ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 頂上ゴールの第6ステージはヴァインが初優勝/エヴェネプールが総合首位
スペインで開催中の第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月25日に北部バスク州のビルバオから、カンタブリア州のピコ・ハノ(カテゴリー1)頂上までの181.2kmで第6ステージを競い、オーストラリアのジェイ・ヴァイン(アルペシン・ドゥクーニンク)が独走で逃げ切ってプロ初優勝となる区間初優勝を果たした。
区間2位は15秒遅れでベルギーのレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)、3位はスペインのエンリク・マス(モビスターチーム)だった。
スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が居たメイン集団は、1分37秒遅れでゴールしたが、総合首位のラ・ロハを着たフランスのリュディ・モラール(グルパマ・FDJ)は、5分以上遅れてゴール。区間2位に入ったエヴェネプールが総合首位になり、真紅のラ・ロハを獲得した。
第6ステージは178選手が出走。チェコのヤン・ヒルト(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオー)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、出走しなかった。スタートからアタックがかかり、14km地点で10人が逃げ出す事に成功した。
レースは後半、雨が降り出した。ゴールまで残り40kmの、コリャダ・デ・ブレネス峠でウクライナのマルク・パドゥン(EFエデュケーション・イージーポスト)が逃げ集団からアタックし、独走を開始した。彼はゴールになっていたピコ・ハノのふもとで、世界チャンピオンのジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ アルファヴィニル チーム)が引くメイン集団に1分弱のタイム差を付けていた。
12.6km続くピコ・ハノは前半の坂がキツかった。そこでメイン集団からダヴィデ・ヴィッレッラ(コフィディス)、エリー・ジェベール(チームアルケア・サムシック)、ヴァインがアタックした。ヴァインは単独で先頭のパドゥンを追い、ゴールまで残り6.5kmで彼を追い抜いて先頭に立った。
メイン集団では残り9kmからエヴェネプールがペースを上げ、付いて行けたのはマスだけだった。2人は霧の中、先頭のヴァインを追ったが、追いつく事はできなかった。
独走で逃げ勝った26歳のヴァインは、2020年のズイフト・アカデミーで優勝し、アルペシン・フェニックスとの契約を勝ち取った選手だった。
■プロ初優勝をブエルタで果たしたヴァインのコメント
「ほとんど非現実的だ。逃げを逃し、最初の5kmでパンクした。最後の10kmで総合争いのグループからこれが出来たなんて現実とは思えない。去年はとても近い所まで行ったから、今年はたくさん働いた。夢が叶ったよ。パドゥンがまだ前を走っているのは知っていて、タイム差を詰めるには遠くから行かなければならなかった。ボクは総合で13分遅れていたから良かった」
■ラ・ロハを獲得したエヴェネプールのコメント
「本当に嬉しい。リーダーになるのは誇らしいよ。大きな夢が叶った。とても長い間、一生懸命働いてきたのはこのためだ。今日ボクが見せたものは、おそらくボクが自転車の上で行った最高の出来事の1つだ。上り坂のゴールでこんな強いパフォーマンス発揮できたのはチームのお陰だ。これが、我々がブエルタに居る理由だ。我々は今日見せた事を誇りに思うし、この良い気分を維持できる事を望んでいる」
■第6ステージ結果
[8月25日/ビルバオ~アセンシオン・アル・ピコ・ハノ(サン・ミゲル・デ・アグアヨ)/181.2km]
1. JAY VINE (ALPECIN – DECEUNINCK / AUS) 04h 38′ 00”
2. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) + 00′ 15”
3. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 15”
4. JUAN AYUSO PESQUERA (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 00′ 55”
5. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 01′ 37”
6. PAVEL SIVAKOV (INEOS GRENADIERS /FRA) + 01′ 37”
7. TAO GEOGHEGAN HART (INEOS GRENADIERS /GBR) + 01′ 37”
8. JAI HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 01′ 37”
9. CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS >ESP) + 01′ 37”
10. SIMON PHILIP YATES (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / GBR) + 01′ 37”
25. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS /ECU) + 02’ 59’’
35. RUDY MOLARD (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 05’ 06’’
■第6ステージまでの総合成績
1. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 20h 50’07’’
2. RUDY MOLARD (GROUPAMA – FDJ / FRA) + 00′ 21’’
3. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 00′ 28’’
4. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 01’ 01’’
5. JUAN AYUSO PESQUERA (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 01’ 12’’
6. PAVEL SIVAKOV (INEOS GRENADIERS /FRA) + 01’ 27’’
7. TAO GEOGHEGAN HART (INEOS GRENADIERS /GBR) + 01’ 27’’
8. CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS >ESP) + 01′ 34’’
9. SIMON PHILIP YATES (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / GBR) + 01′ 52’’
10. JOAO PEDRO GONÇALVES ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 01′ 54’’
19. RICHARD CARAPAZ (INEOS GRENADIERS /ECU)+ 02’ 56’’
[各賞]
■ポイント賞:SAM BENNETT (BORA – HANSGROHE / IRL)
■山岳賞:VICTOR LANGELLOTTI (BURGOS-BH / MON)
■新人賞:REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)
■チーム成績:UAE TEAM EMIRATES (UAE)
■敢闘賞: MARK PADUN (EF EDUCATION – EASYPOST / UKR)