アムステル・ゴールド・レース2022はクフィアトコフスキーが2度目の優勝
オランダ南部のリンブルフ州で、4月10日にUCIワールドツアーのアムステル・ゴールド・レース2022が開催され、ポーランドのミハウ・クフィアトコフスキー(イネオス・グレナディアズ)が、2015年に続いて2度目の優勝を勝ち取った。
ゴールは2年連続で写真判定に持ち込まれた。クフィアトコフスキーは、フランスのブノワ・コスヌフロワ(AG2R・シトロエンチーム)と2人でメイングループから逃げ切り、最後は一騎打ちのゴールスプリントを競った。レースラジオは最初にコスヌフロワを勝者とアナウンスしたが、写真判定で結果が覆り、クフィアトコフスキーの優勝が確定した。
昨年はクフィアトコフスキーのチームメートで、今大会の優勝候補でもあった英国のトーマス・ピドコックが写真判定で2位になったが、今年はイネオス・グレナディアズに勝利の女神が微笑んだ。
フランス大統領選で日程変更
例年ロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル/UCIワールドツアー/ベルギー)の翌週は、フランスでパリ~ルーベ(UCIワールドツアー)が開催されるが、今年はフランス大統領選挙と日程が重なったため、アムステル・ゴールド・レースと日程が入れ替わった。
昨年写真判定で初優勝したベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)は、ロンド直前に感染した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、今大会にも参加しなかった。
レースは序盤の逃げがゴールまで残り45kmのアイゼルボスウェグの丘を越えた後に吸収され、振り出しに戻った。集団の先頭はイネオス・グレナディアズが引き続け、残り34kmでクーテンベルフの丘を上り始めた時は、クフィアトコフスキーが引いていた。
この丘でティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ)がアタックし、11人の先頭グループが形成された。そこには優勝候補の1人だった地元オランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)、コスヌフロワ、カスパ・アスグレーン(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)、ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス)が加わり、イネオス・グレナディアズだけがピドコックとクフィアトコフスキーの2人を送り込んでいた。
ゴールまで残り25kmで、最後のカウベルフの上りが始まった時、先頭グループは後続に23秒差を付けていた。カウベルフを上り終えた後、クフィアトコフスキーがアタックし、わずかに先行してフィニッシュラインを通過し、最終周回へと突入した。
先頭のクフィアトコフスキーに残り19kmのフルヘメルベルフの丘でコスヌフロワが追いついた時、タイム差は19秒になっていた。後続グループからはピドコック、トゥーンス、ファンデルプールが次々とアタックを試みたが、タイム差は一時30秒以上に開いた。
最後は2人が逃げ切り、残り200mで前を走っていたコスヌフロワが先にスプリントを開始したが、ゴール目前で並んだクフィアトコフスキーが車体を投げ出し、僅差でフィニッシュラインを通過した。元世界チャンピオンで31歳のクフィアトコフスキーにとって、2度目のアムステル・ゴールド・レースの優勝は、2020年のツール・ド・フランス第18ステージでの区間優勝以来の勝利だった。
■優勝したクフィアトコフスキーのコメント
「ゴールの後、誰が勝ったのか分からなかった。コスヌフロワが喜び始めた時、自分は負けたと思った。もちろん、がっかりしたが、どういう訳が、まずは正式に確認された結果を知りたかった。数分後に、ボクが勝者だと発表された時、感情のジェットコースターは物凄かったよ。
コスヌフロワと逃げていた時は、追走グループにピドコックが居たから、ボクはほとんど働かなくて良かった。このフィニッシュラインは、いつも向かい風なのを知っていた。だからボクはスプリントを早く始めたくなかったんだ。コスヌフロワが(スプリントを)始めたが、ボクが隣に並んだ時、彼も同じように加速できた。ゴールでは、本当に我々のどちらが勝ったのか分からなかった。幸いにも、その確定は数分後に出た」
第56回アムステル・ゴールド・レース 結果
[4月10日/UCIワールドツアー/オランダ/254.1km]
1. KWIATKOWSKI Michal (INEOS GRENADIERS / POL) 6:01:19
2. COSNEFROY Benoit (AG2R CITROEN TEAM / FRA)
3. BENOOT Tiesj (JUMBO-VISMA / BEL) +0:10
4. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED) +0:20
5. KAMP Alexander (TREK – SEGAFREDO / DEN) +0:20
6. ASGREEN Kasper (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / DEN) +0:20
7. MATTHEWS Michael (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / AUS) +0:20
8. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI) +0:20
9. HIRSCHI Marc (UAE TEAM EMIRATES / SUI) +0:20
10. TEUNS Dylan (BAHRAIN VICTORIOUS / BEL) +0:20