. WELLENS Tim (LOTTO SOUDAL / BEL) +1:25
9. PETILLI Simone (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +1:35
10. HIGUITA GARCIA Sergio Andres (BORA – HANSGROHE / COL) +1:53