山本が終盤まで食らいつく好走!ツアー・オブ・オマーン2023 第3ステージ
ツアー・オブ・オマーン2023 第3ステージ。コースはマスカット郊外の山脈の裾野をなぞっていくレイアウト。スタートから45㎞が緩やかな上り。その後下り基調を経て、93㎞地点のスプリントポイントを越えると緩やかな上りとなるが、146㎞付近からはじまるラスト5㎞は、ゴールに向けて一気に15%近くまで上り勾配が跳ねあがるプロファイル。終盤の高いクライム能力が問われるコースに、総合上位が絞られる展開が予想される。
この日は総合25位までの選手が総合トップの選手から15秒の僅差にいることもあり、総合リーダーを抱えるコフィディスが終盤の上りまでコントロールすることが予想された。JCL TEAM UKYOは総合成績に望みのある小石祐馬と山本大喜を最終展開で前方へリードする事に徹するため、逃げをうたないで勝負を待つ戦略を選びスタートラインに並んだ。
この日スタートしてすぐに飛び出したのは5人の選手。この中で前日までの総合成績が最も高い選手はビンゴールWBのJohan MEENSの+1分24秒差。そして、情報を得たリーダーチームのコフィディスは逃げを容認。ボーナスタイムの掛かったスプリントポイントも93㎞地点と遠いことから、先行と3分のタイムギャップを保ちながらレースは淡々と進行していく。
この日選手を苦しめたのは30度を越える気温。JCL TEAM UKYOも他チーム同様、補給所や車での給水とは別に先回りして選手に水分補給のフォローに向かうなど忙しくなる。
レースも100㎞を越えるとエスケープグループから2人がドロップし、3人でラスト6㎞のスプリントポイントを通過する。追走するプロトンは射程圏内に彼らを捉え、いよいよ最後の上りでの勝負が近づいてくる。この動きに対応するため、JCL TEAM UKYOはクレダーと武山が総合成績に可能性がある山本や小石、クライミングに優れたプラデスをフォローし集団前方のポジションをキープする。
上りに入ると一気にグループは絞られ、40人ほどのトップグループとなる。ラスト2㎞になると更に勾配はきつくなるが、ここで上位20人に山本が残る大健闘をみせた。山本の奮闘はラスト1㎞まで続いたが、モビスターのマッテーオ・ジョルゲンセンの強烈なアタックにトップグループは崩壊。彼はその勢いを崩さないままトップでゴールした。
総合リーダーであったへスス・エラダがゴールで倒れこむほどの激闘、多くの選手が苦悶の表情でレースを終えると、間もなく山本が現れた。その差はトップから1分29秒差の34位。力を尽くした山本、手ごたえを感じたこの戦いに表情は明るいものであった。
更にプラデスと小石が大きく遅れずにフィニッシュしたことでチームの総合成績は18チーム中11位とジャンプアップし、実りのあるステージとなった。
山本選手のコメント
「自分の全ての力を出した結果なので納得しています。今の自分の力、そして未来の成長へ向き合える手ごたえを得ました。これからどんどん先にいきます!」
プラデス選手のコメント
「一番きつい場面で山本選手が前方で走っているのを見て、いい選手だと感じました。自分は今の時点ではこの力、こういう上りの展開は寧ろ好きな方なので、シーズンに向けて調子を上げていきたいです。」
小石選手のコメント
「暑さなのか、もっと余裕が持てたペースなのに力が出ませんでした。この先もマレーシア、台湾とあるので暑さに慣れていきたいですね。」 清水監督のコメント 「最後の展開に向けてチームの連携もとれていましたし、世界のトップレースで勝てる選手たちにあそこまで食らいついた山本選手に驚きました。あのまま先頭についていけたら…と思うだけでゾクゾクする走りでした。」
Tour of Oman 2023
stage3(152.0km)
1. MATTEO JORGENSON(MOVISTAR)03:33:51”
2. MAURI VANSEVENANT(Soudal-QUICK STEP)+00″
3. GEOFFREY BOUCHARD(AG2R CITROEN)+00″
34. YAMAMOTO Masaki(JCL TEAM UKYO)+01:29″
40. PRADES Benjamin(JCL TEAM UKYO)+01:53″
フルリザルト
tour-of-oman.com
ツアー・オブ・オマーン2023
大会期間:2023年2月11日〜2月15日
カテゴリー:UCI 2-PRO
ステージ:第3ステージ(2月13日)
出場:18チーム出走123名/完走121名
JCL TEAM UKYOメンバー:石橋 学、小石 祐馬、岡 篤志、武山 晃輔、山本 大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス
JCL TEAM UKYO オフィシャルURL:
https://jcl-team-ukyo.jp