スペインのバスク州で開幕するツール・ド・フランス2023コース発表

  • photo A.S.O. / Etienne Coudret / Maxime Delobel

アモリー・スポール・オルガニザシオン(ASO)は10月27日に、フランスの首都パリのパレ・デ・コングレで第110回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)のコース発表会を行った。
 

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■ツール・ド・フランス2023のコース発表会がパリのパレ・デ・コングレで行われた (photo : A.S.O. / Maxime Delobel)


スペイン北部バスク州で開幕

来年のツール・ド・フランスは、スペイン北部のバスク州が開幕地(グランデパール)になる。ツールが隣国スペインのバスク州からスタートするのは、1992年のサン・セバスティアン以来、史上2度目で、ツールが外国で開幕するのは25回目となる。

初日はビスカヤ県のビルバオがスタートとゴールになる182kmの丘越えステージで、ピカソの絵で有名なゲルニカ村を訪れる。ツールがビルバオを訪れるのは初めてだ。ゴールは勾配5%の坂の頂上にあり、最初のマイヨ・ジョーヌはパンチャータイプの選手が獲得する事になりそうだ。

第110回大会ではバスク州の3つの県が全てコースに組み込まれ、第2ステージはアラバ県のビトリア・ガステイスをスタートし、ビスケー湾に面したギブスコア県のサン・セバスティアンでゴール。山岳クラシックとして有名なクラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアーの)のコースになっているハイツキベル山を終盤に通過する丘越えステージだ。

第3ステージはビスカヤ県のアモレビエタ・エチャノからスタートし、海岸沿いのルートでフランスへと越境し、バイヨンヌにゴールする平坦ステージになっている。


序盤からピレネー山岳ステージ

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●第5ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

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●第6ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
フランス南西部に隣接するスペインのバスク州が開幕地となる第110回大会は、1週目からピレネー山脈に挑むレイアウトになった。最初の山岳区間はスーデ峠とマリー・ブランク峠を越える第5ステージだ。翌日の第6ステージは、アスパン峠とツールマレー峠を越え、標高1344mのコテレ・カンバスク頂上にゴールする。

ピレネー山脈で2ステージを競った後は中央山塊を目指し、1週目は標高1415mのピュイ・ド・ドーム頂上にゴールする第9ステージで締めくくられる。ツールが中央山塊のピュイ・ド・ドームを訪れるのは35年ぶりだ。

2週目は中央山塊の丘越えステージで始まり、アルプス山脈を目指してフランスを縦断する。週の後半は山岳3連戦が設定され、革命記念日の7月14日に行われる第13ステージは、標高1501mのグラン・コロンビエール頂上にゴールする。ジュラ山脈のグラン・コロンビエールは全長17.4kmの上り坂で、平均勾配は7.1%だ。

そしてモン・ブランのスキーリゾート地、サン・ジェルヴェにゴールする第15ステージで2週目は終わる。このステージはいくつもの峠を越えた後、全長7.7kmで平均勾配7.2kmの坂を上り、標高1372mにゴールする。
 

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●第14ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

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●第15ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

個人TTは1ステージ

最終週は22kmの個人タイムトライアルでスタートする。来年のツールで唯一のタイムトライアルとなる第16ステージは平坦ではなく、丘を2カ所上がるレイアウトになっている。その翌日には、166kmで4つの峠越えに挑む第17ステージが待ち構えている。最後に越えるのは最高峰のアンリ・デグランジュ賞がかけられた、標高2304mのローズ峠だ。
 

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●第16ステージ(個人TT)のコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

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●第17ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
そして最終日前日には、ヴォージュ山脈がマイヨ・ジョーヌを争う最後の決戦の場に選ばれた。ル・マルクシュタイン・フェルランにゴールする第20ステージは133kmと短く、頂上ゴールではないが、カテゴリーの付いた峠を5カ所越える厳しいレイアウトだ。

第110大会はル・マルクシュタイン・フェルランでマイヨ・ジョーヌが確定した後、最後はもちろんパリのシャンゼリゼ大通りでグラン・フィナーレを迎える。
 

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●第20ステージのコースプロフィール (MAP : A.S.O.)

 
21ステージの総距離は3404km。ステージの内訳は個人タイムトライアル区間が1、平坦区間が8、丘越え区間が4、山岳区間が8で、そのうち4区間が頂上ゴールになっている。ステージのスタートとゴールになっている都市のうち、12カ所はツールが初めて訪れる。

スペインのバスク州で開幕する来年のツールは、フランスの全ての山岳地帯(ピレネー、中央山塊、ジュラ、アルプス、ヴォージュ)がコースに組み込まれ、フランス一周ではなく、西部から東部へと縦断する独特なレイアウトになり、個人タイムトライアルが短く、クライマー向きのコースになっている。
 

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(MAP : A.S.O.)

 

[第110回ツール・ド・フランス全日程]
7月1日(土) 第1ステージ[ビルバオ(スペイン)〜ビルバオ(スペイン)]182 km (丘越え)
7月2日(日) 第2ステージ[ビトリア・ガステイス(スペイン)〜サン・セバスティアン(スペイン)]209 km (丘越え)
7月3日(月) 第3ステージ[アモレビエタ・エチャノ(スペイン)〜バイヨンヌ]185 km (平坦)
7月4日(火) 第4ステージ[ダックス〜ノガロ]182 km (平坦)
7月5日(水) 第5ステージ[ポー〜ラランス]165 km (山岳)
7月6日(木) 第6ステージ[タルブ〜コテレ・カンバスク]145 km (山岳/▲頂上ゴール)
7月7日(金) 第7ステージ[モン・ド・マルサン〜ボルドー]170 km (平坦)
7月8日(土) 第8ステージ[リブルヌ〜リモージュ]201 km (丘越え)
7月9日(日) 第9ステージ[サン・レオナール・ド・ノブラ〜ピュイ・ド・ドーム]184 km (山岳/▲頂上ゴール)
7月10日(月) 休養日(クレルモン・フェラン)
7月11日(火) 第10ステージ[ヴュルカニア〜イソワール]167 km (丘越え)
7月12日(水) 第11ステージ[クレルモン・フェラン〜ムーラン]180 km (平坦)
7月13日(木) 第12ステージ[ロアンヌ〜ベルヴィル・アン・ボージョレ]169 km (丘越え)
7月14日(金) 第13ステージ[シャティヨン・シュル・シャラロンヌ〜グラン・コロンビエール]138 km (山岳/▲頂上ゴール)
7月15日(土) 第14ステージ[アヌマス〜モルズィヌ・レ・ポルテ・デュ・ソレイユ]152 km (山岳)
7月16日(日) 第15ステージ[レ・ジェ・レ・ポルテ・デュ・ソレイユ〜サン・ジェルヴェ・モン・ブラン]180 km (山岳/▲頂上ゴール)
7月17日(月) 休養日(サン・ジェルヴェ・モン・ブラン)
7月18日(火) 第16ステージ[パシー〜コンブルー]22 km (個人TT)
7月19日(水) 第17ステージ[サン・ジェルヴェ・モン・ブラン〜クールシュヴェル]166 km (山岳)
7月20日(木) 第18ステージ[ムチエ〜ブール・カン・ブレス]186 km (丘越え)
7月21日(金) 第19ステージ[モワラン・アン・モンターニュ〜ポリニー]173 km (平坦)
7月22日(土) 第20ステージ[ベルフォール〜ル・マルクシュタイン・フェルラン]133 km (山岳)
7月23日(日) 第21ステージ[サン・カンタン・アン・イヴリヌ〜パリ・シャンゼリゼ]115 km (平坦)
 

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■コース発表会に出席したポガチャル(左)と総合ディレクターのプリュドム (photo : A.S.O. / Etienne Coudret)

 

ツール・ド・フランス公式サイト