ミラノ~サンレモ2022はスロベニアチャンピオンのモホリッチが逃げ切り初優勝
春の訪れを告げるモニュメント・クラシックである、第113回ミラノ~サンレモ(UCIワールドツアー)が、3月19日に北イタリアで開催され、スロベニアチャンピオンのマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が、独走で逃げ切って初優勝した。
2位はフランスのアントニー・テュルジス(トタルエナジース)、3位はこれが今シーズン最初のレースだったオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)だった。
第113回大会は、快晴のミラノを165人がスタート。すぐに8人の逃げグループが形成され、最大7分差を付けて逃げ続けた。レースは大きな事故もなく、終盤の丘越えに突入し、逃げグループのタイム差は次第に縮まっていった。
ゴールまで残り38.8kmが頂上だったカーポ・ベルタの上り坂で、優勝候補の1人と見なされていた英国のトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)が集団から遅れた。次のチプレッサ峠のふもとでは、スロバキアのペテル・サガン(トタルエナジース)が機材故障に見舞われて自転車を交換しなければならず、集団から遅れてしまった。
チプレッサ峠がスタートすると、集団はUAEチーム・エミレーツのヤン・ポランツェとダヴィデ・フォルモロが先頭を引き続け、スプリンターたちが次々と脱落していった。残り21.6kmの頂上を通過した時、集団は30人程度に絞られていた。
ゴールまで残り9.2kmで、最後のポッジョの上りがスタート。メイン集団はここで最後まで逃げ続けた2選手を捉え、優勝争いの激しいバトルが始まった。その口火を切ったのは、ストラーデ・ビアンケ(UCIワールドツアー)とティレーノ~アドリアーティコ(UCIワールドツアー)で優勝し、今年のミラノ~サンレモで最も有力な優勝候補と見なされていた、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)だった。
ポガチャルの最初のアタックには、ベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)がすぐ反応し、遅れてファンデルプールも追いついた。ポガチャルはポッジョで4回アタックを試みたが、ライバルたちを出し抜く事はできなかった。頂上まで残り1kmを切った所で、セーアン・クラーウアナスン(チームDSM)がアタックし、ポガチャル、ヴァンアールト、ファンデルプールが追走したが、大差を付ける事はできず、丘を越えた。
ゴールまで残り4.5kmのポッジョの下り坂で、優勝候補たちを出し抜くように飛び出したのはスロベニアチャンピオンのモホリッチだった。彼は5秒差を付け、独走でポッジョを下り切った。後続のグループは協力して追いかける事ができず、モホリッチはゴール目前でチェーンのトラブルに見舞われたにもかかわらず、そのまま逃げ切って初のモニュメント・タイトルを手中に収めてしまった。
ミラノ~サンレモは今年のUCIワールドツアーの5戦目だが、これでベルギーのオムロープ・ヘットニュースブラッドを除く4戦でスロベニアの選手が優勝した事になった。27歳のモホリッチは、スロベニアに初めてミラノ~サンレモのタイトルをもたらした選手になった。
■ミラノ~サンレモで逃げ勝ったモホリッチのコメント
「冬の間ずっと、このレースについて考えていた。2月には病気になり、ストラーデ・ビアンケで落車したにもかかわらず、ボクはミラノ~サンレモのために調子を整える事に取り組んだ。勝てると信じ続けた。下りでベストを尽くし、ちょっとリスクを冒す計画だった。エンジン全開で行った。ミラノ~サンレモで勝つなんて素晴らしいよ」
■シーズン初戦で3位になったファンデルプールのコメント
「レースをする予定ではなかったとしても、やはりガッカリしているよ。有力な優勝候補たちは、3位のためにスプリントをしたのかもしれない。今日は勝利のためにスプリントができなくて残念だ。ミラノ~サンレモは勝つのがとても難しいレースだ。
突然、モホリッチが差を付けた。彼がそうなるとは予期していなかった。ポガチャルが彼の後ろに付いていた。我々は全員、モホリッチが下りで速いのを知っていたが、グループはその差を縮めるのに十分だと思っていた。彼は優勝に値するよ。
後ろでは協力も足りなかった。ボクたち3人、ピーダスンとヴァンアールト(とボク)は、本当に差を縮めようと努力した。我々がそれを縮めるには、チームメートが1人か2人必要だった。勝つために戻ってきたいが、ボクは年を取って、またチャンスを逃してしまった」
第113回ミラノ~サンレモ 結果
[3月19日/UCIワールドツアー/イタリア/293km]
1. MOHORIC Matej (BAHRAIN VICTORIOUS / SLO) 6:27:49
2. TURGIS Anthony (TOTALENERGIES / FRA) +0:02
3. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED) +0:02
4. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / AUS) +0:02
5. POGACAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) +0:02
6. PEDERSEN Mads (TREK – SEGAFREDO / DEN) +0:02
7. KRAGH ANDERSEN Søren (TEAM DSM / DEN) +0:02
8. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL) +0:02
9. TRATNIK Jan (BAHRAIN VICTORIOUS / SLO) +0:05
10. EMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA) +0:11
111. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +8:31