上りスプリントでプラデス12位、岡13位 サウジ・ツアー2023 最終ステージ
サウジ・ツアー2023 第5ステージ、ここまで総合でトップに立つのはモビスターチームのアルメイダ・ゲレイロ。この日はやや起伏が穏やかなコースではあるものの、総合時間でUCIワールドチームの2人が僅差に迫り、彼らの鋭い攻撃に対してシビアに反応をする事が予想された。また今回はコースの後半に9㎞の砂の浮いたダートセクションがあり、ペースアップなどでダートでのトラブルを回避したレースメイクをしてくる可能性もある。
JCL TEAM UKYOは、トップチーム同士の駆け引きの隙間のタイミングを狙ってくる数人のエスケープに乗り、ゴールスプリントになる場合はレイモンド・クレダーや岡篤志をエスコートしていく作戦で挑んだ。
レースはスタートしてから18㎞地点までは、アタックがなかなか決まらない展開で進行。ここで抜け出しに成功したのはアクティブスプリント賞ジャージを着るUNO‐Xのマーカス・ハンセンを筆頭とした5人の選手たち。ワールドチームとプローチームの選手たちで構成されたメンバーではあるが、ここに総合成績を揺るがす選手がいない事から、リーダーチームのモビスターは逃げを容認。ハンセンはアクティブスプリントポイントを狙ってレースをリードし続ける。
一方JCL TEAM UKYOはモビスターがコントロールするグループの中で次なる展開に備えるために、総合成績で39位につけている山本大喜を30番手で位置させて単騎でも動けるポジションをキープ。また、いざチームで動くときに入る場所も彼を前方に置くことで確保する。
時間が経過し、前方で逃げ続ける強力なエスケープグループはダート区間に入り30秒の差に迫られる。しかし、このセクター後に設けられたボーナスタイムの懸かったポイントを僅差の選手に取らせないため、モビスターの絶妙なコントロールが続く。
ボーナスポイントを抜け、残り20㎞になるといよいよレースはクライマックス。ラスト5㎞を過ぎても続くエスケープに、展開によっては逃げ切りも現実味を帯びた状況であったが、各チームのスプリントトレインがゴールを目前に一挙に現れるとエスケープを吸収する。
ここで前方に位置する山本にベンジャミ・プラデスと岡が合流すると、他チームのトレインに乗りポジションアップを図る。しかし、最前列でのポジショニングに至らないため、プラデスと岡はワンテンポ早く400m近くから一気にスパートしゴール直前のポジションアップを狙う。
ワールドクラスのスプリンターが最前列に並んだ大混戦を制したのは、コフィディスのシモーネ・コンソンニ。そして、すぐ後ろで前方までポジションを伸ばしたプラデスと岡が12位、13位とゴールに飛び込んだ。
厳しい自然環境の中で行われた全5ステージ、830kmのサウジ・ツアー 。個人総合優勝を遂げたアルメイダ・ゲレイロから遅れること6分7秒でゴールした山本を筆頭に、ワールドクラスのチームを相手に連日アタックし、ハイレベルなレースを戦ったJCL TEAM UKYO。走り終えた選手たちの表情には充実感と安堵の混ざった表情がこぼれる。ここで経験したスピードを力に変えて、オマーンを舞台に行われる2連戦にチームは向かう。
プラデス選手のコメント
「今日も厳しいレースでしたが、幾分風が弱かったのが幸いでした。ゴール前のトリッキーな展開は得意とするところ。今のコンディションでベストな順位を取ることが出来たと思います。」
岡選手のコメント
「総合成績が懸かった後半の2ステージは、アタックのチェックが非常に厳しく。前半戦のような見せ場が作れなかったので、最後のスプリントの伸びに賭けてモガきました。非常に長く感じましたが、ゴール前に僕らが出来る位置取りから13 位まで順位をあげられたのは良かったと思います。」
清水監督のコメント
「同じアジアツアーでも僕らがリードできるレースもあれば、こうして世界の強豪相手にいかに戦うかというレースもあります。今回チーム初戦にしてこの高いスピードを味わい、僕らができる戦い方で対抗しました。チームとしての決意も高まりましたし、これからもっと前に進んでいけると感じられた5日間でした。」
SAUDI TOUR 2023 Stage 5(143km)
1. CONSONNI Simone(COFIDIS)3h10’13”
2. MALUCELLI Matteo(BINGOAL WB)+00″
3. ACKERMANN Pascal(UAE TEAM EMIRATES)+00″
12. BENJAMIN PRADES(JCL TEAM UKYO)+00″
13. OKA ATSUSHI(JCL TEAM UKYO)+00″
サウジ・ツアー2023
大会期間:2023年1月30日〜2月3日
カテゴリー:UCI 2-1
ステージ:第5ステージ(2023年2月3日)
AIUIa Old Town > Maraya(143km)
出場:16 チーム 102名、完走 102名
JCLチームUKYOメンバー:石橋 学、小石 祐馬、岡 篤志、山本 大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス
サウジ・ツアー2023 総合成績
1. ALMEIDA GUERREIRO(MOVISTAR TEAM)20h20’04”
2. DAVIDE FORMOLO(UAE TEAM EMIRATES)+ 00H 00′ 08”
3. SANTIAGO BUITRAGO SANCHEZ(BAHRAIN VICTORIOUS) 00H 00′ 09”
38. MASAKI YAMAMOTO(JCL TEAM UKYO)+ 00H 06′ 07”
大会オフィシャルサイト
https://www.thesauditour.com/
JCLチームUKYO オフィシャルサイト
https://jcl-team-ukyo.jp