2022UCIロード世界選 男子エリートのロードレースはベルギーのエヴェネプールが初優勝
南半球のオーストラリア南東部、シドニー近郊のウロンゴンで開催されていた2022年UCIロード世界選手権は、9月25日の最終日に男子エリートのロードレースを競い、ベルギーのレムコ・エヴェネプール(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)が独走で逃げ切って初優勝した。
ベルギーが世界選で勝ったのは、2012年のフィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)以来、ちょうど10年ぶりだった。2位はフランスのクリストフ・ラポルト(ユンボ・ヴィスマ)、3位は開催国オーストラリアのマイケル・マシューズ(チームバイクエクスチェンジ・ジェイコ)だった。
優勝候補のファンデルプールが30kmでリタイア
ロード世界選最終日は晴天に恵まれ、50カ国の169選手がシドニー近郊のヘレンズバラをスタートした。1周17kmのウロンゴン・サーキットのフィニッシュラインを最初に通過した直後、優勝候補の1人だったオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)が、スタートからたった30kmでレースを棄権する番狂わせが起きた。
ベルギーのTV局スポルザによれば、ファンデルプールは大会前夜にホテルの部屋の外で騒いだ若者たちともめて、地元警察に一時逮捕されてしまい、ほとんど眠る事ができなかったという。
序盤の逃げ集団にベルギーはピーテル・セリー(クイックステップ・アルファヴィニル チーム)を送り込んでいた。そしてゴールまで残り75kmでメイン集団からアタックした19人のグループには、エヴェネプールを含めた3人のベルギー選手が加わっていた。彼らはすぐ逃げグループに追いつき、強力な先頭集団が形成された。
そこからゴールまで残り34.8kmの、残り2周に突入する直前の短く急峻な坂でエヴェネプールがアタックした時、付いて行けたのはカザフスタンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・カザクスタン チーム)だけだった。2人は追走グループに30秒ほどのタイム差を付けて逃げ続けた。
ところが残り26kmのプレザント山の坂で、ルツェンコはあっけなくエヴェネプールに蹴落とされてしまった。そこから独走を開始したエヴェネプールは、2分以上の大差を付けて男子エリートの世界タイトルを手中に収めた。世界選で優勝者が2位に2分以上の差を付けたのは、1968年以来の出来事だった。
■22歳で世界チャンピオンになったエヴェネプール(ベルギー)のコメント
「これは夢だ。信じられない。モニュメント(リエージュ~バストーニュ~リエージュ)とグランツール(ブエルタ・ア・エスパーニャ)の後で、世界選も勝ったんだ。今年は夢に見ていたレースで全部勝ったけど、こんなシーズンがもう一度来るかはわからないから、全ての瞬間を楽しみたいよ。長い1年だったけど、こんな風に締めくくるのは素晴らしい」
動いた後、ルツェンコが一緒だったから1人になりたいと思った。だから次は上りでもう一度アタックした。そして一旦差を付けた後は、ただプッシュし続けた。最終周回では自分の脚が爆発しているのを感じていたが、ゴールが近づいているのは分かっていたので、かなり自信があった。アルカンシエルを勝ち取るのは夢に見てきた事で、ゴールに到着して自分が達成した事を知り、鳥肌が立った」
■ロードレース・男子エリート結果
[9月25日/ヘレンズバラ~キーラ山~ウロンゴン・サーキット/266.9km]
1. EVENEPOEL Remco (BEL) 6:16:08
2. LAPORTE Christophe (FRA) +2:21
3. MATTHEWS Michael (AUS) +2:21
4. van AERT Wout (BEL) +2:21
5. TRENTIN Matteo (ITA) +2:21
6. KRISTOFF Alexander (NOR) +2:21
7. SAGAN Peter (SVK) +2:21
8. BETTIOL Alberto (ITA) +2:21
9. HAYTER Ethan (GBR) +2:21
10. JENSEN Mattias (DEN) +2:21
39. ARASHIRO Yukiya (JPN) +3:01
[ウロンゴン世界選 日程]
9月18日(日) 個人タイムトライアル・女子エリート(ウロンゴン/34.2km)
9月18日(日) 個人タイムトライアル・男子エリート(ウロンゴン/34.2km)
9月19日(月) 個人タイムトライアル・男子アンダー23(ウロンゴン/28.8km)
9月20日(火) 個人タイムトライアル・女子ジュニア(ウロンゴン/14.1km)
9月20日(火) 個人タイムトライアル・男子ジュニア(ウロンゴン/28.8km)
9月21日(水) チームタイムトライアル・混合リレー(ウロンゴン/28.2km)
9月23日(金) ロードレース・男子ジュニア(ウロンゴン・サーキット/135.6km)
9月23日(金) ロードレース・男子アンダー23(ウロンゴン・サーキット/169.8km)
9月24日(土) ロードレース・女子ジュニア(ウロンゴン・サーキット/67.2km)
9月24日(土) ロードレース・女子エリート(ヘレンズバラ~キーラ山~ウロンゴン・サーキット/164.3km)
9月25日(日) ロードレース・男子エリート(ヘレンズバラ~キーラ山~ウロンゴン・サーキット/266.9km)
■サイスポ・ニュース:ブエルタ・ア・エスパーニャ2022でベルギーのエヴェネプールが総合初優勝