JCFが全日本選手権2022個人ロードレースWE+WU23 実施見送りを発表
日本自転車競技連盟(JCF)は、2022年6月23日(木)~26日(日)に開催予定の「第90回 全日本自転車競技選手権大会ロード・レース」のうち、6月25日 (土)に実施予定の「個人ロード・レース WE(女子エリート)+WU23(女子23歳未満)」の開催を見送ることを決定した。
個人ロード・レース WE+WU23の順延については現在検討中だが、現時点での見通しは立っていない。また、実施見送り決定の経緯において、大会特別規則を一部変更した。
日本自転車競技連盟からの発表は以下のとおり。
第90回 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
個人ロード・レース WE+WU23 実施見送りおよび特別規則変更について
■実施見送り対象レース
第90回 全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
個人ロード・レース WE+WU23(6月25日(土)開催予定)
■特別規則の変更
「大会特別規則」「個人ロード・レース特別規則」第2項
「2. チームカーは競技に随行できない」の削除
■実施見送りの理由とおもな経緯
本大会は、昨年2021年に続き、広島県中央森林公園サイクリングロードで行われます。このコースはこれまでも自転車競技大会で利用されてきていますが、全般的に幅員が狭く、下り坂で見通しの悪いワインディング部分も多々あり、競技管理のために四輪車などの車両を多数いれると選手に危険を及ぼす可能性の高いコースとして認識されています。そのため、2021年大会に引き続き、本年の大会においても、チーム関係者の運転するチームカーの競技中の走行を認めない特別規則としておりました。
本年6月10日、女子エリートレースにエントリーしていた選手(以下 選手A)から、公益財団法人日本自転車競技連盟(以下JCF)に対して「大会特別規則」「個人ロード・レース特別規則」の「2. チームカーは競技に随行できない」の取消しを求める要請がありました。
これに対して、JCFはロード部会によって再度当該特別規則を検証しましたが、検証の結果、当該特別規則を設けた目的であるレースの安全性確保ができないと判断したため、特別規則の変更は認められないと回答しました。
これを受けて、選手Aが公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下 JSAA)に当該特別規則の取消を求めて、6月10日にJCFを被申立人として緊急仲裁を申し立てました。 審理の結果、6月18日、JSAAは選手Aの申し立てを認め、JCFに対して当該特別規則変更を制定する決定を取り消すという内容の仲裁判断がなされました。
仲裁判断を受け、JCFは当該特別規則の変更を決定し、当該特別規則を削除しました。 しかしながら、女子レースの参加予定者数は現時点で35名・29チームであり、すでに走行が予定されている10台あまりの審判・競技運営車両に加えて、最大29台のチームカーが同時にコース上を走行する状態は、選手と車両の接触事故、車両同士の接触事故のあるいはこれらの複合的な多重事故など、重大な危険の発生が予想されます。
当該特別規則を削除して1チーム1台のチームカーを運行させることは、レースの安全性を著しく損なうため、大会主催者であるJCFはレースを開催すること自体不適切と判断し、選手・観客・関係者の安全を第一に優先するために、JCFは上記仲裁判断に関係するレースの開催を見送ることを決定いたしました。
■補足
(1) 当該特別規則「2. チームカーは競技に随行できない」を設けた理由
全日本選手権大会は個人エントリーをベースとする大会であるものの、アクシデントに備えてチームカーのサポートを受けたいとの選手からの要望を受け、2017年からは一部のカテゴリでチームカーの走行を認めてきています。
しかしながらチームカーの走行可否は、コース特性(道幅、勾配、ワインディング度合い、見通しの善し悪し、ブラインドコーナーの多寡等)と運転者のライセンス保持状況や運転技量の熟成度合いなどを総合的に勘案して判断する必要があります。
本レース会場の過去の事故検証およびコース、道路幅員等を検証した結果、2021年度開催大会より当会場においてはチームカーの走行を認めない特別規則としております。
(2) 対象レース以外の開催について
対象レース以外のレースは全て予定通り実施予定です。
(6月25日(土)の開催レースは個人ロード・レース MU23 のみ)
(3) 対象レースの今後について 対象レースの今後については検討事項であり、現時点で具体的な開催時期・会場等の見通しは立っておりません。
(5) 対象レース参加予定選手の対応について 納入済みの参加料は追って返金します。