女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第4戦そでがうらサマーサイクルロードフェスタ・レポート

目次

千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて2022年7月23日(土)、女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2022-2023シーズン第4戦「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催された。

この大会は株式会社マトリックスのサイクルロードレース協会東日本が主催するもので、夏の恒例レースとして人気が高い。特に今回は夏休み最初の週末ということもあり、レースと併せて多くのブース出展があり、参加者や観客達はひと足早い夏祭り気分で楽しんでいた。

QNリーグ2022第4戦

夏の強い日差しのなか、スタートを待つ中学生レース出場選手たち

QNリーグ2022第4戦

ブース出展のなかには、Q・Nリーグ協賛社もいくつか展開。ビオレーサーは、東京五輪ロードレースでも話題を呼んだ新素材ジャージ「グラフェン」などを実際に触れたり、試着ウェアを着られたりしてカスタムオーダーに対応していた。株式会社隼のアスリチューン・ブースでは、製品開発者でもある三上慶将氏から直接アドバイスを受けることができ、レース前後やレース中の補給に利用されていた。

袖ケ浦フォレストレースウェイは、1周 2.4kmのサーキットコース。普段は車のサーキットとして開放している一方で、自転車レースのコースとしてもお馴染み。特に周長があまり長くないので、大人から子供まで幅広いクラスに対応できるのが魅力だ。

さらに安全対策とレース攻略として吉井功治氏が特別講師を勤め、レースの合間におこなわれるコース試走中に随時クリニックを実施する形でレース直前の対策を学べる体制となっていた。

 

中学生レース2位の工藤健太がNリーグ・ポイントリーダー

QNリーグ2022第4戦

QNリーグ2022第4戦

朝から快晴で非常に気温が高いなか、120分エンデューロからレースがスタート。その後カテゴリー別レースが開始し、昼前の10時35分に中学生 Nリーグ男子Nが対象となる中学生レースがスタート。今回は33人のエントリーとなった。

スタートラインの中央には、前回のリーグシリーズ第 3戦で Nリーグポイントリーダーとなった宮嵜博己(チーム BMレーシング)がポイントリーダーの証「バトルマリンジャージ」を着て陣取る。

実は朝から筆者は会場にいたのだが、コース試走の前から嬉しそうに宮嵜選手がバトルマリンジャージを着ている姿が微笑ましく、リーグ側としては誇らしくありがたい。 そんな宮嵜選手を先頭に 12㎞=5周のレースはスタート。

最初の周回までは大きな集団が 1つとなっていたが、周回を重ねていくうちに集団の人数が少しずつ絞られていく。朝から猛烈な暑さによる消耗の激しさ、加えて風がゴール方向に向かって追い風となっていたこともあり、ゴールスプリントのようにギリギリに持ち込むより、少し早めに思い切って飛び出す選手が出るのでは?と予想していた。

そして残り 1周に入るときには 17人にまで集団は人数を減らし、ゴール前の長いホームストレートを早めに抜け出した野嵜然新(RACING TORQUE)が頭 1つ抜け出して先着し優勝を決めた。

その後ろでの集団ゴールスプリントで頭を取り2位となった工藤健太(ブラウ・ブリッツェン U15)が、リーグ登録選手の中ではトップとなり大量ポイントを獲得。宮嵜選手からバトルマリンジャージを奪い初のポイントリーダーに輝いた。なおリーグ登録選手は全員、ゴールまでメイン集団に残り素晴らしい走りを魅せた。

QNリーグ2022第4戦

ポイントリーダー授与式では少し照れながらもうれしそうにバトルマリンジャージに袖を通した工藤選手。
「リーグのポイントリーダーになれたのはうれしいけどレースでの2位は悔しい。もっと思い切って行きたかった。この後のレースでも勝ってリーダーを守りたいので、もっと練習します!」と力強いコメントをくれた。

 

 

QNリーグ2022第4戦

更に授与式には前ポイントリーダー宮嵜選手も来て、「リーダー奪われて悔しいです!また奪います!」とコメント、今後の Nリーグポイントリーダーを巡る良きライバル対決が益々楽しみになってきた。

 

レディースレース5位の山田菜月がQリーグ・ポイントリーダー

QNリーグ2022第4戦

QNリーグ2022第4戦

午後からは高校生以上女子対象のQリーグと中学生Nリーグの女子 NW対象のレディースレースがスタート。こちらは16人がエントリー。

スタートにはQリーグのポイントリーダー岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン U15)が前シリーズ戦で初めて獲得したポイントリーダーの証「アメジストジャージ」を着用しスタンバイ。昨年までは中学生選手として Nリーグポイントリーダーとして活躍したが、今年からは高校生選手としての更なる活躍も楽しみだ。

そんな岡本選手を先頭にして、9.6㎞=4周のレースがスタート。最初の周回から数名が集団から遅れ9人に。更にレース半分を過ぎたところで渡部春雅(明治大学)が1人で飛び出す展開に。彼女は現役大学生選手としてロードや MTBで活躍、シクロクロスでは 2021年・全日本選手権女子エリートチャンピオンでもある。朝の120分レースも走り、その時にはチームマトリックス監督の安原氏が引くペースに喰らいつける段違いの走力。これには申し訳ないが誰も付いていけない。ゴールでは追いかける後続集団に23秒という大差をつけて優勝を果たした。

QNリーグ2022第4戦

レース前、招集で写真撮影に応じるアメジストジャージ姿の Qリーグ岡本(右)とNリーグ篠塚(左)。リーグの垣根を越えた活躍にも期待!

 

優勝を決めた渡部選手を追いかける集団は6人でのゴールスプリントとなり、先着で2位となったのはNリーグの篠塚萠依(AVENTURA)。リーグには遅れての登録となったため初のポイント獲得がうれしい 28ポイントの大量獲得となった。

更に、Qリーグでは前回のシリーズ戦「わたらせクリテリウム」でも善戦していた山田菜月(Team 一匹狼)が5位となり、Qリーグではトップ。チームメイトの根本香織が 7位、前リーダーの岡本が8位となったためポイントを分け合う形となり、合計で48ポイントに山田と根本、僅差 43ポイントで岡本が続く結果となった。

そして、リーグのランキングルール「同点の場合は最終戦を除き最新レース上位を優位」のため、今シリーズ戦の順位が上となった山田選手が初のQリーグポイントリーダーに決定した。

QNリーグ2022第4戦

Qリーグポイントリーダー授与式では、笑顔で愛車とともに登場した山田菜月。初めて袖を通すアメジストジャージに緊張しながらも、仲間からの祝福に応えて、「リーダージャージを着るのは初めてでうれしい。もっと起伏のあるコースのほうが得意なので、8月のツール・ド・はなわで頑張りたいと思います!」と今後のリーグ戦に意欲を見せた。

なお、Nリーグの中学生女子NWポイントリーダーは、前回に続き大矢彩雲(ブラウブリッツェン U15)が合計76ポイントとなり防衛した。今後もポイントリーダージャージのチカラを発揮しながら、レースでの活躍が期待される。

QNリーグ2022第4戦

写真左より Qリーグ山田、Nリーグ工藤、NW大矢の各・現ポイントリーダー

 

 

QNリーグ2022第4戦

今大会のポイントリーダー授与式においても、QNリーグ・各ポイントリーダー賞として「アメジストジャージ」「バトルマリンジャージ」の各リーダージャージ提供はビオレーサー、副賞提供は武田レッグウェアー株式会社、株式会社隼、アイリス株式会社、そしてリーグ登録選手全員に株式会社アミックグループから試供品が提供された。

 

第6戦〜第8戦のエントリー受付中

女子Qリーグ、ジュニアNリーグの2022-2023シリーズ戦。
次戦は7月30日(土)、わたらせサイクルパークにて「第2回わたらせクリテリウム」を開催する。

今後のレースについても、順次エントリーを受付中。

2022年8月28日(日)
第6戦「第5回ツール・ド・はなわ2022」(福島県)

2022年9月3日(土)
第7戦「第3回わたらせクリテリウム」(栃木県)

2022年9月10日(土)
第8戦「秋のしもふさクリテリウム」(千葉県)

http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html
※こちらのリンク先には、最新ポイントランキング表や現ポイントリーダーのご紹介も掲載しています。

 

<レポート概要>
写真撮影:QNリーグ事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:株式会社マトリックス、サイクルロードレース協会東日本