ブエルタ・ア・エスパーニャ2022 個人TTの第10ステージはラ・ロハのエヴェネプールが初優勝

  • photo Unipublic / ©SprintCycling / ©Quick-Step Alpha Vinyl / ©Justin Setterfield  / Getty Images

スペインで開催中の第77回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、休養日明けの8月30日に南部バレンシア州のエルチェからアリカンテまでの30.9kmで、個人タイムトライアルを競う第10ステージを行い、ベルギーTTチャンピオンであるレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が、総合リーダーのラ・ロハを着てグランツール区間初優勝を上げた。
 

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■ラ・ロハを着て個人TTを制したエヴェネプール (©SprintCycling)

 
最終走者だったエヴェネプールは、暫定トップになっていたスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)のタイムを48秒上回った。ブエルタの個人タイムトライアルで、総合3連覇中のログリッチを打ち負かしたのはエヴェネプールが初めてだった。ベルギーの選手がブエルタの個人タイムトライアルで優勝したのは、1979年のフォンス・ドウォルフ(個人タイムトライアル)、1987年のジャンリュック・ヴァンデンブルック(プロローグ)以来だった。
 

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■グランツール区間初優勝し、ベルギーTTチャンピオンジャージで表彰台に上がったエヴェネプール (photo : ©Quick-Step Alpha Vinyl / ©Justin Setterfield  / Getty Images)

 
区間3位にはこの日44番目にスタートし、ログリッチに抜かれるまで暫定トップタイムを守ってホットシートに座り続けたフランスのレミ・カヴァニャ(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が入った。

個人タイムトライアルを終え、総合成績は4連覇を目指すログリッチが総合2位になったが、総合リーダーのエヴェネプールとのタイム差は2分41秒に開いた。個人タイムトライアルで1分51秒失い、総合2位から3位へと後退したスペインのエンリク・マス(モビスターチーム)は、総合での遅れが3分3秒になった。

第10ステージは156選手が出走。マティアスノースガール・ヨルゲンセン(モビスターチーム)、ジャラード・ドリズナーズとハリソン・スウィーニー(ロット・スーダル)、イーサン・へイター(イネオス・グレナディアズ)、ホセ・エラダ(コフィディス)、サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、エドアルド・アッフィーニ(ユンボ・ヴィスマ)は病気、フロリス・デティール(アルペシン・ドゥクーニンク)はサドルソアでスタートしなかった。

■念願だったグランツール区間初優勝を果たしたエヴェネプールのコメント
「(ログリッチより48秒上回ったと聞かされ)凄いな、とても驚いた。チームメイトのカヴァニャがとても良かったのを見た。良いタイムが分かったから、彼があんなに良いタイムトライアルをしてくれたのは、ボクとって完璧だった。バスで座っていた時、皆後半のタイムが落ちているのが分かった。平坦でとてもハードなゴールだったから、ずっとプッシュし続けなければならないのは分かっていた。最後の上りでボクの脚はとても重かった。実際本当にハードだった。

でも、このタイムトライアルをラ・ロハで勝てたのは本当に素晴らしい。素晴らしい気分だ。とても高速のタイムトライアルになるだろうと分かっていた。区間優勝できてとても嬉しい。夢を叶えたと思う。そして今、我々はこのブエルタで勝つために戦い、トライするよ。プレッシャーはなくなった。区間1勝したからね。チーム全体がとても自信を持っている。皆とても良いパフォーマンスをしている。我々はこのリーダージャージを守り、(チームの本拠地がある)地元のウィーブルヘムに持ち帰るために戦わなければならない」
 

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■個人TTで圧勝したエヴェネプールは総合でのリードも広げた (photo : ©Quick-Step Alpha Vinyl / ©Justin Setterfield  / Getty Images )

 
■第10ステージ結果[8月30日/エルチェ~アリカンテ/30.9km]

1. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 33′ 18” (55.7km/h)
2. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 00′ 48”
3. RÉMI CAVAGNA (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / FRA) + 01′ 00”
4. CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 01′ 22”
5. PAVEL SIVAKOV (INEOS GRENADIERS / FRA) + 01′ 27”
6. G LAWSON CRADDOCK (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / USA) + 01′ 37”
7. SIMON PHILIP YATES (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / GBR) + 01′ 42”
8. TAO GEOGHEGAN HART (INEOS GRENADIERS /GBR) + 01′ 46”
9. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / COL) + 01′ 47”
10. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01′ 51”

15. JOAO PEDRO GONÇALVES ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 02′ 13”
17. JUAN AYUSO PESQUERA (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 02′ 17”
44. JAI HINDLEY (BORA – HANSGROHE / AUS) + 03′ 48”

■第10ステージまでの総合成績
1. REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL) 34h 02′ 32”
2. PRIMOŽ ROGLIČ (JUMBO – VISMA / SLO) + 02′ 41”
3. ENRIC MAS (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03′ 03”
4. CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) + 03′ 55”
5. SIMON PHILIP YATES (TEAM BIKEEXCHANGE-JAYCO / GBR) + 04′ 50”
6. JUAN AYUSO PESQUERA (UAE TEAM EMIRATES / ESP) + 04′ 53”
7. JOAO PEDRO GONÇALVES ALMEIDA (UAE TEAM EMIRATES / POR) + 06′ 45”
8. MIGUEL ANGEL LOPEZ )ASTANA QAZAQSTAN TEAM / COL) + 06′ 50”
9. PAVEL SIVAKOV (INEOS GRENADIERS / FRA) + 07′ 06”
10. TAO GEOGHEGAN HART (INEOS GRENADIERS /GBR) + 07′ 37”

[各賞]
■ポイント賞:MADS PEDERSEN (TREK – SEGAFREDO / DEN)
■山岳賞:JAY VINE (ALPECIN – DECEUNINCK / AUS)
■新人賞:REMCO EVENEPOEL (QUICK-STEP ALPHA VINYL TEAM / BEL)
(※第11ステージは CARLOS RODRIGUEZ CANO (INEOS GRENADIERS / ESP) が着用)
■チーム成績:INEOS GRENADIERS (GBR)
■敢闘賞: –

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ公式サイト

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