ジャパンカップクリテリウム2019でベルギーのトゥーンスが初優勝

  • photo 田中苑子、滝沢佳奈子

ジャパンカップサイクルロードレース(アジアツアー1.HC)の前哨戦であるジャパンカップクリテリウムが、10月19日に栃木県宇都宮市で開催され、トレック・セガフレードのエドワード・トゥーンス(ベルギー)が、バーレーン・メリダのソンニ・コルブレッリ(イタリア)を集団ゴールスプリントで打ち負かして初優勝した。3位はオーストラリア・クリテリウムチャンピオンのブレントン・ジョーンズ(デルコ・マルセイユプロヴァンス)だった。

 

ジャパンカップクリテリウム2019

優勝はトレック・セガフレードのエドワード・トゥーンス

 

第10回大会は9周回の終わりに集団で大きな落車事故があり、レースが一時止められる前代未聞のハプニングが発生したが、最後は集団でのゴール勝負になった。この影響で最後のスプリント賞はキャンセルになった。

 

ジャパンカップクリテリウム2019

最終周回のスプリント

 

残り5周回から仕切り直しで再スタート

今年のジャパンカップクリテリウムには国内外から集った22チームの126選手が出走。当初は雨の予報だったが午前中には上がり、曇り空の下をスタートした。2周目に飛び出した米国のニールソン・パウレス(チームユンボ・ビスマ)が集団に僅かの差を付けて逃げ続け、4周目完了時にかけられていたスプリント賞を獲得した。

集団はバーレーン・メリダが列車を作って引き続け、6周目で一度逃げを捕まえたが、パウレスは再びアタックして先行した。8周目でスペインのフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が飛び出し、周回完了時にかけられていた2度目のスプリント賞を獲得した。

しかし、次の9周目の終了間際で大きな落車が発生し、40人以上の選手が巻き込まれて遅れてしまった。落車を逃れた選手たちはレースを続行して10周目に突入したが、競技審判はレースを中断して選手たちを止めた。1つになった集団はコントロールラインへと誘導され、レースは残り5周回で再スタートすることになった。

たった5周で競われることになったレースは、逃げが決まることなく最終周回に入り、新城幸也(バーレーン・メリダ)がコルブレッリの為に先頭を引いて見せ場を作ったが、最後は別府史之(トレック・セガフレード)がトゥーンスの牽引役を務めた。その働きに応えるように、最後はトゥーンスとコルブレッリがフィニッシュラインで車体を投げてスプリントを競った。トゥーンスはすぐに片手を上げて勝利をアピール。写真判定はそれが正しかったことを証明した。

■2019ジャパンカップクリテリウムで初優勝したトゥーンスのコメント
「本当にとても素晴らしい。僅差のスプリントだったから勝ててすごく嬉しいよ。落車した選手たちが問題がないことを願っている。落車後の決定は良かったが、再スタートで最後は本当にハードだった。エンジン全開だったよ。ボクたちはスプリントに持ち込むためにレースをコントロールし続け、最後にフミは本当に良い仕事をしてくれた。チームの為に勝てて本当に良かった。

最初ボクは自分が勝ったと思った。でもその後、大型スクリーンでゴール映像を観て、100%の確信が持てなくなった。その数分後に、ボクが勝ったとフミが教えてくれたんだ。ボクは日本語がわからないからね」

 

■2019ジャパンカップクリテリウム結果[10月19日/宇都宮市/11.25km]
1. THEUNS Edward (TREK – SEGAFREDO / BEL) 13’33”
2. COLBRELLI Sonny (BAHRAIN – MERIDA / ITA)
3. JONES Brenton (DELKO MARSEILLE PROVENCE / FRA)
4. PENG Yuan Tang (LJUBLJANA GUSTO SANTIC / TPE)
5. MAGOSAKI Daiki (TEAM BRIDGESTONE CYCLING / JPN)
6. CANOLA Marco (NIPPO – VINI FANTINI – FAIZANÉ / ITA)
7. KIRBY Quinten (WILDLIFE GENERATION PRO CYCLING P / B MAXXIS / USA)
8. SUZUKI Ryu (UTSUNOMIYA BLITZEN / JPN)
9. SAWADA Keitaro (TEAM BRIDGESTONE CYCLING / JPN)
10. KOROŠEC Rok (LJUBLJANA GUSTO SANTIC / SLO)

【スプリント賞】
POWLESS Neilson (TEAM JUMBO – VISMA / USA)
MANCEBO PEREZ Francisco (MATRIX POWERTAG / ESP)

※第10回ジャパンカップクリテリウムは参加選手の40人以上が巻き込まれる落車事故で中断後、それまでのレースが全てキャンセルとなり、残り5周回の11.25kmで競われた。但し、すでに確定していた2回のスプリント賞はキャンセルされずに授与された。

 

 

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