リエージュ~バストーニュ~リエージュ2022はエヴェネプールが初優勝

現存する最古のレースで、モニュメント・クラシックの1つである第108回リエージュ~バストーニュ~リエージュ(UCIワールドツアー)が、4月24日にベルギー南部ワロン地方で開催され、22歳のレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が独走で逃げ切り、地元ベルギーに11年ぶりの勝利をもたらした。
 

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2022

■エヴェネプールが11年ぶりでベルギーに勝利をもたらした

 
48秒遅れの追走グループは2位争いのゴールスプリントを競い、ベルギーのクインテン・ヘルマンス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)がベルギーチャンピオンのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)に競り勝った。リエージュ~バストーニュ~リエージュで、地元ベルギーの選手が表彰台を独占したのは、1976年以来だった。


ポガチャルが欠場

快晴に恵まれた第108回大会は172選手がスタート。ディフェンディングチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)は、身内に不幸があってスロベニアへ帰国し、大会前日に欠場を決めた。リエージュ~バストーニュ~リエージュのスタート地は、長年リエージュ中心部のサン・ランベール広場だったが、今年はゴールと同じ郊外のケ・デ・アルデンヌに変わった。

メイン集団では残り62km地点で大落車事故が発生し、世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が救急車で搬送され、レースを棄権した。彼は初参加のエヴェネプールと共にチームのエースとして参加していた。

単独エースになったエヴェネプールは、ゴールまで残り29kmのルドゥットの丘の頂上付近で、集団からアタック。ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)が彼に付いて行こうと試みたが、失敗した。単独でルドゥットを上りきったエヴェネプールは、序盤から逃げていた選手たちを次々と追い抜き、残り22kmで先頭を走っていたブリュノ・アルミライユ(グルパマ・FDJ)に追いついた。この時、集団は37秒後方だった。
 

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2022

■ルドゥットの丘でアタックしたエヴェネプール(©SprintCycling)

 
ゴールまで残り14.5kmの、この日最後の丘だったロッシュ・オー・フォコンでアルミライルは力尽き、エヴェネプールの独走が始まった。集団はモビスターチームとバーレーン・ヴィクトリアスが先頭を引き続けたが、タイム差は縮まらなかった。エヴェネプールはそのまま単独で逃げ切り、モニュメント・クラシックで初タイトルを獲得した。

リエージュ~バストーニュ~リエージュで地元のベルギー人が優勝したのは、2011年のフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)以来だった。ワロン出身のジルベールは今季限りでの引退を表明していて、最後のリエージュ~バストーニュ~リエージュは46位で完走し、ゴールでは観客の声援に手を振って答えていた。

■初参加で初優勝したエヴェネプールのコメント
「こんな風にリエージュ~バストーニュ~リエージュで勝てて本当に嬉しい。人生で本当に一度は勝ちたかったレースなんだ。初参加でそれができて、本当に誇らしい。早くに出発するのは計画にはなかったが、今日は本当に調子が良いと感じていた。勝つためのチャンスを得て、それを素晴らしい方法で仕上げるのは、ビッグでとても特別だ。すべてのビッグな男たちの前で、ビッグなレースで勝てるという事は、ボクにとっては一種の証明だ。今日は最高なレムコが戻ってきたと感じ、自転車を漕いでいたよ」
 

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2022

■左から2位のヘルマンス、初優勝したエヴェネプール、3位のヴァンアールト


■第108回リエージュ~バストーニュ~リエージュ 結果

[4月24日/UCIワールドツアー/ベルギー/257.1km]
1. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 06H 12′ 38”
2. QUINTEN HERMANS (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / BEL) + 00′ 48”
3. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 00′ 48”
4. DANIEL FELIPE MARTINEZ (INEOS GRENADIERS / COL) + 00′ 48”
5. SERGIO ANDRES HIGUITA (BORA – HANSGROHE / COL) + 00′ 48”
6. DYLAN TEUNS (BAHRAIN VICTORIOUS / BEL) + 00′ 48”
7. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 48”
8. NEILSON POWLESS (EF EDUCATION – EASYPOST / USA) + 00′ 48”
9. MARC HIRSCHI (UAE TEAM EMIRATES / SUI) + 00′ 48”
10. MICHAEL WOODS (ISRAEL-PREMIER TECH / CAN) + 00′ 48”
46. PHILIPPE GILBERT (LOTTO SOUDAL / BEL) + 07′ 35”
 

リエージュ~バストーニュ~リエージュ2022

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