ジロ・デ・イタリア2023 雨の第5ステージはグローヴズが初優勝

  • photo LaPresse / ©SprintCycling

イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月10日にアトリパルダからサレルノまでの171kmで第5ステージを競い、相次ぐ落車で混沌となった集団ゴールスプリントを、オーストラリアのケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)が制し、初参加で初優勝を果たした。
 

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■落車で混沌となった集団ゴールスプリントをグローヴズが制して初優勝した (photo : LaPresse)

 
24歳のグローヴズは昨年ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)でも優勝していて、これがグランツールで2度目の区間優勝だった。

区間2位はポイント賞のマリア・チクラミーノを着たイタリアのジョナタン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位はデンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)だった。総合リーダーのマリア・ローザはノルウエーのアンドレアス・レックネスン(チームDSM)が守った。
 

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■レックネスンは終盤の落車で一時遅れたが、無事集団に戻ってマリア・ローザを守った (photo : LaPresse)


雨天で落車事故が続出

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■第5ステージはスタートから雨が降っていた (photo : LaPresse)

 
スタートから雨の1日になった第5ステージは172選手が出走。ラモン・シンケルダム(アルペシン・ドゥクーニンク)、レミ・ロシャ(コフィディス)、ヴァレリオ・コンティ(コラテック・セッレイタリア)がスタートしなかった。

この日は11.6km地点にカテゴリー3のパッソ・セッラがあり、山岳賞のマリア・アッズーラを着たティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が、スタート直後にアタックした逃げに加わった。彼はパッソ・セッラの頂上を通過してポイントを稼ぐと集団に戻った。

25km地点では集団に犬が飛び込み、ダヴィデ・バッレリーニ(スーダル・クイックステップ)に衝突する落車事故が発生した。この事故には世界チャンピオンのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)も巻き込まれたが、大した怪我はなく、集団に戻る事ができた。
 

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■序盤に落車した世界チャンピオンのエヴェネプール。幸い大したケガはなかったが、ゴール目前で2度目の落車があり、影響が心配される (©SprintCycling)

 
雨の中を3選手が逃げ続け、集団はアルペシン・ドゥクーニンクが引いて彼らを追った。ゴールまで残り25kmで逃げからサムエーレ・ゾッカラート(グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)がアタックし、単独で先頭を走り続けた。しかし、彼も残り6.2kmで吸収された。

ゾッカラートを吸収する直前のカーブで落車が発生し、集団は分断し、30人ほどが先行した。この事故でマリア・ローザのレクネスンやプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)が一時遅れたが、ゴールまで残り3kmで先頭集団に戻る事ができた。

ゴールまで残り2.3kmでもエヴェネプールらが転倒する事故があったが、3kmルールが適用される範囲内だったため、総合成績に影響はなかった。最後は第2、第3ステージで区間3位になっていたグローヴズが残り300mからスプリントを開始し、そのまま先頭でフィニッシュラインを通過した。

そのすぐ後方では、英国チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ カザクスタン チーム)が転倒する事故が発生したが、幸い上位の着順には影響しなかった。

区間4位に入ったイタリアのアルベルト・ダイネーゼ(チームDSM)は「ゴールスプリントで選択した進路を逸脱し、他の選手を妨害もしくは危険に晒したした」として降格処分になった。
 

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■4位でゴールしたダイネーゼは降格処分になった (photo : LaPresse)

 
■ジロで区間初優勝したグローヴズのコメント
「全てうまくいっていると思っていたが、残り7kmで落車してしまった。でも、幸運にもチェーンをかけ直して前に戻る事ができた。あまりクリーンではなかった。我々は皆途方に暮れていた。ボクは何とかチームDSMの選手の後ろに付く事ができて、勝つための脚を持っていたんだ。ジロで区間優勝するのは夢だ。これは11月から集中していたレースだった。チームと関係者全員に感謝するよ。今週2回3位になった後でも、彼らはボクを信じ続けてくれた」
 

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■昨年のブエルタに続き、ジロでも区間優勝を果たした24歳のグローヴズ (photo : LaPresse)


■第5ステージ結果

[5月10日/アトリパルダ~サレルノ/171km]
1. GROVES Kaden (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS) 4:30:19
2. MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
3. PEDERSEN Mads (TREK – SEGAFREDO / DEN)
4. CAVENDISH Mark (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / GBR)
5. DALLA VALLE Nicolas (CORRATEC SELLE ITALIA / ITA)
6. MAESTRI Mirco (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
7. FIORELLI Filippo (GREEN PROJECT-BARDIANICSF-FAIZANE’/ ITA)
8. VENDRAME Andrea (AG2R CITROEN TEAM/ ITA)
9. MATTHEWS Michael (TEAM JAYCO ALULA / AUS)
10. BONIFAZIO Niccolo’(INTERMARCHE’ – CIRCUS – WANTY / ITA)
34. DAINESE Alberto (TEAM DSM / ITA)
106. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN)

■第5ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) 19:06:03
2. EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +0:28
3. PARET PEINTRE Aurélien (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +0:30
4. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:00
5. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +1:12
6. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:26
7. VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS) +1:26
8. SKUJINS Toms (TREK – SEGAFREDO / LAT) +1:29
9. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:30
10. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +1:39
151. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +42:59

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR)
(※第6ステージは ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED)が着用)
 

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(photo : LaPresse)

 

ジロ・デ・イタリア公式サイト

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