ツール・ド・フランス2022を失格になったキンタナの訴えをCASが却下

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スポーツ仲裁裁判所(CAS)は11月3日に、コロンビアのナイロ・キンタナ(チームアルケア・サムシック)と国際自転車競技連合(UCI)間の仲裁手続きについて、キンタナの訴えを却下したと発表した。
 

Quintana

■今年のツールで総合6位になっていたキンタナは失格が確定した (©SprintCycling)

 
チームアルケア・サムシック(フランス)のキンタナは、7月に開催されたツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)の検査でトラマドールの陽性になり、8月にUCIから失格が発表されていた。彼は今年のツールで総合6位になっていた。

鎮痛剤の一種であるトラマドールは、その副作用を考慮し、選手の健康と安全を守る目的で2019年3月1日からUCIの使用禁止薬物になっている。今年のツールではトラマドール・プログラムの一環として、合計120の乾燥血液サンプルが収集された。キンタナは7月8日と13日に採取されたサンプルから、トラマドールと2つの代謝産物が検出された。

キンタナはUCIの決定を不服とし、ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)の参加を取りやめてスポーツ仲裁裁判所に上訴していた。

CASがこの上訴を却下した事で、UCIが決定したキンタナのツール失格は確定し、彼には5000スイスフランの罰金が課された。しかし、トラマドールの使用に関する競技中の禁止違反は、UCI医療規則に基づくものであり、アンチ・ドーピング規則違反には当たらない。さらにキンタナは初めての違反だったため、資格停止処分は下されなかった。

現在32歳のキンタナは、今年チームアルケア・サムシックとの契約を更新していたが、10月に同チームを離れる事を発表している。

スポーツ仲裁裁判所公式サイト

UCI公式サイト

◆サイスポ・ニュース:キンタナがブエルタ・ア・エスパーニャ2022欠場、チームアルケア・サムシックは交代選手は補充せず7人で参加