ジロ・デ・イタリア2022第5ステージはデマールが区間優勝
イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月11日にシチリア島のカターニアからメッシーナまでの174 kmで第5ステージを競い、フランスのアルノー・デマール(グルパマ・FDJ)が集団ゴールスプリントを制し、区間通算6勝目を上げた。
区間2位はコロンビアのフェルナンド・ガビリア(UAEチーム・エミレーツ)、3位はイタリアのジャコモ・ニッツォーロ(イスラエル・プルミエテック)だった。総合首位のマリア・ローザは、スペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)が守った。
シチリア島最終日の第5ステージは173選手が出走。ドローンホッパー・アンドローニジョカットリのマッティーア・バイスとフィリッポ・タリアーニ、ヤーコ・ハンニネン(AG2R・シトロエン チーム)、アレッサンドロ・トネッリ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)、ミルコ・マエストリ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)が3km地点で逃げ出した。5人は39km地点で3分10秒差を付けた。
第5ステージは、中盤にカテゴリー2のポルテッラ・マンドラッツィ峠を越えるレイアウトで、スプリンターには難所となった。アルペシン・フェニックスが引く集団では、第3ステージで優勝したマーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)がまず遅れた。デマール、ケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)、ダヴィデ・チモライ(コフィディス)、サシャ・モドロ(バルディアーニ・CSF・ファイザネ)も、この峠で集団から遅れてしまった。
75.3km地点のポルテッラ・マンドラッツィ峠頂上は、マエストリが先頭で通過。集団は山岳賞のマリア・アッズーラを着たレナート・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)が先頭で通過して1ポイントを稼いだ。この時、逃げと集団のタイム差は53秒だった。長いダウンヒルの後、デマールは集団に戻る事ができたが、カヴェンディッシュはチームメートたちと一緒にゴールを目指した。
逃げはゴールまで残り66kmで吸収され、最後は集団ゴールスプリントになり、ラモン・シンケルダム(グルパマ・FDJ)のリードアウトから、残り200mでスプリントを開始したデマールが先頭でフィニッシュラインを通過した。第3ステージで区間2位になっていたデマールは、ポイント賞総合で首位に立ち、マリア・チクラミーノも獲得した。
■ジロで区間通算6勝目を上げたデマールのコメント
「ジロで勝ててとても嬉しい。このスプリントはカオスのように見えたかも知れないが、ボクの視点では流動的だった。スプリントを開始するまで、辛抱していた。丘でかなりの時間を失ったが、ダウンヒルですぐにチームメイトたちが、ボクを連れ戻すために素晴らしい仕事をしてくれだ。その後、我々はカヴェンディッシュとユアンを後方へ留めるために一生懸命働いた。今日のボクの勝利は、自転車競技では決して諦めてはいけない事を意味する」
■第5ステージ結果
[5月11日/カターニア~メッシーナ/174 km]
1. DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA) 4:03:56
2. GAVIRIA RENDON Fernando (UAE TEAM EMIRATES / COL)
3. NIZZOLO Giacomo (ISRAEL – PREMIER TECH / ITA)
4. BALLERINI Davide (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / ITA)
5. GIRMAY Biniam (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX /ERI)
6. BAUHAUS Phil (BAHRAIN VICTORIOUS / GER)
7. DAINESE Alberto (TEAM DSM / ITA)
8. TESFAZION Natnael (DRONE HOPPER – ANDRONI GIOCATTOLI / ERI)
9. THEUNS Edward (TREK – SEGAFREDO / BEL)
10. CONSONNI Simone (COFIDIS / ITA)
■第5ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 18:21:03
2. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +0:39
3. TAARAMÄE Rein (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / EST) +0:58
4. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) +1:42
5. VANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) +1:47
6. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +1:55
7. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:58
8. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +2:00
9. PORTE Richie (INEOS GRENADIERS / AUS) +2:04
10. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +2:06
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第6ステージはVANSEVENANT Mauri (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)が着用)
37歳のニバリが今季限りでの引退を発表
ジロ・デ・イタリアで2度総合優勝しているイタリアのヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ カザクスタン チーム)が、出身地であるメッシーナのゴール後に、今季で現役を引退すると発表した。彼は現在37歳で、前日に行われたエトナ山頂ゴールの第4ステージで5分近く遅れてゴールしていた。
「立ち去る時が来たと思う。ジロがメッシーナに到着して、家族や友達に囲まれるまで、この決定を公式にするのを待ちたかった。遅かれ早かれ、この瞬間は来るのだし、何年も犠牲にしてきたもの、まず第一に家族にもっと沢山の時間を捧げる時が来たんだ」と、ニバリは語っている。