ツール・ド・フランス2022 第13ステージはピーダスンが区間初優勝
フランスで開催中の第109回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月15日にブールドワザンからサンテチェンヌまでの193kmで、平坦区間の第13ステージを競い、デンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)が、逃げ切った3選手でのゴールスプリントを制し、グランツールで区間初優勝を果たした。
区間2位は英国のフレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位はカナダのユーゴ・ウル(イスラエル・プルミエテック)だった。集団は5分45秒遅れでゴールし、デンマークのヨーナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)がマイヨ・ジョーヌを守った。
バルギルが新型コロナ陽性
第13ステージは158選手が出走。フランスのワレン・バルギル(チームアルケア・サムシック)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、スタートできなかった。彼は2日前の山岳区間で逃げて、敢闘賞を獲得していた。
最初に越えたカテゴリー3の丘で、フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアズ)、シュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)、マッテーオ・ジョーゲンセン(モビスターチーム)が逃げ出し、30km地点の頂上はガンナが先頭で通過した。51km地点でピーダスン、ウル、クイン・シモンズ(トレック・セガフレード)、ライトが追いつき、先頭の逃げは7人になった。最初の1時間の平均時速は51.6km/hだった。
集団はアルペシン・フェニックスとロット・スーダルが先頭を引いたが、101.6km地点の中間スプリントでタイム差は1分半開いていた。集団ではコーナーでケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)が落車する事故が発生。彼はすぐレースに復帰したが、集団に戻る事はできなかった。
先頭の逃げグループでは、ゴールまで残り12.5kmの丘でピーダスンがアタックし、ライトとウルが追いついた。この時集団とのタイム差は2分半あった。ゴールスプリントになれば不利だと分かっているウルとライトはアタックをかけ続けたが、成功しなかった。
最後は2019年のロード世界チャンピオンであるピーダスンが、3人でのゴールスプリントを難なく制し、ツール区間初優勝を勝ち取った。これで今年のツールでのデンマーク人の区間優勝は3勝になった。
■区間初優勝したピーダスンのコメント
「信じられない。遂に探していた勝利を獲得した。ツールに来て、自分の調子が良いのは分かっていたが、最初の1週間は好機を逃した。今日はチャンスを掴んだ。報酬を得るのは本当に素晴らしい。チームとして我々は区間狙いの選手だけで来ていたから、1勝できて安心した。
逃げに4人以上の選手が居たら、我々も入り、ボクが入るという計画だった。しかし長い間、これは失敗で、集団に捕まるだろうと思った。でも、それは皆にとって大変だった。とても長い一日だったからね。残り12kmで、先頭グループには大勢居すぎると思ったから、アタックを試みた。幸運にも逃げは分断したから、コントロールは簡単になったよ」
■第13ステージ結果
[7月15日/ブールドワザン~サンテチェンヌ/193 km]
1. MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN) 4h 13’ 03’’
2. FRED WRIGHT (BAHRAIN VICTORIOUS / GBR)
3. HUGO HOULE (ISRAEL-PREMIER TECH / CAN)
4. STEFAN KÜNG (GROUPAMA – FDJ / SUI) + 00’ 30’’
5. MATTEO JORGENSON (MOVISTAR TEAM / USA) + 00’ 30’’
6. FILIPPO GANNA (INEOS GRENADIERS / ITA) + 00’ 30’’
7. WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL) + 05’ 45’’
8. FLORIAN SENECHAL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / FRA) + 05’ 45’’
9. LUCA MOZZATO (B&B HOTELS – KTM / ITA) + 05’ 45’’
10. ANDREA PASQUALON (INTERMARCHE – WANTY – GOBERT MATERIAUX / ITA) + 05’ 45’’
■第13ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JONAS VINGEGAARD (JUMBO – VISMA / DEN) 50h 47’ 34’’
2. TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO) + 02’ 22’’
3. GERAINT THOMAS (INEOS GRENADIERS / GBR) + 02’ 26’’
4. ROMAIN BARDET (TEAM DSM / FRA) + 02’ 35’’
5. ADAM YATES (INEOS GRENADIERS / GBR) + 03’ 44’’
6. NAIRO QUINTANA (TEAM ARKEA – SAMSIC / COL) + 03’ 58’’
7. DAVID GAUDU (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 04’ 07’’
8. THOMAS PIDCOCK (INEOS GRENADIERS / GBR) + 7’ 39’’
9. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 09’ 32’’
10. ALEKSANDR VLASOV (BORA – HANSGROHE / RUS) + 10’ 06’’
[各賞]
■ポイント賞:WOUT VAN AERT (JUMBO – VISMA / BEL)
■山岳賞 : SIMON GESCHKE (COFIDIS / GER)
■新人賞:TADEJ POGACAR (UAE TEAM EMIRATES / SLO)
■チーム成績:INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞 : MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN)
第14ステージは終盤にジャラベールの山
7月16日はサンテチェンヌからマンドまでの192.5kmで、丘越え区間の第14ステージが行われる。終盤にはジャラベールの山として親しまれる、カテゴリー2のコート・ド・ラ・クロワ・ヌーヴを上る。