ジロ・デ・イタリア2023 雨の第9ステージ個人TTはエヴェネプールが制して総合首位
イタリアで開催中の第106回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月14日にサヴィンニャーノ・スル・ルビコーネからチェゼーナまでの35kmで、個人タイムトライアルの第9ステージを競い、ベルギーTTチャンピオンでロード世界チャンピオンのレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が、初日の個人タイムトライアルに続いて今大会2勝目を上げた。
区間2位はたった1秒(0.09秒)差で英国のゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアズ)、3位は2秒差で英国のテイオ・ゲーガンハート(イネオス・グレナディアズ)だった。マリア・ローザを着たノルウエーのアンドレアス・レックネスン(チームDSM)は、1分15秒差の区間19位でゴールし、エヴェネプールが総合首位に返り咲いた。
163選手が出走した雨天の第9ステージは、終盤スリリングな展開になった。暫定1位でホットシートに座っていたシュテファン・キュンク(グルパマ・FDJ)のタイムを、159番目にスタートしたゲーガンハートが第1、第2計測地点で更新したすぐ後に、160番目スタートのトーマスが更新していったが、ベルギーTTチャンピオンのエヴェネプールは、第1計測地点で11秒も上回っていた。
しかし、エヴェネプールはそこから失速し、第2計測地点ではトーマスよりも2秒しか上回っていなかった。そして29kmの第3計測地点では、3人のタイムは全く一緒だった。ゲーガンハートのタイムを1秒上回ってゴールしたトーマスがホットシートで見守るなか、エヴェネプールは終盤何とか持ち直し、たった1秒差でトーマスを打ち負かす事ができた。
総合優勝候補の一角であるスロベニアのプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)は、区間優勝争いに加わる事はなく、エヴェネプールに17秒差の区間6位でレースを終えている。
ジロは1週目を終え、世界チャンピオンのエヴェネプールがマリア・ローザを取り戻し、トーマスに45秒差、ログリッチに47秒差、ゲーガンハートに50秒差を付けて、2週目に設定された北西部の厳しい山岳ステージを迎える事になった。
■今大会の個人TTで2勝目を上げ、総合首位に返り咲いたエヴェネプールのコメント
「あまり良いペースではなかったと思う。あまりにも速くスタートして、2番目のパートは素晴らしくなかった。ちょっと回復できたから、テクニカルなパートでは良い脚を見つけられた。2番目のパートは向かい風でとても良いとは感じていなかった。また区間優勝したが、最高のタイムトライアルではなかった。
今持っているアドバンテージで山岳に行くのはとても良いが、イネオスは間違いなくボクを攻撃するいくつかの計画を持っているだろう。しかし、我々は強いチームを持ち、自信もたっぷりある。この2日間は最高ではなかったから、明日はしっかり回復しなければならない。まずはこの勝利を楽しみたい」
■第9ステージ結果
[5月14日/サヴィンニャーノ・スル・ルビコーネ~チェゼーナ(テクノジム・ヴィレッジ)(個人TT)/35 km]
1. EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) 41:24 (50.725km/h)
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:01
3. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:02
4. KÜNG Stefan (GROUPAMA – FDJ / SUI) +0:04
5. ARMIRAIL Bruno (GROUPAMA – FDJ / FRA) +0:08
6. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +0:17
7. ARENSMAN Thymen (INEOS GRENADIERS / NED) +0:24
8. VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS) +0:30
9. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +0:35
10. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +0:42
19. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +1:15
73. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +3:55
■第9ステージ後の総合成績(マリア・ローザ)
1. EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL) 34:33:42
2. THOMAS Geraint (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:45
3. ROGLIC Primoz (JUMBO-VISMA / SLO) +0:47
4. GEOGHEGAN HART Tao (INEOS GRENADIERS / GBR) +0:50
5. ALMEIDA Joao Pedro (UAE TEAM EMIRATES / POR) +1:07
6. LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) +1:07
7. VLASOV Aleksandr (BORA – HANSGROHE / RUS) +1:48
8. CARUSO Damiano (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA) +2:13
9. KÄMNA Lennard (BORA – HANSGROHE / GER) +2:37
10. SIVAKOV Pavel (INEOS GRENADIERS / FRA)
154. ARASHIRO Yukiya (BAHRAIN VICTORIOUS / JPN) +1:51:51
[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):MILAN Jonathan (BAHRAIN VICTORIOUS / ITA)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):BAIS Davide (EOLO-KOMETA CYCLING TEAM / ITA)
■新人賞(マリア・ビアンカ):EVENEPOEL Remco (SOUDAL QUICK-STEP / BEL)
(※第10ステージは LEKNESSUND Andreas (TEAM DSM / NOR) が着用)
15日は最初の休養日
ジロは天気に恵まれなかった1週目が終わり、5月15日は最初の休養日になる。16日からは2週目がスタートし、スカンディアーノからティレニア海沿岸のヴィアレッジョまでの196kmで、第10ステージが行われる。コースは中盤にはトスカーナ・アペニン山脈の標高1527mでカテゴリー2のパッソ・デッレ・ラディーチを越えるが、海岸線へと向かう終盤は平坦だ。
サイスポ・ニュース:
ジロ・デ・イタリア2023でマリア・ローザのエヴェネプールが新型コロナ陽性