ロンド・バン・ブラーンデレン2023でポガチャルが初優勝
モニュメントと呼ばれる5大クラシックの1つである、第107回ロンド・バン・ブラーンデレン(ツール・デ・フランドル/UCIワールドツアー)が、4月2日にベルギー北部フランダース地方で開催され、スロベニアのタデイ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)が独走で初優勝した。
2位は17秒遅れでオランダのマテュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク)、3位争いはゴールスプリントになり、デンマークのマス・ピーダースン(トレック・セガフレード)が地元ベルギーのウァウト・ヴァンアールト(ユンボ・ヴィスマ)を下した。
24歳のポガチャルはベルギーのリエージュ~バストーニュ~リエージュ(2021年)、イタリアのイル・ロンバルディア(2021、2022年)で既に優勝してして、これが3つ目のモニュメント制覇となった。ツール・ド・フランスで総合優勝した選手がロンドでも優勝したのは、フランスのルイゾン・ボベ、ベルギーのエディ・メルクスに続いて3人目だった。
7年ぶりでブルージュからスタート
第107回大会は曇天のブルージュをスタート。ロンドのスタート地は2027年までブルージュとアントワープが交互に務める事になり、西フランダース州の州都ブルージュは今年7年ぶりでスタート地に戻った。レース中盤に集団で大きな落車事故が発生し、ベルギーのティム・ウェレンス(UAEチーム・エミレーツ)が鎖骨骨折で棄権した。
レースが動き始めたのは、ゴールまでまだ残り102kmあったモーレンベルフの石畳の坂だった。ここでカスパー・アスグレーン(スーダル・クイックステップ)がアタックし、マッテーオ・トレンティン(UAEチーム・エミレーツ)、ピーダースン、ニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト)、シュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)が加わった9人の追走グループが形成された。
この追走グループが残り75kmのベルフ・テン・ハウトの坂で序盤の逃げグループに追いつき、先頭集団は19人になった。メイン集団では残り71kmで再び落車事故が発生し、マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス)とビニアム・ギルマイ(アンテルマルシェ・シルキュス・ワンティ)がリタイアした。残り60kmで先頭の逃げ集団とメイン集団のタイム差は3分近く開いていた。
オウド・クワルモントでポガチャルがアタック
ゴールまで残り56kmの2度目のオウド・クワルモントの石畳の坂で、集団はUAEチーム・エミレーツが先頭を引き始め、そこからポガチャルがアタックし、単独で坂を越えた。ファンデルプールとヴァンアールトのグループは残り48kmでポガチャルに追いつき、12人に減った先頭の逃げ集団とのタイム差は1分半になっていた。
ポガチャルは残り45kmのコッペンベルフの石畳の坂で再びアタックしたが、今度はファンデルプールとヴァンアールトが彼を逃さなかった。残り37kmのターイエンベルフのふもとで、ファンデルプールは機材故障で一時遅れたが、何とか2人に追い付いて石畳の坂を越える事ができた。
先頭の逃げ集団では、ゴールまで残り30kmでピーダースンがアタックし、独走を開始した。しかし、ビック3と呼ばれるポガチャル、ファンデルプール、ヴァンアールトのグループは40秒後に迫っていた。
クライスベルフでヴァンアールトが脱落
ゴールまで残り26kmのクライスベルフの石畳の坂で、今度はファンデルプールが攻撃を仕掛け、ポガチャルは応戦できたがヴァンアールトは遅れてしまった。ファンデルプールとポガチャルの2人はゴールまで残り22kmで前の集団に追いつき、先頭を逃げるピーダースンを追いかけた。
そしてゴールまで残り17kmの、最後のオウド・クワルモントでポガチャルが再度アタックし、ファンデルプールは付いて行けなかった。ポガチャルはピーダースンを追い抜いて先頭に立ち、オウド・クワルモントの出口で追走するファンデルプールに14秒差を付けていた。
最後のパーテルベルフでもその差は縮まらず、ポガチャルは望んでいた独走に持ち込んでゴールのオウデナールドに到着し、難なく初優勝を手中に収めた。彼は昨年、終盤にファンデルプールと2人でレースをリードしたが、最後は後続に追いつかれてしまい、ゴールスプリントで4位になって悔しい思いをしていた。
今年のロンドは平均時速が44.1km/hで、史上最速の大会となった。
第107回ロンド・バン・ブラーンデレン 結果
[4月2日/ブルージュ~オウデナールド(ベルギー)/UCIワールドツアー/273.4km]
1. POGACAR Tadej (UAE TEAM EMIRATES / SLO) 6:12:01
2. VAN DER POEL Mathieu (ALPECIN-DECEUNINCK / DEN) +0:17
3. PEDERSEN Mads (TREK – SEGAFREDO / DEN) +1:12
4. VAN AERT Wout (JUMBO-VISMA / BEL) +1:12
5. POWLESS Neilson (EF EDUCATION – EASYPOST / USA) +1:12
6. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI) +1:12
7. ASGREEN Kasper (SOUDAL QUICK-STEP / DEN) +1:12
8. WRIGHT Fred (BAHRAIN VICTORIOUS /GBR) +1:12
9. JORGENSON Matteo (MOVISTAR TEAM / USA) +1:19
10. TRENTIN Matteo (UAE TEAM EMIRATES / ITA) +2:49