ジロ・デ・イタリア2022第10ステージはギルマイが区間初優勝

  • photo LaPresse

イタリアで開催中の第105回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、休養日明けの5月17日にペスカーラからイェーズィまでの196 kmで丘越え区間の第10ステージを競い、エリトリアのビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が、ゴールスプリントでオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)を下し、グランツール区間初優勝を果たした。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■ギルマイがファンデルプールをゴールスプリントで下した (photo : LaPresse)

 
区間3位はイタリアのヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(エオロ・コメタ サイクリングチーム)だった。総合リーダーのマリア・ローザは、スペインのフアンペドロ・ロペス(トレック・セガフレード)が守った。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■マリア・ローザはJ・ロペスが守った (photo : LaPresse)

 
休養日明けの第10ステージは166選手が出走。アドリア海岸沿いを北上するルートで、途中2017年に事故で亡くなったミケーレ・スカルポーニ(イタリア)が、生前住んでいたフィロットラーノを通過し、ゴールのイェーズィは彼の生まれた町だった。

スタートしてすぐにアタックが始まり、5km地点でアレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・プルミエテック)、マッティーア・バイス(ドローンホッパー・アンドロニジョカットリ)、ラウレンス・ナーセン(AG2R・シトロエンチーム)が逃げ出した。

後半に入ってカテゴリー4の丘越えが始まると、集団からはケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)やマーク・カヴェンディッシュ(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)のようなスプリンターたちが遅れ始めた。

ゴールまで残り55kmで、ファンデルプールが機材故障で自転車を交換して1分近く遅れたが、彼は自力で集団に戻った。集団はアルペシン・フェニックスとアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーがコントロールし続け、逃げは残り21kmで全員吸収された。
 

ジロ・デ・イタリア2022

■故スカルポーニが生前住んでいたフィロットラーノを通過する集団 (photo : LaPresse)

 
ゴールまで残り12kmで、最後の上り坂だったモンサノ(カテゴリー4)がスタートし、区間優勝を狙うチームと総合を争いチームがアタックを開始し、先頭グループは頂上で20人ほどに絞られた。ここにアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオーはギルマイ、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ、ロレンツォ・ロータの3人が残っていたが、アルペシン・フェニックスはファンデルプール1人だった。

ファンデルプールは残り7kmでアタックしたが、逃げ切る事はできなかった。最後はゴールスプリントになり、最初にスプリントを開始したギルマイをファンデルプールが後ろから追い上げる形になったが、追い抜く事はできず、ファンデルプールはフィニッシュライン目前で諦めてしまった。

アフリカの小国エリトリア出身の選手がグランツールで区間優勝したのは、もちろん史上初の快挙だった。彼は1979年に区間優勝した南アフリカのアラン・ファンヘールデンに続いて、アフリカ出身として2人目のジロ区間優勝者になった。ギルマイは今年3月にベルギーのヘント~ウェヴェルヘム・イン・フランダース・フィールズ(UCIワールドツアー)でも初優勝し、アフリカ初の北のクラシック優勝者になっている。

■故郷エリトリアに初のグランツール区間優勝をもたらしたギルマイのコメント
「区間優勝するという願望を持ってこのジロをスタートした。今日はチーム全員がボクのために引いてくれた。それは総合成績を狙う選手もで、ポッツォヴィーヴォは最後に素晴らしかった。残り600mで彼は「来い」と言った。彼は勝つためにボクを手助けしてくれたんだ。自分が歴史を作っていると気付いているが、それはチームと家族のお陰だ。彼らには本当に感謝している」
 

ジロ・デ・イタリア2022

■アフリカの小国エリトリアに初のグランツール区間優勝をもたらしたギルマイ (photo : LaPresse)

 
■第10ステージ結果

[5月17日/ペスカーラ~イェーズィ/196 km]
1. GIRMAY Biniam (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX /ERI) 4:32:07
2. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-FENIX / NED)
3. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
4. KELDERMAN Wilco (BORA – HANSGROHE / NED)
5. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU)
6. BOUWMAN Koen (JUMBO-VISMA / NED)
7. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA)
8. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP)
9. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR)
10. SCHMID Mauro (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / SUI)

■第10ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP) 42:24:08
2. GONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:12
3. BARDET Romain (TEAM DSM / FRA) +0:14
4. CARAPAZ Richard (INEOS GRENADIERS / ECU) +0:15
5. HINDLEY Jai (BORA – HANSGROHE / AUS) +0:20
6. MARTIN Guillaume (COFIDIS / FRA) +0:28
7. LANDA MEANA Mikel (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +0:29
8. POZZOVIVO Domenico (INTERMARCHÉ – WANTY – GOBERT MATÉRIAUX / ITA) +0:54
9. BUCHMANN Emanuel (BORA – HANSGROHE / GER) +1:09
10. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) +1:22

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):DEMARE Arnaud (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):ROSA Diego (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LOPEZ PEREZ Juan Pedro (TREK – SEGAFREDO / ESP)
(※第11ステージはGONÇALVES ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) が着用)

ジロ・デ・イタリア2022

■表彰式でスプマンテの栓が左目を直撃するアクシデントがあり、ギルマイは記者会見を欠席して病院へ直行した (photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

ジロ・デ・イタリア2022はJ SPORTSで全21ステージ生中継&LIVE配信!

チクリッシモ no.65 選手名鑑2022 好評発売中!