小石が総合2位に!ツアー・オブ・タイランド2023 第3ステージ
ツアー・オブ・タイランド2023 第3ステージはアユタヤをスタートした後しばらくはフラット、中盤から徐々に上り初めラスト10kmを境に本格的なヒルクライムとなり標高約800mのカオヤイナショナルパークをゴールするコースレイアウト。
この日は総合成績トップのルージャイバトサイカンとは遅れること43秒差の3位に小石祐馬がつけているだけに、最後の急勾配のセクターでいかに彼と差をつけてゴールするかがポイントになった。平坦のコントロールはレイモンド・クレダーと岡篤志を中心に、最後の上りをネイサン・アール、ベンジャミ・プラデスでプロトンの人数を削り、小石で勝負に出るという作戦でレースに挑んだ。
当日の気温はこの3日間で最も蒸し暑い印象、選手たちはレース前に体力を奪われないように細心の注意をして、日焼け止めを塗りスタートラインに並ぶ。 象の送り出しを受けながら始まったレースは、リアルスタートとほぼ同時に7人が先行、後続から2人がブリッジし9人の先頭集団を構成する。
総合順位を脅かさないメンバーという事もありリーダーチームはこれを容認、勢いに乗るリードグループは51km地点のスプリントポイントを7分程の差で通過する。
103km地点のスプリントポイントでは8分以上の差となり、これまで後方はリーダーチームのルージャイがコントロールしてきたが、ここに岡ら数チームがが加わり牽引を開始する。 ところが横風の強い区間でペースが壊れはじめ、牽引を続けるのが岡だけになってしまったところでJCL TEAM UKYO全員が先頭に立ちコントロールを開始。
レースは131. 4km地点の山岳ポイントに差し掛かると先頭グループのフォーメーションが崩れはじめる。この第3ステージから山岳ポイントが設置されていることもあり山岳賞ジャージを狙った動きによりローテーションのリズムを失ってしまったようだ。 単独で山頂に現れたのはコリアナショナルのジャング、しばらくしてマレーシアナショナルのモハドとアルマティアスタナのクズミンが現れる。
残り64km、勝負はこの3人に絞られる。追走するプロトンは岡が長くコントロールをする時間が続くが、6分差を維持するカタチでレースは後半戦へ進行する。ロールをする時間が続くが、6分差を維持。この時点で総合圏外の先行3人、落ちてくる数人を吸収しながら進むプロトンには総合を争うメンバーが固まっていることで、同じレース内にステージ優勝と総合優勝の2つの勝負が掛かった状況になる。 そんななか、小石は冷静に水分をとりながら最後の展開に備えた。
レースは残り15km、上りが徐々に厳しくなると一度スコールの様な雨に見舞われる。選手たちにとっては恵の雨、気持ちを入れなおして山岳に突入していく。
序盤はタイ勢がリードする形で上りに入ったが、すぐに小石が総合成績が近く危険視していたトレンガヌのサインバヤールがギヤを掛けると、みるみるプロトンは小さくなり小石、プラデスら5人に絞られる。リーダーのバトサイカンが遅れている展開についにプラデスのスイッチが入る。そのスピードに2人が耐えきれず遅れると、いよいよ小石とトレンガヌのサインバヤールの一騎打ちになる。
待ち望んだ展開だが、小石の力走にも千切れないサインバヤールはラスト3kmで今度は小石選手を置いて先行しはじめる。ここで救いの手となったのが、アールとプラデスがリードする追走グループ。小石はこの流れに持ち直しラスト1kmでサインバヤール選手を見事に捉える。
しかしこのグループにリーダーのバトサイカンが残っていたことで、ゴールでは彼が総合1位をディフェンディングする結果となった。小石も7位に入り総合2位に成績を上げることに成功した。この戦いの5分前にはほぼ全工程を逃げ切ったアルマティアスタナのクズミンが見事な勝利を飾っており、レースは白熱した二つの展開で盛り上がった。
そしてチーム一丸となって戦ったJCL TEMA UKYO、総合優勝はこの先の戦いに持ち越されたが各選手の持ち味が生きた試合となった。
小石選手コメント
「今日も理想の展開に近い形でレースを運べたのは、チームメイトの助けのおかげです。自分としても勝負に賭けた走りだったが、一番苦しいところで再度チームに助けられ総合2位に戻ることができました。レースは何があるか分からないし、まだ希望は捨てない。あと3ステージ頑張ります。」
清水監督のコメント
「選手たちがチームワークに徹してくれたおかげで総合2位を戻すことができました。非常にシビアな戦いでしたが、選手たちお互いの信頼が最後までレースを動かしました。総合トップのバトサイカン選手の登りの強さは予想以上でした。あと3ステージ、勝負してきます。」
ツアー・オブ・タイランド2023 第3ステージ結果(195.0km)
Ave 40.11km/h
1. KUZMIN(ALMATY ASTANA MOTORS)4:45:43”
2. JANG(KORIA NATIONAL)+00:57”
3. PARK Keonwoo(LX CYCLING)+05:03”
7. KOISHI Yuma(JCL TEAM UKYO)+05:13″
8. PRADES Benjamin(JCL TEAM UKYO)+05:13″
個人総合成績
1. BATSAIKHAN Tegshbayar(ROOJAI)11:20:28”
2. KOISHI Yuma(JCL TEAM UKYO)+00:43.
3. SAINBAYAR Jambaljamts(TRENNGANU) +00:51”
23. EARLE Nalthan(JCL TEAM UKYO) +12:38″
24. PRADES Benjamin (JCL TEAM UKYO) +12:38″
フルリザルト
https://jcl-team-ukyo.jp/news/p1222/
大会オフィシャル:
The Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Tour of Thailand
Tour of Thailand2023(ツアー・オブ・タイランド2023)
大会期間:2023年4月1日〜4月6日
カテゴリー:UCI 2.1
ステージ:第3ステージ(4月3日)
スタート地点:Ayutthaya 市街
コース:フラット+山頂ゴール195.0km
スプリントポイント:51.0km/103.4km
山岳ポイント:131.4km(Cat.4)/195.0(Cat.2)
出場:15チーム出走89人/完走84人
JCL TEAM UKYOメンバー:小石祐馬、岡篤志、山本大喜、レイモンド・クレダー、ベンジャミ・プラデス、ネイサン・アール