頂上ゴールのジロ・デ・イタリア2022第9ステージはヒンドリーが区間優勝

  • photo LaPresse / © BORA - hansgrohe / Sprintcycling

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月15日にイゼルニアをスタートし、アッペンニーノ山脈にある標高1665mのブロックハウス(カテゴリー1)頂上にゴールする191kmの第9ステージを競い、オーストラリアのジャイ・ヒンドリー(ボーラ・ハンスグローエ)が区間優勝した。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ヒンドリー(右)が頂上ゴールのスプリント勝負を制した (photo : LaPresse)

 
区間2位はフランスのロマン・バルデ(チームDSM)、3位はエクアドルのリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアズ)だった。総合リーダーのマリア・ローザを着ていたスペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)は、残り8kmでメイン集団から遅れたが、総合首位の座は守る事ができた。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■カテゴリー1頂上ゴールでマリア・ローザを死守したJ・ロペス (photo : LaPresse)


逃げたローザが山岳賞のマリア・アッズーラを獲得

ジロ・デ・イタリア2022

■第9ステージのコースプロフィール (MAP : RCS Sport)

 

第9ステージは167選手が出走。スタートしてすぐに始まったカテゴリー3の上りで5人がアタックし、そこに加わっていたディエゴ・ローザ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)がそのまま逃げて山岳賞ポイントを稼ぎ続けた。

2カ所目の峠で先頭のローザにジョー・ドンブロウスキー(アスタナ・カザクスタン チーム)とナトナエル・テスファツィオン(ドローンホッパー・アンドローニジョカットリ)が追いつき、下りで更に選手が合流して、逃げは9人になった。

レース後半にあったカテゴリー1のランチャーノ峠で、先頭はローザとテスファツィオンの2人になった。ゴールまで残り45kmの山頂はローザが先頭で通過し、40ポイントを獲得して山岳賞総合首位に立った。ランチャーノ峠の下りコーナーでテスファツィオンはコースアウトして転倒し、先頭はローザ1人になった。

残り21kmでドンブロウスキーとナンス・ペテルス(AG2R・シトロエン チーム)がローザに追いつき、先頭は3人になったが、イネオス・グレナディアズが引く集団は50秒後方に迫っていた。残り20kmでドンブロウスキーがアタックして単独で逃げ続けたが、ブロックハウスの登坂が始まる前に集団に捕まってしまった。

13.6km続くブロックハウスの登坂が始まると、集団の先頭はルイ・コスタ(UAEチーム・エミレーツ)が引き始め、トム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ)やジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)が遅れてしまった。更に残り12kmを切った所では、優勝候補の1人だったサイモン・イェーツ(チームバイクエクスチェンジ・ジャイコ)が遅れ始めた。彼は右膝を負傷していた。


マリア・ローザのロペスが遅れた

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■ポートがカラパスのために集団の先頭を引いた (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り11kmで、先頭集団は30人ほどに絞られていた。コスタが仕事を終えると、イネオス・グレナディアズが先頭を引き始め、山岳賞のマリア・アッズーラを着たクーン・ボーマン(ユンボ・ヴィスマ)が遅れ始めた。残り8kmでマリア・ローザを着たロペスは他の選手と接触して足を付き、先頭グループから遅れてしまった。

先頭はリッチー・ポート(イネオス・グレナディアズ)が引き始めると、更に小さくなり、11人になった。そこから残り4.6kmでカラパスがアタックし、付いて行けたのはバルデとミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス)だけだった。この時、マリア・ローザのロペスは30秒遅れていた。

カラパス、バルデ、ランダはそのまま3人でゴールに到着するかと思われたが、残り2kmでヒンドリー、アルメイダ、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が追いついた。後から合流した3人は一度引き離されたが、残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、もう一度先頭に合流した。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■カラパスのアタックに付いて行くバルデとランダ (photo : LaPresse)

 
最後はコーナーを曲がった後の残り500mで、先頭に出たヒンドリーがそのままスプリントを開始。カラパスとバルデが追い上げたが、フィニッシュラインでヒンドリーを追い抜く事はできなかった。彼は総合2位になった2020年のジロで区間優勝しており、これが2度目の勝利だった。

マリア・ローザのロペスは1分45秒遅れでゴールしたが、先頭グループでゴールしたアルメイダに、たった12秒差で総合首位の座を死守する事ができた。16日の月曜日は2度目の休養日となる。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ヒンドリーが勝ったのは、2020年ジロでの区間優勝以来だった

  
■区間優勝したヒンドリーのコメント
「上りでずっと調子が良いと感じていなかったから、ただ生き残る努力をしていた。最後の数kmが平坦なのは知っていた。最後のカープで先頭を取らなければならない事も知っていた。それから、全力を尽くした。去年は辛い時間を過ごした。だからここで勝って…言葉にならないよ」

■マリア・ローザを死守したJ・ロペスのコメント
「サム・オーメン(ユンボ・ヴィスマ)に謝りたい。我々は接触した後、ボクは片足を付かなければならず、ボトルを投げてしまった。初めてジロに来て、マリア・ローザを獲得するとは思っていなかった。だから(ゴールで)マッサージャーがまだこれをキープしていると言った時は信じられなかった。すごく疲れているけど、幸運にも明日は休養日だ」
 

ジロ・デ・イタリア2022

■逃げたローザが山岳賞のマリア・アッズーラを獲得した (photo : LaPresse)

 

■第9ステージ結果
[5月15日/イゼルニア~ブロックハウス/191 km]
1. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) 5:34:44
2. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA)
3. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU)
4. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP)
5. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
6. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0:03
7. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +0:16
8. NIBALI Vincenzo (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA) +0:34
9. VALVERDE Alejandro (MOVISTAR TEAM / ESP) +0:46
10. ARENSMAN Thymen (TEAM DSM / NED) +0:58

11. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +1:18
12. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:08
15. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) +1:46
19. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +4:34
33. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED) +10:53
34. YATES Simon (TEAM BIKEEXCHANGE – JAYCO / GBR) +11:15

■第9ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 37:52:01
2. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:12
3. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +0:14
4. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:15
5. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:20
6. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +0:28
7. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:29
8. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0:54
9. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:09
10. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:22

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ROSA Diego (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第10ステージはGONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) が着用)

ジロ・デ・イタリア2022

(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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