ストラーデ・ビアンケ2023で英国のピドコックが初優勝

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イタリア中部トスカーナ地方の丘陵地帯で、3月4日に開催された第17回ストラーデ・ビアンケ(UCIワールドツアー)は、英国のトーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアズ)が独走で逃げ切り、23歳で初優勝を果たした。
 

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■23歳のピドコックが独走で逃げ切って初優勝した (photo : LaPresse)

 
2位は20秒遅れでフランスのヴァランタン・マドゥアス(グルパマ・FDJ)、3位は22秒遅れでベルギーのティシュ・ベノート(ユンボ・ヴィスマ)だった。


ピドコックが残り52kmでアタック

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■白い砂塵を巻き上げながら進む集団 (photo : LaPresse)

 
今大会は未舗装の白い道(イタリア語でストラーデ・ビアンケ)が舞台となり、今年は184kmのコースに11カ所の未舗装路が含まれ、そのトータルは63kmだった。

ディフェンディングチャンピオンのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ/スロベニア)は参加せず、ちょうど1カ月前に5度目のシクロクロス世界チャンピオンになったオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)がゼッケン1を付け、最有力優勝候補とみなされていた。

しかし、ファンデルプールは今大会が今シーズン最初のロードレースで、スタートの前のインタビューでも「トップレベルの調子になるのには数レースかかる」と語っていた。

その一方で、昨年のシクロクロス世界選手権で優勝していたピドコックは、今年のシクロクロス世界選手権には参加せず、早くからロードシーズンを開始し、2月のボルタ・アン・アルガルヴェ(UCIプロシリーズ)で区間優勝し、先週ベルギーで開催されたオムロープ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)で5位に入っていた。

ピドコックは8カ所目のモンテ・サンテ・マリエの未舗装路に入ったゴールまで残り52kmで、集団からアタックしたイタリアのアルベルト・ベッティオール(EFエデュケーション・イージーポスト)とアンドレーア・バジョーリ(スーダル・クイックステップ)を追いかけ、追走グループを形成した。

モンテ・サンテ・マリエの下りでピドコックはすぐ1人になり、序盤から逃げ続けていたイタリアのアレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・プルミエテック)とノルウエーのスヴェンエーリク・ビストロム(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)の2人に、この未舗装路の出口で合流した。

集団ではモンテ・サンテ・マリエの未舗装路の出口近くでファンデルプールがアタックし、20人ほどの精鋭グループが作られた。しかし、スタート前のコメント通り、その後のファンデルプールは走りに精彩を欠き、重要な追走グループに加わる事ができなかった。

ゴールまで残り37kmでビストロムが遅れ、先頭はデマルキとピドコックの2人になった。その20秒後方では、マドゥアス、ベノート、ルイ・コスタ(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)が加わった追走グループが形成されていた。
 

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■白い未舗装路を独走で逃げ続けたピドコック (photo : LaPresse)

 
序盤から逃げ続けていたデマルキはピドコックのアタックに何とか食らいつき続けたが、ゴールまで23.5kmの9カ所目の未舗装路に入った所で力尽き、先頭はピドコック1人になった。この時、追走グループとのタイム差は30秒近くあった。

追走グループでは残り21kmで優勝経験のあるベノートがアタックを開始し、マドゥアス、コスタが付いていき、モホリッチ、アティラ・ヴァルテル(ユンボ・ヴィスマ)、クイン・シモンズ(トレック・セガフレード)が後から合流した。彼らは残り10kmでピドコックとのタイム差を6秒にまで縮めたが、牽制が始まると再びタイム差は広かっていった。

ピドコックは辛くも逃げ切る事に成功し、30秒差を付けてシエナのカンポ広場へと向かう市街地の坂を上がり始めた。彼はそのまま単独でゴールに飛び込み、初優勝を勝ち取った。
 

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■ゴールへと続くシエナ市街地の坂を上るピドコック (photo : LaPresse)

 
■初優勝したピドコックのコメント
「この勝利が身に染みるまでしばらく時間がかかるだろう。アタックした時、それは計画にはなかった。しかし、それは決定的な瞬間だった。ボクは差を付けて、それを維持した。正直言って今週は何か大きな事が今日起きると感じていたんだが、それが現実になったよ」
 

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■初優勝した英国のピドコック (photo : LaPresse)

 
第17回ストラーデ・ビアンケ 結果

[3月4日/シエナ〜シエナ(イタリア)/UCIワールドツアー/184km]
1. PIDCOCK Thomas (INEOS GRENADIERS / GBR) 4:31:41
2. MADOUAS Valentin (GROUPAMA – FDJ / FRA) 0:20
3. BENOOT Tiesj (JUMBO-VISMA / BEL) 0:22
4. COSTA Alberto Faria Ru (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / POR) 0:23
5. VALTER Attila (JUMBO-VISMA / HUN) 0:23
6. MOHORIC Matej (BAHRAIN VICTORIOUS /SLO) 0:34
7. BILBAO LOPEZ DE ARMENTIA Pello (BAHRAIN VICTORIOUS / ESP) 1:04
8. GREGOIRE Romain (GROUPAMA – FDJ / FRA) 1:18
9. FORMOLO Davide (UAE TEAM EMIRATES / ITA) 1:23
10. KRON Andreas Lorentz (LOTTO DSTNY / DEN) 1:35
14. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-DECEUNINCK / DEN) 1:46
 

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■左から2位のマドゥアス、初優勝のピドコック、3位のベノート (photo : LaPresse)

 

ストラーデ・ビアンケ公式サイト

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