Jプロツアー第22戦 秋吉台カルストロードレースでオールイス・アルベルトが優勝!2019チャンピオンに
2019年のJプロツアー全22戦の最後は「秋吉台カルストロードレース」。その名のとおり、日本最大のカルスト台地である秋吉台を貫く通称「カルストロード」を舞台とするレースだ。荒涼とした風景の中、なだらかなアップダウンが続くカルストロードと、残り1km付近からフィニッシュラインまで続く「カルストベルグ」と名付けられた激坂を含む1周29.5kmのコースは、レースグレード最上位の「プラチナ」に指定されるに相応しいハードコース。
そして今年は、個人総合優勝とチーム総合優勝が最終戦の結果によって決まるという、近年では珍しいケースとなった。個人総合優勝を争うのは、マトリックスパワータグのオールイス・アルベルトと、宇都宮ブリッツェンの岡篤志。22戦中21戦を終えてのポイント差は118ポイント。このレースでは優勝と2位では225ポイントの差がつくので、勝った方がチャンピオンとなる。
一方、マトリックスパワータグとTEAM BRIDGESTONE Cyclingのチーム総合優勝争いは、前日の「維新やまぐちタイムトライアル」のチームタイムトライアルを制したTEAM BRIDGESTONE Cyclingが119p差に肉薄。逆転可能な差で最終戦を迎えた。
5周147.5kmのレースは、スタート直後のアタック合戦から6人が飛び出す。さらにその中から、1周目のカルストベルグで木村圭佑(シマノレーシング)、佐藤信哉(VC福岡)、水野恭平(eNShare-エルドラード)の3人が先行する。
メイン集団は、岡の逆転個人総合優勝を狙う宇都宮ブリッツェンと、逆転チーム総合優勝を狙うTEAM BRIDGESTONE Cyclingがコントロール。2周目には3分近くまで差が開く。そのメイン集団から石原悠希(Honda栃木)が単独で飛び出して合流し、先頭集団は4名となる。
3周目に入ると、メイン集団が先頭集団との差を1分30秒前後まで詰める。カルストベルグの登りに入ると佐藤と水野が遅れ、木村と石原の2人が先頭で4周目に入っていく。その後メイン集団はさらに差を詰め、4周目後半を前に木村と石原を吸収する。
ひとつになった集団はなおも宇都宮ブリッツェンとTEAM BRIDGESTONE Cyclingがコントロール。4回目のカルストベルグの登りに入ると、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)がアタック。この動きで、岡とオールイスを含む20名前後まで絞られるも、最終周回に入って後方からの合流が相次ぎ、30人ほどの集団にまとまる。
残り10km、前半に逃げていた木村が再度アタックするも、勝負を決める動きにはならず。集団はひとつのまま最後のカルストベルグに入ると、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がアタック。後続との差を一気に開いて上っていくが、マンセボ、オールイス、岡らが追走して吸収する。最後はオールイスと岡の勝負となり、オールイスが先着して優勝し、自ら個人総合優勝を決めた。さらにマンセボが3位、ホセ・ビセンテ・トリビオが6位に入り、マトリックスパワータグがチーム総合優勝も決め、個人とチームのダブルタイトルを達成した。
Jプロツアー第22戦
第3回JBCF秋吉台カルストロードレース
日付:2019年10月6日
開催地・コース:山口県美祢市 Mine秋吉台ジオパークセンターkarstar前をスタート・ゴールとする1周29.5kmの周回コース
距離:147.5km(JPT)、29.5km(F)、59km(E)
結果 JPT 147.5km
1位 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ) 3時間57分21秒
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +1秒
3位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +6秒
4位 石橋 学(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +16秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +16秒
6位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +22秒
敢闘賞
水野恭平(eNShare-エルドラード)
地元賞
1回目:佐藤信哉(VC福岡)
2回目:水野恭平(eNShare-エルドラード)
中間スプリントポイント
1周回完了時 水野恭平(eNShare-エルドラード)
3周回完了時 石原悠希(Honda栃木)
Jプロツアー2019年個人総合優勝:オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ)
U23賞:今村駿介
チーム総合優勝:マトリックスパワータグ
文/写真 一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟