第11回最速店長選手権にエイジサイクル・岩島店長が勝利、ゴール前から一気に独走、3度目の栄冠をその手に
4月17日(日)、静岡県の富士スピードウェイサーキットにて開催された「第11回全日本最速店長選手権」に、岩島啓太 店長(エイジサイクル)が勝利した。めまぐるしく先頭が変わる展開となったこの厳しいレースを、最終周回の厳しい上りで他の選手たちを単独で一気に突き放し、3度目の店長選手権優勝を果たした。
2011年に第1回を開催した、サイクルスポーツの名物企画「全日本最速店長選手権」も2022年で11回目を迎えた。集合午前5時半のレーススタートは午前7時10分。時折小雨もふる気温は6℃という寒さ厳しいコンディションの中、参戦したのは28人の店長たち。1周回目からそれぞれが主導権を取るべくバチバチと動く。想定ゴール時間1時間という短めの距離の中、それぞれが一国一城の主とも言える店長たちが、チームプレーなどあるべくもなく、個々の力をぶつけあった。
レース展開は本当に先が読めなかった。コースのプロフィールは大きく下って、大きく上るという短調ではあるが厳しいもの。その上り終盤からアタックし、下りセクションで次の上りまでの後続との距離を開きたいという店長たちの動きが、2周回ごとに見られるも、その動きはどれも集団が吸収。
「このレースに勝てば、確実に店の売り上げは上がりますからね」(2018年勝者・筧五郎店長)という圧倒的な実利と店長界における絶大なる名誉をもたらす、手前味噌ながら自転車業界での大きなアドバンテージを獲得できるのがこのレースでの勝利。これに向けて、すべての店長が微かなチャンスを自らのものにすべく、動き続けた。
レース後半から逃げ切りを狙う店長たちの動きが活発になり、経験ある店長たちは集団内部で脚を貯める。前方と後方の思惑が乖離していく中、ラスト2周で、田中宏樹 店長(ストラーダバイシクルズ彦根店)が独走で逃げる。バチバチに競るよりヒルクライムが得意という田中店長は、その地脚を活かし後方集団に大きく差をつけた。そこにレース前半から活発に動いていた津末浩平 店長(津末サイクル)が食らいつく。
ラスト1周を逃げる2人、最後の上りが始まったところで、独走からの前引き調子を続けてきた田中店長がペースを落とす。そのカウンター気味に後方から数名の選手が津末店長を捉え、さらにそこから岩島店長がひとり、グンと抜け出した。その勢いは圧倒的で、他の店長たちは、このすばらしいタイミングと上りでの速度に誰も付いていくことができなかった。
何度か後ろを振り返ったものの、岩島店長についてくる店長は誰もいない。フィニッシュ直前の一番厳しい上りを、最終周回とは思えない速度で走りきった岩島店長は、勝利を確信して3度目の最速店長の称号を手に入れる。「2012年のフィリップ・ジルベールのようなアタックを目指しました」、とプロショップ店長ならではの独特の言い回しで今日の走りを評価した岩島店長だった。
その岩島店長の走りを見送らされた2位争いは、スプリントというより脚を絞り出す勝負となった。この脚の粘りで2位をもぎ取ったのは、今回が初参戦となった野中秀樹 店長(khodaabloomショップ東越谷店)。半年前に店長になったばかりというフレッシュな26歳、先のシクロクロス店長選手権で2位を獲得したその脚で何度も逃げを決めようとしたが叶わず、それでも最終段階で、ここでも2位を獲得。3位には、もはや夏を迎えていたと言ってもいい沖縄から「もう温度差20度という厳しい状況の中」、参加した中尾峻店長(Bicicletta SHIDO沖縄店)が入った。
レースの詳細、そして表彰台に立った選手たちのバイクに付いて、サイクルスポーツ2022年6月号(5月20日発売)にてじっくりとお伝えする。
リザルト
最速店長 岩島啓太(エイジサイクル) 1:11’37” 平均時速41.7km
2位 野中秀樹(KhodaaBloomショップ東越谷店) +0’04”
3位 中尾 峻(Bicicletta SHIDO沖縄店) +0’04”
2位 野中秀樹(KhodaaBloomショップ東越谷店) +0’04”
3位 中尾 峻(Bicicletta SHIDO沖縄店) +0’04”
ポイント賞 高木友明(アウトドアスペース風魔横浜) 6ポイント
アミノバイタル® プレゼンツ 第11回全日本最速店長選手権
開催日:2022年4月17日(日)
開催地:静岡県・富士スピードウェイ(富士チャレンジ 200併催)
開催地:静岡県・富士スピードウェイ(富士チャレンジ 200併催)