ジロ・デ・イタリア2023 第6ステージはピーダスンが初優勝
イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月11日にナポリがスタートとゴールの162kmで第6ステージを競い、最後はゴール手前300mで逃げを捕らえた集団でのゴールスプリントになり、デンマークのマス・ピーダスン(トレック・セガフレード)が区間初優勝を果たした。
2019年のロード世界チャンピオンであるピーダスンは、2022年にツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャでも区間優勝しており、これで3大ツアー全てで区間優勝した選手の仲間入りを果たした。
区間2位はポイント賞のマリア・チクラミーノを着たイタリアのジョナタン・ミラン(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位はドイツのパスカル・アッカーマン(UAEチーム・エミレーツ)だった。総合リーダーのマリア・ローザはノルウエーのアンドレアス・レックネスン(チームDSM)が守った。
デマルキとクラークが逃げた
第6ステージは南イタリアにふさわしい太陽が戻り、171選手が出走。フランスのクレマン・リュソ(チームアルケア・サムシック)は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になり、スタートできなかった。
この日もオフィシャルスタートの合図と同時にアタックが始まり、地元イタリアのアレッサンドロ・デマルキ(チームジェイコ・アルウラー)とオーストラリアのサイモン・クラーク(イスラエル・プルミエテック)を含めた5選手が集団から逃げ出した。
ゴールまで残り66kmのピッコ・サンタンジェロ(カテゴリー3)の登坂で、先頭の逃げはデマルキとクラークのベテランコンビだけになった。2人は共に1986年生まれの36歳で、グランツールでの区間優勝経験はあったが、ジロではまだ区間優勝していなかった。
集団では、ゴールまで残り15.6kmで、スロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)がパンクで自転車を交換しなければならなかったが、すぐ集団に戻る事ができた。残り11kmのコーナーでは、今度は英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)が機材トラブルで止まったが、3人のチームメートが彼を集団に戻してくれた。
先頭ではデマルキとクラークがわずかなタイム差を守り続け、そのまま逃げ切れる可能性が出てきた。ところが、ゴールまで残り1kmのフラム・ルージュを通過した後、スプリントで不利なデマルキは先頭を引くのを止め、2人の協力体制は失われてしまった。
デマルキとクラークはゴールまでたった300mで集団に追い抜かれ、ジロ区間優勝のチャンスを逃してしまった。集団からは最初にフェルナンド・ガビリア(モビスターチーム)がスパートしたが、フィニッシュライン目前でピーダスンに抜き去られてしまった。
■区間初優勝したピーダスンのコメント
「とても嬉しいよ。これが我々がここに来た目的だった。逃げの選手たちを捕まえるのは難しかった。チームメイト全員を早めに使わなければならなかった。ガビリアに応戦するのも難しかったよ」
■第6ステージ結果
[5月11日/ナポリ~ナポリ/162 km]
1. PEDERSEN Mads (TREK – SEGAFREDO / DEN) 3:44:45
2. MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
3. ACKERMANN Pascal (UAE TEAM EMIRATES / GER)
4. GROVES Kaden (ALPECIN-DECEUNINCK / AUS)
5. GAVIRIA RENDON Fernando (MOVISTAR TEAM / COL)
6. MATTHEWS Michael (TEAM JAYCO ALULA / AUS)
7. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
8. MAYRHOFER Marius (TEAM DSM / GER)
9. ROTA Lorenzo (INTERMARCHÉ – CIRCUS – WANTY / ITA)
10. VELASCO Simone (ASTANA QAZAQSTAN TEAM / ITA)
148. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +18:25
■第6ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) 22:50:48
2. EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) +0:28
3. PARET PEINTRE Aurélien (AG2R CITROEN TEAM / FRA) +0:30
4. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:00
5. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +1:12
6. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:26
7. VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS) +1:26
8. SKUJINS Toms (TREK – SEGAFREDO / LAT) +1:29
9. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +1:30
10. ALBANESE Vincenzo (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA) +1:39
159. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:01:24
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):PINOT Thibaut (GROUPAMA – FDJ / FRA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR)
(※第7ステージは ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED)が着用)
第7ステージは総合争いの最初のテスト
5月12日はカプアをスタートして再び開幕地だったアブルッツォ地方へと戻り、標高2130kmのグラン・サッソ・ディタリア(カテゴリー1)頂上にゴールする第7ステージが行われる。ジロの歴史上、総合優勝者がアブルッツォの区間で優勝した事は15回あり、このステージは総合争いの最初のテストとして非常に注目されている。
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