サガンが初参加を表明！　ジロ・デ・イタリア2020コース発表

2019.10.26
レース

来年５月９日に中欧のハンガリーで開幕するジロ・デ・イタリア2020（ＵＣＩワールドツアー）のコース発表会が、10月24日にイタリアのミラノで開催された。第103回大会は総距離3579.8kmで、１区間の平均距離数は170.5kmと長い。

サガン（中央）は来年ジロに初参加すると表明した (©Bettiniphoto)

コース発表会には、今年南米エクアドル初のジロ勝者になったリチャル・カラパス（モビスターチーム）と、スロバキアのペテル・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）がゲストとして登場。サガンはこれまでジロには一度も参加したことがなかったが、来年初参加すると表明した。

個人ＴＴと山岳のバランスが取れたコース

(MAP : RCS Spor

個人タイムトライアルが１区間しかないツール・ド・フランスとは対照的に、来年のジロは初日、第14ステージ、そしてミラノの最終ステージが個人タイムトライアルで、３ステージの合計は58.8kmになる。

スプリンター向きのステージは６区間、中級山岳ステージが７区間、山岳ステージが５区間で、頂上ゴールは７回ある。最高峰のチマ・コッピは標高2758mのステルビオ峠にかけられ、第18ステージの後半に通過する。

ジロが国外からスタートするのは14回目で、2018年のイスラエル以来となる。初日はハンガリーの首都ブダペストで8.6kmの個人タイムトライアルが行われ、今年と同じように最後はアップヒルのゴールだ。ハンガリーで３ステージ走った後は、移動日なしでイタリア南部のシチリア島に空路で移動する弾丸スケジュールが組まれた。

ヴィンチェンツォ・ニバリ（バーレーン・メリダ）の故郷であるシチリア島では３ステージが行われ、標高1775mのエトナ山頂上ゴールが第５ステージで早くも登場する。イタリア本土に上陸した後はアドリア海沿いを北上し、第12ステージは故マルコ・パンターニの故郷チェゼナーティコでいくつもの丘を越える区間を競う。

第２週目の週末は、コネリャーノからバルドッビアーデネまでの33.7kmで、ブドウ畑を走るワインステージの個人タイムトライアル（第14ステージ）を競い、翌日は標高1290mのピアンカバッロ山頂にゴールする山岳ステージが行われる。

そして最終週には、ジロらしく北部のドロミテとアルプスを舞台とした厳しい山岳ステージが選手たちを待ち受けている。第17ステージは、３つの峠を越えた後、標高1514mのマドンナ・ディ・カンピーリオ山頂上にゴール。その翌日の第18ステージは、チマ・コッピのステルビオ峠越えに挑んだ後、標高1945mのラーギ・ディ・カンカノ（ステルビオ国立公園）でゴールする。

最後のスプリンター区間をはさみ、最終日前日にはフランス国境を超えて2000m級のアニェッロ峠とイゾアール峠を越え、最後は標高2035mのセストリエール山頂にゴールする山岳ステージが設定された。コース発表会に出席していたステファノ・ガルゼッリは、このステージが最も難しいと話していた。

５月31日の最終日はミラノにゴールする16.5kmの個人タイムトライアルが行われる。過酷な３週間を走り抜き、美しいドゥオーモ広場でマリア・ローザを着るのは果たして誰なのか、今から楽しみだ。

今年ジロで初優勝したエクアドルのカラパスがコース発表会に出席した(©Bettiniphoto)

■リチャル・カラパスのコメント
「2019年のジロ・デ・イタリアは、プロ選手としてのボクの歴史の中ではずっと非常に重要な瞬間になるだろう。それについて考えるだけでワクワクする。ボクは両親と、自分が今ある選手になる為に助けてくれた全ての人々にとても感謝している。ボクはエクアドルで自転車レースを始める子どもたちに、夢を追いかける事がどれだけ重要かを伝えるのを決して止めないだろう。

来年はジロのスタートに居たいと本当に望んでいる。それは沢山の驚きが存在するステージがある非常に興味深いコースだ。最終週は山が多くて、ステルビオは決定的になる可能性がある。本当にそこに居ることを願っているよ」

■来年ジロに初参加すると表明したペテル・サガンのコメント
「今日、ジロ・デ・イタリア2020のコース発表会に参加できたのは素晴らしい。ブダペストのスタートにボクが居るだろうと発表したい。まだ数カ月先だが、自分がそこに居るだろうと発表できるよ。

ハンガリーでのステージからこのコースは本当に好きだ。スロバキアはハンガリーにとても近いから、最初の３ステージにはボクのサポーターが大勢来るに違いないと思う。でも、イタリアに住んでいた事があるし、トレーニングもしていたから、ボクたちはイタリアのステージも楽しめるだろう。素晴らしいジロのコースだ。序盤がボクには適しているが、ミラノのゴールまで残るようにトライするよ」

■コースディレクターのマウロ・ベンニのコメント
「ジロ・デ・イタリアは史上初めて東欧からスタートする。そして国外からのスタートは14回目だ。この事は、その魅力が国内に留まらず海外でも高まっている事を、改めて示している。

このコースは挑戦的だが、３回のタイムトライアルと７回の頂上ゴールでバランスが取れている。ドロミテとアルプスを走る最終週は決定的なものになるだろう。そしてミラノに戻ったフィナーレは、個人タイムトライアルで、レースを最終日までオープンなものにしている」

第103回ジロ・デ・イタリア全日程