JCL2022第7戦 キナン古座川ロードレースはアール ネイサンがスプリント勝利
ジャパンサイクルリーグ(JCL)が主催する自転車ロードレース「三菱地所 JCLプロロードレースツアー2022」の第7戦となるキナン古座川ロードレースが2022年9月3日(土)、古座川町内ロードレースコース(和歌山県古座川町)にて開催された。
41.6kmのコースを3周する124.8kmで行われたレースはチーム右京 相模原のアール ネイサンが優勝。 また、3位入賞を果たした山本大喜(キナンレーシングチーム)が地元の期待に応える力走を魅せた。
初開催となるキナン古座川ロードレース。開催地である古座川町の9割が山と川で、地形をダイナミックに活かしたコースが特徴的。なかでも登坂距離6km、平均勾配4%を有する下露峠が勝負どころとなる。下り区間もテクニカルであることから、体力、技術ともに優れた総合力の高い選手が上位を占めることが予想された。
古座川に臨む一枚岩を脇に選手たちはスタートラインに集結。スターターを務めた西前啓市町長の激励を受けて1周41.6kmのコースを3周回・124.8kmのレースへと繰り出した。
レースは1周目から激しく動き、登坂区間に差し掛かるとチーム右京 相模原勢がハイペースを刻む。このペースに耐えかねた選手たちがドロップしていき、KOMを前に集団は完全に崩壊した。
下り区間を終えると、山本大喜(キナンレーシングチーム)、宇賀隆貴、アール ネイサン、ダイボール ベンジャミン(チーム右京 相模原)が先頭集団を形成。 後続に約1分の差をつけながら2周回目へと突入した。
再び登坂区間に差し掛かると、セカンドグループからマルコス ガルシア(キナンレーシングチーム)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、石橋学(チーム右京 相模原)がペースアップ。頂上からの下りで先頭グループに加わり、合計7人となる。
精鋭が揃った先頭グループは順調にローテーションを回しながら最終ラップへ。最終周回も勝負どころとなったのはやはり登坂区間。早々にギヤを上げたマルコス、ネイサンが先行し、増田、山本大喜がわずかに遅れて山頂へ。先頭をゆくマルコスが下り区間を単独で抜け出すとそのままリードを稼ぐ。
下りと平坦で追い上げた増田、山本大喜がネイサンに合流すると3人でマルコスへの合流を目指す。ネイサンと増田の強力な追走により、マルコスへの合流を果たした。数的優位となったキナンは、チームメイトの山本大喜にスプリント勝負を託し、マルコスが先頭を牽引。最終局面へと向かう。
残り300m地点、増田が得意の距離からロングスパートを仕掛けるとネイサン、山本大喜が順に続く。じわじわと差を詰めてきたネイサンがわずかに増田を交わして先着。 数々の国際レースを制してきたオールラウンダーがJCL初勝利を飾った。
2位に続き、JCLポイントを加算した増田はイエロージャージをキープ。3位入賞を果たした山本大喜は地元の期待に応える形で表彰台の一角を固めた。
優勝したアール ネイサン(チーム右京 相模原)のコメント:
「暑くてとてもハードなレースでしたね。そんななかでもチームメイトがうまく動いてくれました。負けるわけにはいきませんでしたね。とても難易度の高いコースでしたが素晴らしいコースレイアウトにリスペクトを感じました。僕らもいいレースができましたし。 僕はピュアスプリンターではないし、キナンの選手が2人もいたので、できればスプリントの展開には持ち込みたくはなかったです。でも結果的にチームに勝利をもたらすことができたことは良かったですね。 」
2位・増田成幸(宇都宮ブリッツェン)のコメント:
「最終周回はマルコス、ネイサン両選手が上りの麓からいいペースで行ったが、自分は追い込めるペースで上りました。幸い下りきったあたりでネイサン選手に追いつくことができたので、最後の展開に繋げることができました。最後のスプリントについてはうまくイン側を突き、先行することができましたが、自分も足がいっぱいいっぱいでした。わずかな差でしたが、ネイサン選手が強かったですね。 」
3位・山本大喜 (キナンレーシングチーム)のコメント:
「レース運び自体は良かったと思います。マルコスが最後牽引してくれていい形でスプリントに持ち込めていたのですが、ただ最後勝てなくて悔しい結果になってしまった。最後のスプリント勝負はネイサン選手に力があるとわかっていたので警戒していたが力が及ばなかった。反省もふまえてスプリントの力を上げていきたいと感じました。 」
【リザルト】
キナン古座川ロードレース 平均速度 39.05km/h
1位 アール ネイサン(チーム右京 相模原)3:11’45”
2位 増田成幸 (宇都宮ブリッツェン)st
3位 山本大喜 (キナンレーシングチーム)st
4位 マルコス ガルシア (キナンレーシングチーム)+0’07”
5位 ダイボール ベンジャミン(チーム右京 相模原)+1’37”
6位 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)+2’21”
7位ホセ ビセンテ トリビオ(マトリックスパワータグ)+2’22”
8位 石橋学(チーム右京 相模原) +2’22”
9位 フランシスコ マンセボ(マトリックスパワータグ)+2’26”
10位 阿曽圭佑(ヴィクトワール広島)+2’26”
JCL各賞リーダージャージ表彰
イエロージャージ(個人ランキングトップ)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
ブルージャージ(スプリント賞)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
レッドジャージ (山岳)
アール ネイサン(チーム右京 相模原)
ホワイトジャージ(新人賞)
渡邊諒馬(VC福岡)
地元特別表彰
キナンMVP賞:山本大喜(キナンレーシングチーム)
ヒトノハSPRINT賞:アール ネイサン(チーム右京 相模原)
川嶋鉄工所山岳賞:アール ネイサン(チーム右京 相模原)
フローリスト花はる新人賞:渡邊諒馬(VC福岡)
大会概要
タイトル:第7戦キナン古座川ロードレース
開催日:2022年9月3日(土)
開催地:和歌山県古座川町内ロードレースコース 41.6 km × 3周=124.8km
ツアー主催:一般社団法人ジャパンサイクルリーグ
ツアー運営:株式会社ジャパンサイクルリーグ
ツアー後援:経済産業省、自転車活用推進本部、スポーツ庁
大会主催:一般社団法人ジャパンサイクルリーグ、古座川ロードレース実行委員会
【YouTube配信】三菱地所 JCL プロロードレースツアー 2022 第7戦キナン古座川ロードレース