女子Qリーグ、中学生Nリーグ 2022-2023第7戦わたらせクリテリウム・レポート

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サイクルロードレースの女子リーグ「クイーン・リーグ(Qリーグ)」、中学生リーグ「ニュー・エイジ・リーグ(Nリーグ)」2022-2023シーズン第7戦:第3回わたらせクリテリウムが2022年9月3日(土)、栃木県栃木市・藤岡渡良瀬運動公園のわたらせサイクルパークで開催された。

QNリーグ2022 第7戦

photo:QNリーグ事務局

 

前日まで悪天候の天気予報であった会場は、当日の朝こそ曇り空だったが風は穏やかで雨予報消えてコンディションは良好。午前はビギナーやスポーツなど18才以上の実力別カテゴリー、昼に女子とキッズ、午後は主催である宇都宮ブリッツェンの意向で国際基準に合わせカテゴリー分けをしたエスポワールレース、ラストは今大会最上位カテゴリーのエキスパートというスケジュールもお馴染みになってきた。

このように育成と強化を考えた大会で、リーグシリーズ戦としては「女子スポーツ(8周)」をQリーグ、「エスポワール A」と「エスポワール B」を Nリーグ中学生男子Nと中学生女子NWの各対象レースとした。

QNリーグ2022 第7戦

photo:宇都宮ブリッツェン事務局

QNリーグ2022 第7戦

photo:QNリーグ事務局

QNリーグ2022 第7戦

photo:QNリーグ事務局

 

とくに中学生が 2つのカテゴリーに分かれる今大会では、それぞれのカテゴリーにリーグポイントを付与することにした。これにより中学1年でも「エスポワール B」の成績でポイント大量獲得のチャンスが生まれる「わたらせクリテリウム」だけの特典だ。

コースは今春、渡良瀬川の河川敷に開設されたばかりの自転車公園「わたらせサイクルパーク」の周回コースを利用し、前大会と同じく1周回 1.1kmの設定。そのため普段からトレーニングで走れる会場で開催する、この「わたらせクリテリウム」が今後も続くことで、出場する選手達には新たな世界に繋がる聖地となる日を夢見て、この日も果敢にレースに挑んでいた。

今大会は豪華なゲストライダーも魅力の1つ。今回は大会アンバサダーチームの宇都宮ブリッツェンからゲスト来場の予定が、前日になり急遽、那須ブラーゼンの新開隆人選手と金子大介選手に決定。解説やレース前のニュートラル走行の先導を務めるだけでなく、特に金子選手がコミカルな魅力も発揮し会場を和ませていた。

QNリーグ2022 第7戦

エキスパートCで優勝した成瀬奏音(中央)をインタビューする那須ブラーゼン・新開(左)と金子(右)photo:宇都宮ブリッツェン事務局

 

Qリーグは根本香織がポイントリーダーに

QNリーグ2022 第7戦

女子スポーツ、レーススタート前。左より武田和佳奈、根本香織(Team一匹狼)、廣瀬博子(サイタマサイクルプロジェクト)photo:宇都宮ブリッツェン事務局

 

レースは9時30分からの男子ビギナーからスタートし、Qリーグ対象レースの「女子スポーツ」は11時50分からのスタート。

エントリーは今回も3人と女子選手の参加数が伸び悩んでいるが、現在 Qリーグのポイントランキング同率2位で、今レースでのリーダー奪還を狙うTeam一匹狼の根本香織、そして昨年のQリーグ総合ポイントリーダーであり、前回大会で見事に優勝を決めた廣瀬博子(さいたまサイクルプロジェクト)が参戦した。

ブラーゼン金子選手のエスコートでニュートラル走行を1周回ってきてから改めてスタートラインに整列し、コースを8周回するレースは定刻スタート。3人ということもあり、お互いをマークした集団のままで進行。若干ゴールストレートに入った時のみ廣瀬がペースを上げる程度で、先頭を交代しながら集団は崩れずに残り1周回へ。

その残り1周回に入る手前のゴールストレート前コーナーで、先ずは根本がアタック。しかし決定打とならなかったうえに、カウンターアタックで廣瀬が先行。これが見事に決まってゴールまで逃げ切り2連覇を果たした。

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残り 1周での逃げをそのまま生かして2連覇を果たした廣瀬 photo:宇都宮ブリッツェン事務局

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今大会より女子スポーツと男子エキスパートの優勝選手には、会場の渡良瀬遊水地をイメージしたチャンピオンジャージ「マイヨ・クオーレ」が進呈される photo:宇都宮ブリッツェン事務局

 

 一方で最初にアタックした根本は力を使い果たしたのか、残り1周でもう1人の選手にも抜かれ惜しくも3位に沈んだ。だがQリーグではトップポイントを獲得し、初戦「春のしもふさクリテ」以来のアメジストジャージとポイントリーダーの座を掴み取った。

レース後、根本は「残り 1周を目前に思い切ってアタックしてみたけど、思ったより引き離せなかった。もっと早く仕掛けたかったが動けなかった。とても難しかった!」とコメント。さらに午前の部の表彰式の後、ポイントリーダー授与式で「完敗でした。でも次回の“しもふさ”でリベンジしたい」と悔しさとともに、1週間後の次戦「秋のしもふさクリテリウム」への意気込みも込めて語ってくれた。

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Qリーグ・ポイントリーダー 根本香織(Team一匹狼)photo:QNリーグ事務局

 

Nリーグは工藤健太がポイントリーダーの座を死守

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エスポワール Bスタート前の注意喚起をおこなうブラウ・ブリッツェン鈴木真理コーチ photo:宇都宮ブリッツェン事務局

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エスポワール Bのスタートを待つ選手達 photo:宇都宮ブリッツェン事務局

 

午後からはエスポワールの各クラスがスタート。
Nリーグ対象レースでは、先ず14人のエントリーのエスポワール Bが午後2時20分からスタート。全6周回のレースは序盤からNリーグ登録の中学 1年生、前回大会で 3位となった成瀬謙汰(ウィンディー筑波)が単独で抜け出し、さらにその後を1人が追う。この動きに反応できた選手達がまとまり6人の集団となる。

このままで先行がNリーグ・成瀬、そして大塚翔太が 2人で逃げ続け、後続6人のまま残り2周回へ。この時の逃げと追う6人とのタイム差は約15秒となっていた。この後も逃げの2人は脚を緩めることがなく、逆に追う6人の集団が崩壊、2人と4人に分かれてしまう。

残り1周は逃げの2人から成瀬が単独で抜け出してゴール、優勝とNリーグのトップポイント28P獲得を果たし、Nリーグランキング4位に浮上した。

QNリーグ2022 第7戦

ゴール後の勝利者インタビューに答える成瀬(右から2人目)photo:QNリーグ事務局

 

ゴール後のコメントでは、ゲストライダーの金子選手から「最初から逃げて、思わず憧れる良い走りだった。スタート前から決めていたの?」と聞かれた成瀬が「こう走ろう、と決めて走った。本当は最初から 1人で逃げたかった」と今後の活躍も期待できる強さを語った。

QNリーグ2022 第7戦

バトルマリンジャージで最前列に並ぶ工藤(左端)と、そのリーダージャージ奪還を狙うライバル達が並ぶエスポワール Aスタート前 photo:QNリーグ事務局

 

続くレースはエスポワール A。こちらは8周回のレースが10人でスタート。
最初の1周目は嵐の前の静けさであったが、2周目から早速、動きが出る。先ずはNリーグ登録の井上湧心ともう1人が先行すると、それに続いて 7人が動き周回ごとにペースが上がる展開に。そのため、周回の度に1人、また1人と集団から脱落し、5人までに絞られる。

残り2周回で一旦、先行集団5人のペースが落ち着き、残り1周までキープ。ゴールスプリントで早めの駆け出しに成功した宇田川瀬那(スミタエイダイ・パールイズミ・ラバネロ)が優勝、Nリーグのトップポイント28P獲得し、合計81Pでランキング2位まで上昇した。

QNリーグ2022 第7戦

ゴールスプリントを見事に差し切った宇田川 photo:宇都宮ブリッツェン事務局

QNリーグ2022 第7戦

勝利者インタビューに答える宇田川 photo:QNリーグ事務局

 

さらに2位に入った宮嵜博己(チーム BMレーシング)が合計 80Pでランキング3位に。そしてスタート前にバトルマリンジャージで登場しリーダー死守を賭けた工藤健太(ブラウ・ブリッツェンU15)はレース4位で合計83Pとなり、リーダーの座の防衛に成功した。

なおレース3位に序盤で動いた井上が入り、エスポワール Aの表彰台はNリーグ登録選手が独占するなど、午後のレースも大いに盛り上げた。

QNリーグ2022 第7戦

エスポワール A表彰式。左より 3位・井上、優勝・宇田川、2位・宮嵜 photo:QNリーグ事務局

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Nリーグ・ポイントリーダーの工藤健太(ブラウ・ブリッツェンU15)photo:宇都宮ブリッツェン事務局

 

締めの男子エスポワールレース後でおこなわれた表彰式に続く、Nリーグポイントリーダー授与式を前に工藤は、残り1周回でお互いに睨み合い状態となった中で「できれば(集団から抜け出て)逃げたかった。ゴールスプリントの形にする前に自分で何とかしたかった」と反省。しかし来週のリーグ次戦を目指して「次回は優勝を目指して、しっかりと調整していきます!」と力強いコメントをくれた。

最後はプレゼンターとして参加したゲストライダーやMC達、そしてジュニア選手達とともに笑顔で記念撮影。両リーグとも 2位以降のポイント差が拮抗し今後のシリーズ戦への楽しみも残した大会は無事に終了した。

QNリーグ2022 第7戦

良きライバルであり仲間達、次回の活躍にも期待! photo:宇都宮ブリッツェン事務局

QNリーグ2022 第7戦

最後に記念撮影、皆様お疲れ様でした! photo:QNリーグ事務局

 

 

今大会のポイントリーダー授与式においても、QNリーグ・各ポイントリーダー賞として「アメジス トジャージ」「バトルマリンジャージ」の各リーダージャージ提供はビオレーサー、副賞ご提供は武田レッグウェアー株式会社、株式会社隼、アイリス株式会社、そしてリーグ登録選手全員に株式会社アミックグループから試供品が提供された。

QNリーグ2022 第7戦

写真左よりQリーグ根本、Nリーグ工藤、NW大矢の各・現ポイントリーダー

 

Qリーグ(高校生以上女子)リーダー:根本 香織(Team 一匹狼)・76p

Nリーグ・N(中学生男子)リーダー:工藤 健太(ブラウブリッツェンU15)・83p

Nリーグ・NW(中学生女子)リーダー:大矢 彩雲(ブラウブリッツェンU15)・104p

※同点の場合、最終戦を除き最新レース上位を優位とします。

 

第9戦 大磯クリテリウム、エントリー受付中

今後のQNリーグシリーズ第8戦は今週末、9月10日(土)に千葉県成田市・下総運動公園で開催の「秋のしもふさクリテリウム」となる。
https://autumn-shimofusa.powertag.jp/

10月16日(日)の大磯クリテリウム(神奈川県)は、10月9日(日)までエントリー受付中。
QNリーグ・シリーズ戦のレース日程はこちら。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/race-profile.html

Qリーグ・Nリーグの登録はこちら。
https://gicz.jp/open/qn2223t3

 

<レポート概要>
写真撮影:QNリーグ事務局・宇都宮ブリッツェン事務局
テキスト:須藤むつみ(QNリーグ事務局)
協力:宇都宮ブリッツェン、わたらせサイクルパーク