ツール・ド・フランス2022がデンマークで開幕 初日TTはランパールトがサプライズ優勝
世界最大の自転車レースである第109回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)が、7月1日に北欧デンマークの首都コペンハーゲンで開幕した。
初日はコペンハーゲン市街地で、13.2kmの個人タイムトライアルが競われ、あいにくの雨天となったが、ベルギーのイヴ・ランパールト(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が、サプライズな勝利を収め、最初のマイヨ・ジョーヌを獲得した。
区間2位は5秒差でベルギーのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)、3位は7秒差でスロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)だった。
コペンハーゲンは個人タイムトライアルが行われる時間帯に雨が降る予報が出ていたため、各チームは総合を争う選手たちを、チームの中で早めに走らせるオーダーで臨んだ。しかし、競技が始まる2時間前から雨は降り出し、23カ所のコーナーがある市街地の路面はウエットで滑りやすくなっていた。
チーム内で最初に走ったオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)は、すぐにトップタイムを出し、ホットシートに収まった。その後、64番目にスタートしたTT世界チャンピオンのフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアス)がファンデルプールよりも3秒速いタイムを出し、暫定トップに立った。
しかし、その直後にゴールしたヴァンアールトは、あっさり世界チャンピオンを打ち負かしてしまった。続いてゴールしたポガチャルは2秒及ばず、ヴァンアールトが最初のマイヨ・ジョーヌを獲得するだろうと誰もが確信していた。
ところが105番目にスタートしたランパールトは、中間計測地点でヴァンアールトよりも2秒遅いタイムだったにもかかわらず、最後は5秒差を付けてゴールし、トップに躍り出た。その後、彼のタイムを脅かす選手はもう誰も居なかった。
ベルギーTTチャンピオンに2度なっている31歳のランパールトが、ツールで区間優勝したのは初めてだった。彼はツールの初日個人タイムトライアルを制してマイヨ・ジョーヌを獲得した4人目のベルギー人になった。
■初日個人TTを制してマイヨ・ジョーヌを獲得したランパールトのコメント
「トップ10に入る事を望んでいて、それでも素晴らしかっただろう。けれど、今、ボクは世界の全ての最高の選手たちを打ち負かしてしまった。ボクはベルギーから来たただの農夫で、これは予想外だった。信じられない。自分の調子が良いのは知っていたが、ツール・ド・フランスの、とりわけ第1ステージで勝つのは、決して夢にも思わなかった事だった。
ボクが走った時、まだ道路は濡れていたから、優勝候補たちと条件は同じだったと思う。少なくとも1日は、マイヨ・ジョーヌを着ているだろう。でも、明日はヤコブセンのために走るだろう。これが現実だと思えるのはツールが終わった時か、あるいは多分月曜日にガールフレンドと息子に会った時だろう。新型コロナでツールを走れなかった親友のティム・デクレルクとこの瞬間を分かち合いたい」
■第1ステージ結果
[7月1日/コペンハーゲン(デンマーク)~コペンハーゲン(デンマーク)/13.2 km ]
1. YVES LAMPAERT (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 15′ 17” (平均時速: 51.821km/h)
2. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 00′ 05”
3. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 00′ 07”
4. FILIPPO GANNA (INEOS GRENADIERS / ITA) + 00′ 10”
5. MATHIEU VAN DER POEL (ALPECIN – DECEUNINCK / NED) + 00′ 13”
6. MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN) + 00′ 15”
7. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) + 00′ 15”
8. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 00′ 16”
9. BAUKE MOLLEMA (TREK – SEGAFREDO / DEN) + 00′ 17”
10. DYLAN TEUNS (BAHRAIN VICTORIOUS / BEL) + 00′ 20”
■第1ステージの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. YVES LAMPAERT (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 15′ 17”
2. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 00′ 05”
3. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 00′ 07”
4. FILIPPO GANNA (INEOS GRENADIERS / ITA) + 00′ 10”
5. MATHIEU VAN DER POEL (ALPECIN – DECEUNINCK / NED) + 00′ 13”
6. MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN) + 00′ 15”
7. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) + 00′ 15”
8. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 00′ 16”
9. BAUKE MOLLEMA (TREK – SEGAFREDO / DEN) + 00′ 17”
10. DYLAN TEUNS (BAHRAIN VICTORIOUS / BEL) + 00′ 20”
[各賞]
■ポイント賞:YVES LAMPAERT (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)
(※第2ステージは WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) が着用)
■新人賞:TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績:JUMBO – VISMA (NED)
第2ステージは海峡を渡る18kmの橋を通過
7月2日はデンマークのロスキレからニューボウまでの202.2 kmで、平坦区間の第2ステージが行われる。首都コペンハーゲンがあるシェラン島からフュン島へ移動する為、終盤にはグレート・ベルト海峡に架けられた18kmの橋を通過し、集団は強風の影響を受ける可能性がある。