バルベルデとニバリの引退セレモニー

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11月6日(日)に開催されたさいたまクリテリウムのレース後、さいたまスーパーアリーナの特設ステージにて、今シーズン限りで引退するアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)とヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン)の引退セレモニーが行われた。

引退したニバリとバルベルデ

バルベルデにはチームメイトのエンリク・マスから、ニバリには同じくチームメイトであり実弟のアントニオ・ニバリから花束が手渡された。

アレハンドロ・バルベルデ

1980年4月25日スペイン生まれ(42歳)
2002年、ケルメ・コスタブランカでプロデビュー。
ワンデーレース、ステージレースを問わず、年間を通して安定した強さを発揮する。
ツール・ド・フランスは14回出場(ステージ4勝)、2015年に総合3位。
2009年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝、2018年世界選手権ロードレース優勝。
その他リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ4勝、ラ・フレーシュ・ワロンヌ5勝など、多数の勝利を挙げる。

「今日のレースは非常に楽しむことができました。
多くのファンの方々に応援していただき、改めてここで感謝の気持ちを伝えたいと思います。
そして20年のプロとしてのキャリアを支えてくれた皆様方にも感謝したいと思います。
今後私は選手としてではなくても、また何かの機会に日本を訪れて、この国を大いに楽しんでいきたいと思います。
本当にどうもありがとうございました」

ヴィンチェンツォ・ニバリ

1984年11月14日イタリア生まれ(37歳)
2005年ファッサ・ボルトロでプロデビュー。
出身地にちなんで『メッシーナの鮫』の異名を持ち、下りの速さに定評がある。
ツール・ド・フランスは9回出場(ステージ6勝)、2014年に総合優勝。
2013年、2016年のジロ・デ・イタリア、2010年のブエルタ・ア・エスパーニャと合わせて、3大ツール全てで総合優勝を挙げた史上6人目の選手。

「このさいたまクリテリウムは年を追うごとにどんどん成長していると感じています。
このレースで最後のゼッケンを付けることができたのは、アレハンドロも言ったように僕も大変嬉しく思っています。
常に多くのファンに支えられて走ることができました。
大変幸せに感じています。
全ての皆さんに心からありがとうと申し上げます」

さいたまクリテリウム、ニバリとバルベルデ

ニバリに独占ショートインタビュー

さいたまクリテリウム、ニバリインタビュー

Q:3大グランツール、それ以外にも多くのレースに勝利しました。一番思い出深い勝利は?

やはりブエルタ、ジロ、ツール。この3つの勝利がすごく印象的でした。ジロに関しては自分の国での開催なので、すごい思い出があります。ブエルタは自分が初めて総合優勝というものを勝ち取ったグランツールだったのですごく大事に思っています。

Q:逆に勝ちたかったけど、勝てなかったレースは?

リオのオリンピックですね

Q:長い間トップ選手としてキャリアを持っています。もっと若くして引退しちゃう選手が多いですが、長く選手を続けるうえで注意したことはありますか?

自分の時代の、それよりも先輩たちは、長いスパンで物を考えて、最初はゆっくりゆっくり進みながら経験を積んでいました。ですが、今の選手はいろいろな情報などものあるので、一気にトップ選手に上り詰めて、そしてそこで段々と、上り詰めたことで満足してしまって終えてしまうっていう方が多いので、それが自分たちの世代と今の若い人たちとの違いじゃないかと思っています。

Q:引退を決めた理由を教えてください

もう落ち着いてもいいかなと思って。次の目標が定まらないので、今年での引退を決めました。(選手キャリアとして)一番いいときで、多くのことを自分が達成したと体で感じた。それが今年だった。

Q:今後のキャリア、何か考えていることはありますか? 

今度はロードからMTBやってみたりとか。MTBとかのイベントに関わったり、まあそれは楽しみのためにやります。Q36.5(ウエア、シューズブランド)のアンバサドールみたいな形で、そこに関わっていこうと思っています。(サイクリングを)少し落ち着いて楽しみながら。ただプロジェクトとしては今後、若手の育成チーム(の、ようなもの)に関わっていこうと思ってます。

Q:最後に1つ。選手時代は体重管理など、食べ物にすごく気を使って来たと思います。食べたいものをダイエットとかのために食べられない。引退して、「これは食べたい!」というものはありますか?

僕はスポーツが好きなので、今後とも同じように絞っていこうと思うので、僕がこんな姿(お腹が大きくなるジェスチャーをした)になるのは見ない、一生ないと思います。体重は増えても2、3kgから4kgくらいは増えるかもしれないけど、それ以上はありえないです。

 

text:中島丈博